プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 上野」同潤会 上野下アパート 建替えプロジェクト
2015年07月22日
1929年に竣工した『同潤会 上野下アパート』は、当時の人々が憧憬の念を抱くほどの、革新的な集合住宅のひとつであった。
しかし永い年月は、否応なく老朽化を進ませ、古くからの住民を徐々に減らしていき、輝かしい日々は過去のものとなりつつあった……。
そんな折、かつての輝きを取り戻すべく、一部の住民が満を持して動き出す。
彼らと出会った各分野の事業者たちは、「最後の同潤会アパート」と真摯に向き合い、新たな道筋を見出した。
text by Yuji Iwasaki
photo by Yoko Sawano
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プロローグ
2013年5月上旬、『同潤会 上野下アパート』(以下、上野下アパート)は建物の解体を控え、すでに住戸の大半が空いていた。そんな時期に、かつて住んでいた住人たちが...
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だれもが納得できるプロセスを重視。
上野下アパートの建替えが検討されたのは、実は今回が初めてではない。昭和末期から何度も繰り返されてきた。そのたびに頓挫してしまった最も大きな理由は、建物にともな...
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基本コンセプトはレトロモダンと防災。
検討の末、管理組合は2011年1月に建替え推進決議を可決。前年に建物の診断と建替え構想の検討業務を担ったUG都市建築に、あらためて建替えコンサルティング業務と基....
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個々の思いをコミュニティ再生につなげて。
当時、石原とともにプロジェクトに参加していた大野禎史は、上野下アパートへ毎日のように通い始めた。建替えによって変わる生活や問題に関して個別に意見を聞くなど、細...
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