2015年度グッドデザイン賞受賞ザ・パークハウス 追浜
2015年09月29日
地域のつながりを生むことで、まちの活性化を目指す
市街地に張り出した丘を造成した海抜約60mの高台に立つ、700戸超の大規模集合住宅開発事業。
エリアの課題であった交通網の未整備や高低差による駅前市街地と周辺住宅地との連携不足の解消図るため、道路の新設や周辺トンネルの改修に加え、マンション敷地内の貫通路の開放、高低差を解消する敷地内シャトルエレベーターの開放、NPO団体との協業による地域バスの運行等に取り組みました。地域住民の利便性を向上させることにより、地域社会の活性化を目指しました。
自然の力を活かし、風と緑に囲まれた生活をもたらす
一方で、開発により失われがちな土地の原風景=「風と緑」を受け継ぐために、高度地区適用緩和による建築面積の抑制、駐車・駐輪施設の屋上・壁面緑化により、敷地の約35%の緑地面積を確保しました。また、敷地内に2つの「風の道」を設けることにより、丘陵地帯の空気の流れの継承を図りました。
人と人のつながりを生む空間を創出し、コミュニティを育む
更に、地域に開かれた空間に、居住者と地域住民のつながりを生む庭園や公園、まちなみを創出しました。その一方で、居住者専用庭園の設置や、コミュニティ支援団体との連携による居住者同士の交流支援等、居住者同士のつながりにも配慮。「居住者と地域住民」・「居住者同士」の二面に対応したコミュニティ形成を図りました。
丘を造成した大規模開発事業
地域に開放されたセントラルガーデン
公開された貫通通路。つながりを生む街並み
2014年10月竣工(全体竣工)
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- 社名・所属部署・肩書・名称などは受賞当時(掲載年月)のものです
審査員の評価コメント
高低差のある敷地における計画で、単にその敷地内の計画にとどまらず、シャトルエレベーターをつけ、それを地域に開放することで、段差によって分断されていたエリアをつなぐことに貢献し、また、その同線に連動した外構も地域に開放されており、大規模開発でしかなしえない地域貢献がなされていることは大きく評価できる。
同時に、風の流れを配慮した配棟計画も評価できる。
総合的に見て、地域を含めて面的に価値を上げる計画となっている。