海外投資家の動向から見る、
2021年都心マンションマーケット予測
空撮写真・皇居から丸の内を望む(2020年5月撮影)
直近の海外投資家の動き
まず、世界の不動産市場を見ると、2020年1-9月までの世界の商業用不動産投資額は前年同期比33%減の4,790億ドルとコロナ禍で大幅に落ち込みましたが、日本は同期比2%減の335億ドル(弊社にてドルに換算)と、小幅な減少に留まります。※
都市別投資額では東京が194億ドルと、ソウル(142億ドル)やロンドン(134億ドル)を抑えて首位となっています。※
世界金融危機の際は海外投資マネーが日本から引き上げる動きが見られましたが、これまでのオフィスに加え、物流や住宅への投資も増えて日本の不動産(特に東京)に資金が流入し、2019年は海外投資家の比率が21%だったものが、2020年1-9月期では38%へと高まり、マーケットの下支えになっている状況が伺えます。※※総合不動産サービスJLL調べ
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都心のマンション市場でも、コロナ禍以前まではセカンドハウス・投資の目的で海外投資家が購入するケースが増え、特に台湾・香港・シンガポールといった東アジア諸国の海外投資家が、都心のマンションを購入しています。
また表1のデータを見ると、直近5年の都心5区(港区・千代田区・中央区・渋谷区・新宿区)の新築マンション平均価格に比べ、弊社取引における海外投資家の平均成約価格はそれを大幅に上回る価格となっております。
さらに表2のデータを見ると、弊社取引での海外投資家成約割合は、都心5区の割合が50~80%と高く、特に東京都心部において底堅い需要があるといえます。
※1 1R、1LDK成約住戸は除く。
海外投資家が日本の不動産に投資する理由は?
弊社と実際に取引いただいた海外投資家や海外仲介パートナーからのヒアリングを元にお話させていただきますが、まず大前提として親日家が非常に多いということがあります。
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台湾の親日は有名ですが、国として親しみをもたれていることは大きな強みとなります。
続いて投資価値ですが、海外投資家は不動産の資産性(目先の利回りではない)を重要視していて、その観点から日本への投資理由が3点ほど伺えました。
1点目は日本経済の成熟度・安定性です。
開発途上国のように大幅なリターンは期待できないものの、リスクも低いと見られていて、海外投資家の資産ポートフォリオを考える上で、東京都心のマンションは安定した投資先と考えられています。
2点目は安全性です。
日本の政治・社会は他国と比較して安定しており、不動産取引における法制度も整っていて、国籍等の区別なく、権利が保障されており、安心して資産を保有できることが魅力だそうです。
3点目が信頼性です。
海外投資家の方からは「日本のマンションの品質は信頼できる」というお言葉をよくいただきます。どこの会社が分譲主でどのような品質を保証しているのかは投資判断する上で重要視されており、手前味噌ですが、弊社マンションをお選びいただいていると実感しております。
付け加えると、東京オリンピックに向けたインフラ整備や再開発が東京都心の価値を引き上げるという期待もあるようです。
今後、中長期的な視点では、開発途上の東南アジア諸国からも海外投資をする富裕層が増えてくると予想され、その方々の投資先としても日本の不動産は魅力があるといえます。
2021年、海外投資家はどう動く?
ご存知の通り、現在は新型コロナウィルスの世界的な流行により、海外渡航制限があり、海外投資家の東京都心への投資はほぼストップしている状況です。
一方で、海外仲介パートナーの元へは、「コロナ後に日本でマンションを購入したい」といったリクエストが寄せられていると聞いております。事実、弊社外国語ホームページへも、毎日のように弊社分譲のマンションへお問合せをいただいております。
日本国内では、緊急事態宣言を受けて、4~5月の2ヶ月間販売活動をほぼ停止していた時期もありましたが、元々住まいを探されていた方の需要がなくなったわけではないため、その反動で、6月以降のご来場・ご成約が伸びました。
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海外投資家の需要でも同じだと考えると、2021年は新型コロナウィルスの収束が前提となりますが、かなりのインバウンド需要が見込まれると予想します。
それ以降についても、底堅い需要に加え、現在政府で進めているデジタル化の流れが投資の後押しとなることが見込まれます。
これまで面前が必須であった重要事項説明のオンライン化や書面の電子化によって、より海外投資家が日本の不動産を購入しやすくなるためです。
このように、都心マンション市場には、国際化を主とした要因によって、海外投資家の資金流入が相場を下支えすることになり、今後も価値ある資産として堅調な市場になると考えています。