グランデスクの“街歩き”⑩

Mr.グランデスク 
仙台で杜の都に想いを馳せる

2025.11.28
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今回は「杜の都」仙台にやってきました。

豊かな人生へのご提案として、「住む」ことにフォーカスしながら様々な都市をご紹介してきたGRAN DESK(グランデスク)スタッフによる“街歩き”。
今回は、東京駅より新幹線で約90分、「杜の都」仙台を訪れました。
東北地方の代表的な都市として充実した都市機能が集約しているうえ、街並みが美しく、自然も身近に感じられる仙台は、暮らしやすく、かつ都心部の住宅価格高騰やリモートワークの定着、ライフスタイルの多様化で「都心離れ」なる言葉も生まれた現代、セカンドハウスを求める方々も多くなっています。
今回の“街歩き”は、杜の都の魅力を、実際に歩きながらご紹介していきます。

今回のご案内メンバー
今回のご案内メンバー

前田 昇プロフィール

1964年4月生まれ。1987年の入社以来、主に都心マンションの販売、企画業務等を経て2023年4月よりグランデスクに配属。
趣味のひとつに映画鑑賞があり、最近は「午前十時の映画祭」という映画企画で青春時代に観た懐かしい作品や一度はスクリーンで観たかった名作映画を鑑賞。エンドロールを観ながらひとときの余韻に浸る時間が気に入っています。

独自の歴史と魅力を培い続け、
この国を代表する文化を
生み出してきた街。

17世紀初頭、伊達政宗公の時代から発展してきた仙台は、現在では東北地方唯一の政令指定都市。109万人の人口を擁する東北地方の業務・商業の中心地としての都市機能と恵まれた自然を併せ持つことから「杜の都」と称されています。また、大学、高等専門学校、専門学校といった高等教育機関が豊富にあり、若くて優秀な学生が集まる「学都」としても知られています。
「仙台七夕まつり」など全国的に知られる祭事があるだけでなく、東北楽天ゴールデンイーグルスの誕生や、羽生結弦氏をはじめとするオリンピック出場アスリートの輩出など、常に全国区的な話題を提供。本年も「ゼビオアリーナ仙台」がリニューアルオープンするなど、都市としての発展のみならず、魅力あふれる生活文化を創造し続けています。

今回は、Mr.グランデスクと前田の二人が「杜の都」と呼ばれるにふさわしい風景を探しながらの“街歩き”となりました。
※令和7年10月1日人口動態より

仙台駅周辺

“街歩き”のスタートは
AER展望テラスから

「仙台」駅に到着早々、二人が向かったのは「AER展望テラス」。西口駅前という立ち寄りやすい場所、誰でも入場できることから多くの観光客もまず訪れる場所でしょう。西側には蔵王をはじめとする奥州連山にまで連なる市街地が、東側には太平洋まで広大に開けていく仙台平野を見渡せるダイナミックな風景は、東西でまったく違う景色を眺望することができます。
「東西の表情の違いを感じるだけでも、仙台という街の魅力の多彩さや風土の豊かさがわかりますね」とMr.グランデスク。
青葉通や定禅寺通、清らかに続く流れの広瀬川など、これから歩むことを予定しているスポットを、期待に胸をふくらまして一望しました。

AER展望テラス
AER展望テラス

「杜の都」にふさわしい、
暮らしに息づく緑

北・西・南の三方を丘陵地帯の原生林に囲まれた仙台は、もともと豊かな緑量に恵まれた街。第二次世界大戦時の仙台空襲で一部が失われてしまった後も、戦後公布された特別都市計画法により青葉通や定禅寺通の街路樹が改めて整備されるなど、「杜の都」としての歴史は大切に継承されてきました。

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●青葉通

仙台駅前のオフィス街を抜けて西公園や広瀬川といった自然へとつながっていくこの街のシンボルロード。商業業務機能だけではなく、晩翠草堂や良覚院丁公園といった歴史・文化資源もある通りです。
二人が歩いた10月上旬でも、ケヤキ並木は青々と心地よく連なり、実際に歩くと、まさに「杜の都」の風情を全身で味わっているようでした。
「仙台を歩いているんだなと実感することができる通りですね」とMr.グランデスク。駅からすぐ、二人はまさに「杜の都」を体現する通りに出逢うことができました。



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天然記念物 塩川の碑

●定禅寺通

青葉通より北に歩むと「勾当台公園」を中央に東に「錦町公園」、西に仙台城跡・「西公園」が続く定禅寺通。定禅寺通は残念ながら工事中でしたが、中央が遊歩道になっている贅沢な道の構成、野外ギャラリーの趣を醸すグレコの「夏の思い出」、クロチェッティの「水浴の女」などのブロンズ像には、仙台ならではのアートの薫りが漂っていました。ケヤキの高木がトンネルを形成するその道は、日差しが強い昼の時間帯でもほんとうに涼やか。
訪れた日も10月とはいえ、まだ暑さの残る日でしたが、木陰にあるベンチに座る前田は「風が涼やかでとても気持ちがいいですね。残暑の疲れも癒されます」と一言。
その豊かな木々に、今年でちょうど40回目を迎える杜の都の冬の風物詩「SENDAI光のページェント」では、定禅寺通のケヤキ127本に約48万球ものLEDが灯されるそう。2025年は12月5日~28日の24日間もの間、街中が優しい光で彩られます。

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SENDAI 光のページェント参考写真

●西公園

定禅寺通の西側終着点に広がる「西公園」は、1875年に開園した市内で最も歴史ある公園。
広瀬川を見渡すことができるロケーション、隣接する伊達政宗公に因む「桜ヶ丘大神宮」も、その趣を高めています。
桜の名所として知られている他、園内には、蒸気機関車、こけし塔、芭蕉句碑、彫刻、伊達政宗公が朝鮮から持ち帰ったとされる臥竜梅(保存樹木)など見所が数多くあります。園内の茶屋もまた趣に満ちていましたが、なんと創業は明治元年だそう。仙台名物のずんだ餅が楽しめるなど、仙台の“街歩き”にはぜひお勧めしたいスポットです。

駅から少し歩んだだけで、豊かな緑に包まれ、魅力あるスポットが充実する仙台。実際に暮らしてみても、四季の豊かさと共に心地よく過ごせる街ではないでしょうか。

西公園

広瀬川にて、
街の歴史に思いを馳せ、
芋煮を食す

そして二人は、「西公園」の先、環境省の名水百選に選定されている広瀬川のほとりへ。
伊達政宗公が青葉山に仙台城を築く際、その自然崖を天然の要塞として見立てたと言われる広瀬川。自然崖は河川の様々な場所で見ることができますが、とりわけ雄大なのが広瀬川凝灰岩部層が幅約7mも見られ、3つの地層を見ることができる「評定河原大露頭」。“天然の要塞”を偲ばせる自然の壮大さを体感できます。

水の流れを感じることができる水辺まで行ったMr.グランデスク。「市街地からこんなにもすぐ、水の潤いと豊かな緑に出逢えるんですね。
今の時期は鮮やかな緑が印象的ですが、季節によって表情がまったく異なるんでしょうね」。

広瀬川のほとり

河川敷は、まさに市民の親水空間。一年を通じて様々なイベントが開催されますが、ことに秋の風物詩として欠かせないのが「芋煮会」。最盛期の10月は、様々なグループが河川敷に食材を持ち寄って里芋を使った鍋料理・芋煮を作って食すことが仙台の風習になっています。

今回、Mr.グランデスクは、鍋を持参して「芋煮」づくりに挑戦。
実際に河川敷で芋煮を食してみました。里芋はもちろん、豚肉、ごぼう、こんにゃく、椎茸、しめじ、えのき、豆腐…。
夕方、少し肌寒くなってきたからこそ、あたたかい芋煮は美味しく、身も心もぬくもりで満たされました。河川敷で食すからこその味覚を二人で愉しみました。
※広瀬川河川敷での火気使用については、「宮城県仙台土木事務所 行政第二班」に許諾をいただいたエリアでの実施をしております。

河川敷

さあ、仙台グルメの堪能へ!

豚肉を使う「仙台芋煮」も仙台グルメのひとつですが、幅広く知られる牛タンをはじめ、仙台は独自の風土や気候、食材を活かしたグルメの街でもあります。
水深100m程のなだらかに広がる海底や北上暖水により魚の生息に適した仙台湾付近は、200種超ともいわれる魚介類の宝庫。魚介類を活かした食材として幅広く知られているのは、「笹かまぼこ」でしょう。さらに旬の白身魚のヅケと宮城の米を食す「仙台づけ丼」も魅力的。
そしてスイーツとしてよく知られているのは、仙台藩でもお盆の郷土料理として楽しまれていたと言われる「ずんだ餅」。歴史あるグルメが多数あるのです。
その中でも、人気の定番といえば、やはり牛タン。
私たちが訪れたのは地元の方にも勧められた「牛タン焼専門店『司』」。

牛タン焼専門店『司』

注文したのは、「熟成牛タン」。分厚いだけでなく、しっかりとした歯ごたえがありながらも、サクッと噛み切れる柔らかさ。絶妙な塩加減と炭火の香り。 控えめながらもしっかりと効いた塩加減が、肉本来の旨みを最大限に引き出していました。職人さんが熟練の技で炭火で焼き上げることで、奥深くて香ばしい風味に。深い旨みのテールスープも絶品でした。

そしてMr.グランデスクがもう一つ楽しみにしていたのが、仙台の新名物「あおば餃子」。「仙台市内で生産された農産物を使った新たな商品を」というテーマから誕生した新しいグルメです。
訪れたのは「餃子専門店 一番五郎」。真っ先に注文した「あおば餃子」は、「杜の都」をイメージさせる緑鮮やかな色合い。野菜が練りこまれているためさっぱりした味でした。「一番五郎」は、仙台味噌を使った自家製の甘味味噌ダレが特徴ですが、同じあおば餃子でも、店舗ごとに中身が異なり、味覚も多様だそうです。
次に訪れた時には他のお店で食べ比べするなど、仙台グルメは様々な楽しみ方ができそう。
食の愉しみが尽きない点でも、魅力ある街なのです。

牛タン焼専門店『司』

杜の都・仙台に暮らす

三菱地所グループにとって、仙台は縁の深い街です。中心部におけるオフィスビルやマンション開発。そして1974年のまちびらきから半世紀、総開発面積約1,074ha、約1万世帯が暮らす「泉パークタウン」のまちづくりを通じて、この街と共に歩み続けてきました。
「泉パークタウン」の街づくりのテーマは、「人が自然とふれあいながら快適に暮らすための理想的な都市」。コミュニティの形成もサポートしながら、暮らしを豊かにする様々な機能をデザインし続けてきたこの街は、全国の高いデザイン水準を持つ街を国土交通省が選ぶ「都市景観100選」に選ばれました。街中を巡る街路樹。公園や緑を舞台とした地域活動。
さらに他に先駆け、“サステナブル&スマート”をキーワードに持続可能なまちづくりに挑戦し、この暮らしの豊かさを牽引しています。

仙台は現在、「働く場所、楽しむ場所、憩いの場所として選ばれるまちの実現」に向け、「せんだい都心再構築プロジェクト」が進行するなど、さらに「暮らしやすい街」へと成熟を重ねています。

泉パークタウン
仙台の四季を愉しむ

定禅寺通、広瀬川など杜の都の
景観資産と共に春を愛でる
「西公園」の桜

定禅寺通の西端、広瀬川沿いという仙台の景観資産の中心に広がる「西公園」は年間通じて様々なイベントが開催されますが、ソメイヨシノを中心に約200本の桜が開花する花見の名所として有名。桜まつり開催時には花見広場が開設。提灯に照らされた夜桜も風情豊かです。

西公園
参考写真

参考写真

住所
仙台市青葉区桜ヶ岡公園1-3

杜の都が豪華絢爛に彩られる
夏の風物詩「仙台七夕まつり」

駅前から中央通り、一番町通りやマーブルロードおおまち等のアーケード街を中心に、周辺の地域商店街に至るまでが昔ながらの笹飾りで彩られる、仙台を物語る豪華絢爛なフェスティバル。前夜祭の仙台七夕花火祭では、例年約16,000発の華やかな花火が仙台の夜空を彩ります。

参考写真
参考写真

参考写真

画像提供:おおまち商店街

写真提供:仙台七夕まつり協賛会
取材協力:おおまち商店街

開催場所
一番町や中央通りなどのアーケード街
開催期間
毎年8月6日〜8月8日

秋は、杜の都の“奥座敷”、
秋保温泉郷へ

仙台市街から日帰りでも楽しめる秋保温泉郷は、取り囲む山々の深紅や黄色が美しい景観となる紅葉スポット。秋保地区の日本三大名瀑とならび称される「秋保大滝」では、55mもの高さから豪快に流れ落ちる大迫力の風景と共に、カラフルな紅葉がパノラマのように広がります。

参考写真

参考写真

画像提供:TAOYA秋保

画像提供:TAOYA秋保

住所
宮城県仙台市太白区
アクセス
仙台駅から車やバスで約30分

月飾りを焚き上げる冬の風物詩
御神火に健康を願う「どんと祭」

毎年1月14日、小正月に行われる新年の健康と幸福を祈る行事。大きな御神火を焚き、家庭から持ち寄った正月飾り等を焼納し、その火に当たることでその年の健康を祈願。仙台市内各地で開催されますが、「裸祭り」で知られる大崎八幡宮の「松焚祭」は最大級の規模を誇り、毎年数万人が参拝します。

提供:大崎八幡宮

提供:大崎八幡宮

提供:大崎八幡宮

提供:大崎八幡宮

開催場所
大崎八幡宮・仙台東照宮・陸奥國分寺薬師堂・賀茂神社 他
開催期間
毎年1月14日
小川と前田が抱いた“杜の都”仙台の印象
小川:
今回の街歩きの中で、広瀬川で芋煮をした際、「グランデスクの街歩き」第1回目で等々力渓谷を訪れたことを思い出しました。広瀬川が長い歳月をかけて作り出した河岸段丘は渓谷を思わせる迫力がありましたね。どちらも街が開けている中で自然を色濃く感じることができる共通点があると思いました。
前田:
有名な「青葉城恋唄」にも登場する広瀬川は、街中を悠々と流れる大河をイメージしていましたが、市街地のすぐ近くに、大きく蛇行する川筋や切り立った自然崖があって、思いのほか渓谷のようなダイナミックさがあって、少し驚きました。
小川:
仙台はオフィス街であるにもかかわらず、公園や街路樹の木々の緑、広瀬川の水、澄んだ空気と大きな空を感じることができて、「調和」という言葉がぴったりですね。暮らしやすそうだな、暮らしてみるとその豊かさがより理解できそうだな、と感じました。
前田:
入社して間もない頃、今から30数年前に仙台に出張した際に、支店の担当者に「泉パークタウン」を案内してもらったのですが、緑豊かな美しい住宅街とこれから開発が進んでいく広大な敷地、そして遠くに見える残雪の山々の景色を眺めながら「自分もいつかこんな街づくりにかかわってみたいな」と思いを馳せたことをよく覚えています。
小川:
「泉パークタウン」は三菱地所グループが50年の歳月をかけて街を作り、現在も成熟を深めています。そして仙台駅周辺も再開発が進み、進化を続けている「仙台」。この街は、今後も木々や自然を大切にしながら発展していく予感がします。
グラフ

Mr. グランデスク
小川武史が紐解く杜の都・仙台。

AERの展望台から、東側の沖積平野を経て仙台湾を見渡す風景と、西側の広瀬川から仙台城址の台地を経て奥羽山脈を望むダイナミックな風景には、感動しました。奥羽山脈の分水嶺から東へ向かって流れる水は河岸段丘を形成して仙台都心部を作り、やがて海へと注がれ、水蒸気に姿を変えてから雨となり再び山に降り注ぐという循環を目の当たりにしているようでした。

今回の街歩きで最も私の心を惹きつけたのは広瀬川でした。
仙台市街地を流れる広瀬川の中流域で釣れるヤマメ、サクラマスなど渓流魚は私をフライフィッシングに、そして、遠くに連なる奥羽山脈はトレッキングへと駆り立てました。
職住近接の環境で気軽にアウトドアスポーツを楽しめて、食べ物が美味しい、そして新幹線で東京から90分。季節ごとに心躍る風景と緑豊かな都市。まさに、豊かに生きていくのにぴったりのこの街に魅せられました。

次回はサクラマスが遡上する春に訪れたいと思います。

小川武史さん