2016年度受賞 遊休資産となった社宅の再生転貸事業

2016年度グッドデザイン賞受賞遊休資産となった社宅の再生転貸事業

[グッドデザイン賞]

2016年09月29日

社宅に新しい道を。物件検討者に新しい選択肢を。

人々の生活や企業、社会と同じように、社宅を取り巻く環境も変化していることをご存知でしょうか。高度成長時代には主に福利厚生制度の一環として、従業員のために企業が社宅を用意することが多く、かつては人材確保などの企業戦略制度のひとつでした。しかし、月日が流れ、建物の老朽化等で役目を終えた社宅が昨今多く見受けられます。継続的な保有のコストや維持管理の手間がかかる一方、老朽化により資産として価値を失いつつある現状は、企業の課題のひとつとなっています。このプロジェクトは、役目を終えた社宅を、現在の住宅ニーズに合わせて再構築する事業モデル。企業のアセットマネジメントに貢献するだけでなく、住まいをお探しのお客様にも安価に、しかも一般的な賃貸住宅にないメリットがある賃貸物件を提供します。

社宅が生まれ変わるまで。

「遊休資産となった社宅の再生転貸事業」は、企業が遊休資産として保有する社宅を、三菱地所レジデンスがサブリース(転貸借)を前提とした賃貸借契約であるマスターリースを10年程度契約します。その後、当社の負担にてリノベーションを実施。50年にわたり新築物件を供給してきた実績とノウハウ、グループリソースを活かしてリノベーション事業に取り組めるのが、三菱地所レジデンスの強み。現代の住宅ニーズに合わせて、社宅を一新し賃貸住宅として新たなスタートを切ります。社宅が、「収益を生まず保有コストがかかる一方で、再生を図る手法が見つからない」という企業の課題に対する新たな解決策です。

社宅の特性を活かした、個性ある賃貸住宅。

社宅が建っている場所の多くは、住環境が整った好立地です。しかも、間取りや共用部にゆとりがあるなど、社宅ならではの条件がそろっています。その特性を活かしたリノベーションを行います。
例えば、「家族と共に成長する住まい」をコンセプトにゆとりある空間を活かし、一坪農園やDIY工房など、一般賃貸住宅にはないコミュニケーション形成の場を創造。 また、既存設備を極力活かして、工事費抑制と使用価値向上に努めています。その結果、ニーズの高い賃貸物件としての資産価値再生が可能となり、入居者からは希少性・デザイン性の高い空間が相場より安く賃借できると好評価。社宅再生により企業、入居者、当社の3者が、それぞれメリットを享受できる事業スキームとなっています。

審査員の評価コメント

かつて社宅は企業の魅力を象徴する重要な役割を担っていた。しかしながら、老朽化に伴い社宅はコストセンターになってしまった。遊休資産を稼働資産へ変換するという課題を解決すべく、企業や入居者の要望が分析、整理され、第三者が参入することで課題が綺麗に解決出来ることを具体的に示しており、大変に興味深いデザインとなっている。本提案は昨年(2015年)受賞した「築古ビルのリノベーション転貸事業」のスキームを社宅に転用した例であるが、ステイクホルダーの二者では解決できない課題を三者で考えることによって解決出来る具体例が示され、本スキームの他分野への展開を期待したい。

事業概要

事業概要

事業概要

事業スキーム

  1. 福利厚生施設として運営を終えた社宅を当社がマスターリース(概ね10年間)
  2. 当社がリノベーション工事の投資を概ね負担・実施
  3. バリューアップした住まいを入居者に転貸し、転貸差益にて投資回収
  4. マスターリース期間満了後はバリューアップした物件を現状有姿で返還

社宅オーナー当社の収入フロー

社宅オーナー当社の収入フロー

社宅オーナー当社の収入フロー

デザインポイント

実例 ザ・パークレックス東陽町

ザ・パークレックス東陽町

ピロティにはハンモックや卓球台が設けられている。

ザ・パークレックス東陽町

子どもの成長や人数などにあわせて、大きなリビング、または仕切って寝室として使えることを想定した間取りとなっている。
2部屋を間仕切る引戸を黒板仕様とし、家族のメッセージボードや子供がお絵描きできる壁としての利用を想定。

社宅特有のゆとりある住空間や、元々の間取りの良さを活かすことでコストをかけず、最小限の操作で最大限の効果が得られるよう工夫し、事業モデルと意匠の両立を図った。

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