「50代は住み替えのベストタイミング」 “今の理想”を叶えた、瑞穂まきさんの住まい

「50代は住み替えのベストタイミング」 “今の理想”を叶えた、瑞穂まきさんの住まい

[暮らしのアイデア]

2018年07月30日

ライフオーガナイザーとして、暮らしやすい住まいづくりや収納のアドバイスを行い、自宅にも頻繁に人を招くという瑞穂まきさん。3年前、ふとしたきっかけで戸建からマンションへの住み替えを経験しました。子育てがひと段落したタイミングでの住み替えは、今後の自身のライフスタイルを改めて考えるきっかけになったそう。瑞穂さんの“今の理想”を叶えた住まいを訪ね、住まいづくりのこだわりや、住み替えで感じたメリットなどをお聞きしました。

 

50代は住み替えのベストタイミング

都心ながら、緑が多く閑静な街にたたずむ瀟洒なマンション。ずっと戸建住まいだった瑞穂さんが、このマンションと出会ったのは、子育てが一段落した50代前半のことでした。

「もともと、住んでいた戸建てを終の住処にするつもりで、住み替えは考えていませんでした。でも、たまたま近所で道路の拡張工事が始まって、騒音や揺れに悩まされるようになり、これが何年も続くのかと思うとしんどく感じて。長く住むためにリフォームまでした理想の家でしたが、ふと“引っ越したいな”という気持ちがわいてきました」。

瑞穂さんご一家はお子さんがまだ小さい頃にも住み替えを経験しましたが、その際にはお子さんの通学区域内であること、実家に近いことなど、新居に対するさまざまな条件があったそう。

「でも50代になって、子どもも手が離れて。新しい住まいを考えた時、『あれ? 今ならば、何にも縛られずに住む場所を選べるのかも』と気づきました。この先「『引っ越したい』と思うようになったとしても、十年後では体力や気力が落ちているかもしれません。でも50代はまだまだ元気だし、子どもは大きくなっている。それまでは住み替えるなんて想像もしていなかったけど、振り返ればふと思い立ったあの時が、子育てを終えた私たち夫婦にとっては住み替えのベストタイミングだったと思います」。

さらに、この先の夫婦ふたりでの住まいの形や、ご自身のライフスタイルを想像した時、戸建にこだわらなくてもよいのではと思い始めた瑞穂さん。ずっと戸建に住んできた瑞穂さんがマンションを住み替え候補に入れたことは、大きな心境の変化でした。

「これまでマンションに住んだことはなかったのですが、新居の候補として考え始めた瞬間、視野がぱっと広がりました。地域に縛られることなく探すことができ、物件選びの自由度が増したんです。簡単には見つけられないだろうなと思っていた都心近くにも、選択肢が広がりました」。

こうして物件を探し始めてしばらくして、ご主人がお仕事中に出先で偶然見つけた分譲マンションが、今のお住まい。都心の便利な場所、広さ、何より大きなルーフバルコニーのある開放感に惹かれ、即決したそう。

結果として、瑞穂さんのマンションへの住み替えは大成功。以前よりも都心部に移ったため、フットワークが軽くなり、ライフオーガナイザーとしての仕事も、この住まいを起点に大きく広がったといいます。

 

住む人に合った色にカラーコーディネートされた空間は、心地よさを生む

物件が決まった後は、『シックでエレガント+ほんのりナチュラル』というコンセプトを決め、温かみのあるグレーを基調としたカラーコーディネートなど、こだわりを形にしていきました。

「住まいづくりは、“今後どう暮らしたいのか”を明確にすることが大切」と瑞穂さん。何よりも優先したのは、リビングを「人がリラックスして集まれる場所」にすることでした。リビングは、ご家族との団らんはもちろん、瑞穂さんのライフスタイルを学ぼうとする人が訪れる場所でもあります。だからこそ、テーブルに集まったり、ソファに座ってお茶を飲んだり、リビングから続くバルコニーに出たり等、それぞれが好きなことをしながら、心地よい距離感を保って集える空間にすることを大切にしました。さらに、空間の色選びにも力を入れています。

「前の家は子育て中心で考えた家なので、壁がもっと白くて、ナチュラルで、シンプル。落ち着きよりも快活さやカジュアル感を重視していました。けれど、これからは大人っぽくシックでエレガントな感じにしたいなと思って」。

その言葉のとおり、メインの壁紙には、大人らしい優しさと落ち着きを感じさせるグレーが用いられています。

「空間全体を赤が含まれているグレーでまとめています。グレーと一言で言っても本当にいろんな色があって、青っぽいグレーだとクールになるし、黄色っぽいグレーだとナチュラルになります」。
住む人に合ったカラーでコーディネートされた空間は居心地のよい空間になる、と瑞穂さんは色使いの大切さを語ります。

 

住み替えで叶えた理想の家、近道は理想を明確にしていくこと

玄関正面の扉を開けると、リビングダイニングへ

住み替えたことで、自分が思い描く理想の住まいを手に入れた瑞穂さん。
「実は我が家のリビングダイニングは、北向き。でもとても明るいのです。前が開けているから抜け感があるし、直接日光が入り込まないので熱もこもらない。北向きのマンションもとても暮らしやすいんだなと感じました」と瑞穂さん。

快適なだけでなく機能性が増し、さらに嬉しいことも。
「何より家事が楽になりました! 住み替え前は三階建てだったので、階段の掃除が大変だなと感じていて。今はコンパクトになりましたがその分無駄がなくなり、家事の動線が短くなりました」。

ライフオーガナイザーとしても、その知識や手法を自分の住まいで実践している瑞穂さん。実際に自宅に人を招くことで説得力が増し、ブログの読者や自宅に訪れる人も増えました。

「ライフオーガナイズに興味を持たれている人が、ここに来てリビングでゆったりと過ごすだけで、自分はどういうふうに暮らしたいか、理想の住まいをつくるにはどうしたらよいかと考えるきっかけを持って帰ってくださるようです。そういった“理想の家を見つけるヒント”をいつも持っておくことが大切だと思います」。

瑞穂さんご自身は、“理想の家を見つけるヒント”として、心に響いたインテリアや理想の部屋の写真などをスクラップブックに集めているそう。

「日々忙しく過ごしていると、住まいや暮らしの不満をそのままにしがちです。でも、“理想”を明確にして、『日々のちょっとしたイライラ』に気づき、イライラを1つ1つ取り除いていく工夫をすると、とても生活しやすくなります」。

好きなものだけに囲まれた理想の住まいは、本当にやりたいことに注力できる空間になる。瑞穂さんは自らの体験とともに、それを教えてくれました。


瑞穂まきさん
ライフオーガナイズスタジオ「トレシア」主宰。アパレル、建築系会社勤務を経て独立。現在はライフオーガナイザー、クローゼットオーガナイザー、カラーシェイプアドバイザーとして、企業や自宅でクローゼットの片づけや住まいのリノベーションについての講座を開いたり、クライアント宅で収納や服のオーガナイズのコンサルをしている。

(テキスト) 田邉愛理
(写真) 鈴木真弓


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