2003年(平成15年)10月「M.M.TOWERS」竣工

横浜みなとみらい21で先取りした、新しい時代の街づくり・住まいづくり

パート3
いつまでも安心して住み続けていただくために

超高層マンションにバルコニーが必要な理由

M.M.TOWERSはバルコニーを設置している

M.M.TOWERSはバルコニーを設置している

東西南北の4面のデザインをそれぞれ変え、外観のアクセントに

東西南北の4面のデザインをそれぞれ変え、外観のアクセントに

免震コアウォール構造の採用は、レイアウトの自由度や将来のリフォームへの対応はもちろん、地震の多い日本において大きな安全と安心感をもたらした。そしてM.M.TOWERSには、大規模な免震装置や免震構造のように大きく目立つ取り組みではないが、当社の安全や安心に対するポリシーが現れている部分がある。たとえばバルコニー。

高層のタワーマンションにはバルコニーを設置しないデベロッパーも少なくない。高層住戸での安全性、外観のデザイン性などその理由は各社さまざまだろう。しかしM.M.TOWERSにはバルコニーが設置されている。そこには万一の際の避難経路として、バルコニーは絶対に必要という当社のポリシーがあるからだ。平生は、これからの社会のありようも重ね合わせて、説明する。

「見た目がよくないからバルコニーをつくらないというのは、一時的な判断でしかないと思います。10年、20年経てば、タワーマンションの居住者も高齢化していきます。万一、火災が起きた際に、足腰が思うように動かずバルコニーに逃げるのが精いっぱいということもあり得ます。そうしたことまで想定してマンションをつくっているかどうか。一般にはなかなかアピールしにくい部分ですが、そうしたところに住まいづくりへの当社のこだわりが表れていると思います」
設計担当者が続けた。

「とはいえ、バルコニーがあってもデザイン的にすっきりと見せたい。特に難しいのが、戸境の部分です。各戸のサッシの大きさの変化に加え、戸境を工夫することで、M.M.TOWERSはバルコニーのない、ビル型のマンションと比べても遜色ないデザインになっていると思います」

100年コンクリートの採用

躯体に30〜60N(ニュートン)の高強度コンクリートを採用。

躯体に30〜60N(ニュートン)の高強度コンクリートを採用。

そして安心して住み続けていただくために、大切な要素となるのが建物の耐久性だ。コンクリートの寿命は30年から40年程度と言われ、それがマンションの寿命として語られることが多いが、M.M.TOWERSでは100年間は大規模な補修が不要とされている、いわゆる「100年コンクリート」を採用した。

前述したスケルトン&インフィルシステムも、躯体(スケルトン)の高い耐久性があって初めて大きな意味をもってくる。100年コンクリートによる高い耐久性とスケルトン&インフィルシステムによる高い可変性によって、M.M.TOWERSは居住者にとって、そして社会にとっても長期間、大切な資産であり続けることをめざした。

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