2014年度グッドデザイン賞受賞ザ・パークハウス 戸塚
2014年10月09日
マンションと多様な公共施設の融合
「ザ・パークハウス 戸塚」は、横浜市で実施された全国初の試み「公民連携による課題解決型公募モデル事業」による集合住宅です。公募の前に事業者との対話を通し市場を把握しながら、地域の課題解決へ向けて公共資産の有効活用を図るという、横浜市が開発した事業者公募のモデル事業です。
その事業で選定された本プロジェクトは、地域の連携や周囲の調和に配慮し、マンションと多様な公共施設の供用空間が、機能的・視覚的にまちとつながり、住まいと地域に「暮らしの豊かさを育む」ことを目指しました。
さらに駅前再開発の利便を享受できる立地を活かし、公共性と融合したこれからの都市型集合住宅のあり方を示すことをテーマとしてデザインされました。
地域のためのサービスや空間を設置
マンション内には定員105名の保育所が設けられるだけでなく、共働き世帯も考慮した学童スペースも設置されており、待機児童の解消に貢献しています。
また、隣接する小学校の校庭へできるだけ日影を落とさないよう、建物を極力南側に寄せ敷地の中央に配置し、北側には提供公園を設けました。
地域の防犯・防災対策としては、災害時には敷地内にある広場を地域住民に開放し、防災倉庫をはじめとしたさまざまな備品(飲料用井戸・マンホールトイレ等)を利用できるようにしています。
さらに、街のにぎわいとコミュニティ形成のために地域交流型スペースとして、NPO団体が運営するコミュニティスペース(ふらっとステーション・とつか)を設置し、様々なイベントを行っています。
審査員の評価コメント
特に東日本大震災以降、マンションと周辺地域のコミュニティとの関係に注目する議論が多く見られるようになってきた。
本提案は横浜市のモデル事業として、地域の課題解決に資する空間やサービスを可能な限り当該マンション内に準備しようとした意欲的な提案であり、この点が評価された。
2014年2月竣工
※ 社名・所属部署・肩書・名称などは受賞当時(掲載年月)のものです