1972年(昭和47年)6月、「泉パークタウン」第1期起工

住民とともに、50年先100年先を見据えた街づくりに取り組む

パート2
シビルライセンスという思想

販売するのは街をともに育てていく権利

工事中の様子

工事中の様子

杜の都・仙台で始まった壮大な開発プロジェクト「泉パークタウン」。当社がここで目指したものは、単なるニュータウン開発ではない。描いたのは、豊かな暮らしやあたたかなコミュニティを築き、50年100年の単位で見つめる街づくり、地域と住民がともに成長していける街づくりだ。

こうした考え方は、「シビルライセンス」というキーワードに結実している。シビルライセンスは日本語に訳すと「環境共有権」。1974年に、泉パークタウンの第1次竣工を記念して『シビルライセンスへのみち』という小冊子が作られた。藤岡は語る。

「我々デベロッパーは街の主体ではありません。街をよりよくしていくのは、そこに暮らす住民の皆様です。だからこそ我々は、泉パークタウンの開発当初から、『当社がお客様にご提供するのは土地や家屋だけではない。街全体を共有財産として愛し、ともに成長させてくださる権利をお客様に持っていただくこと』と考えました。そうした考え方を『シビルライセンス』と名付けたのです」

住宅の周りにセミパブリックスペースを配置

住宅の周りに設けられたセミパグリックスペースが豊かな住環境を生み出している

住宅の周りに設けられたセミパグリックスペースが豊かな住環境を生み出している

公園に設けられたモニュメント

公園に設けられたモニュメント

「自然との共生」をメインテーマに、複合的な機能を持った街を住民とともに育てていく――シビルライセンスで示された考え方を具現化していく時に重要な役割を果たしたのが、街並み形成のルールの存在と泉パークタウン全体を管理するための「株式会社泉パークタウンサービス」の設立だ。

街全体を共有財産と考えるならば、たとえば海外の古都の街並みのような統一的な景観の維持は重要な要素。さらに「自然との共生」をテーマに掲げる泉パークタウンでは、暮らしの中に豊かな緑が存在することが必須条件となる。そのため各地区ごとの特長を引き出しながら、より心地よく住める環境をつくるため街並み形成のルールを定めている。

周囲の景観と建物を調和させることなどを目的とした地区計画の中には、屋根の傾斜や色味の制限なども盛り込まれ、一般的な都市計画や用途地域の制限よりも、ある面では厳しい内容となっている。しかし、これは制限というよりも、泉パークタウンをともに成長させていくための基本認識といえるもの。分譲当初、まだ街並みが成熟していない段階では、理解が得られにくい面もあったが、今ではこのルールの存在が街並みを維持し、泉パークタウン全体の価値を高めていると認識されている。

特筆すべきは、取得した土地の一部を緑地化する取り決めがあること。ある街区では、自分の土地の公道に面した部分に植栽帯を設けることが義務づけられている。つまり、公道から50cmほどセットバックした位置から、各住戸の擁壁がつくられ、自宅=プライベートスペースと、公道=パブリックスペースの間に「セミパブリックスペース」が設定されている。セミパブリックスペースは、個人の所有物でありながら、所有者が独自に建造物を設置することができない。歩道に設置された緑とともに、緑のスペースとして確保され、豊かな住環境づくりの一端を担っている。

シビルライセンスを具現化する会社

幹線道路には大きな街路樹が並ぶ

幹線道路には大きな街路樹が並ぶ

シビルライセンスを具現化する取り組みとして、もう1点、当社が取り組んだことは、まだ街づくりが始まって間もない時点から、街全体の総合運営管理を行う「株式会社泉パークタウンサービス」を設立したこと。平生は、この泉パークタウンサービスの設立は、50年100年のスパンで街づくりに取り組む当社だから実現できたことと強調する。

「街並み形成のルールは、東京の成城や田園調布、関西なら芦屋などにもあります。一方、泉パークタウンはそのような伝統のある街ではありません。『自然との共生』を掲げても、まだまだ住宅地では緑も育っていない。そのような状況で街づくりを進めるには、何らかの仕組みが必要だと考えました。そのために設立したのが泉パークタウンサービスです。この会社がたとえば植栽帯の維持のために、植栽や剪定、肥料の散布などのメンテナンス作業を行います。住民は『シビルライセンスを守る』という共通認識さえ持っていれば、あとは相応のコストを負担していただくだけで済むのです」

街のメンテナンスにかかるコストは、居住者が分譲時に支払った基金によってまかなわれている。言い換えればシビルライセンスという誇りのもと、街の景観や環境を維持するために住民がすすんでコストを負担しているのだ。

また、分譲当初は街の景観を維持するため、メインストリートに面する分譲地には、まず当社の建売住宅や関連会社が注文住宅を建設することで統一感のある景観をつくり出した。それをひとつの指針として、他のハウスメーカーが家を建てるという取り組みも行われた。

ザ・パークハウスを紐解く、6つのストーリー

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