グランデスク コラム Vol.9

ザ・パークハウス購入者の実像から分かる
次のマンション市場の担い手は?

2022.3.10 THU
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参考写真(ザ・パークハウス 代々木上原、販売済、2020年3月引渡)

2021年の首都圏の新築マンション平均価格は6,260万円とバブル期の1990年を超えて過去最高値を更新しました。また23区平均では8,293万円と、こちらは1991年の最高値(8,667万円)は下回りますが、それでも2019年の水準からここ2年で平均1,000万円以上も上昇したことになります。
一方で売行きの好不調のものさしである初月契約率は6年ぶりに70%を超えたように、過去最高値ながら売行き全体感は好調といった状況が続いており、マンション需要の活況さがみられています。その要因は何か。今回は、弊社ブランドである「ザ・パークハウス」の購入者のデータをもとに、紐解いていきます。

※上記数値はいずれも不動産経済研究所データ

パワーカップル※2層の購入価格上昇と割合の増加

ザ・パークハウス購入者について抽出した各種データからは、パワーカップル層を中心とした層の購入価格上昇、購入割合の増加がみられ、その層が現在のマンション市場を牽引している傾向がみえそうです。

※2パワーカップル:本メールでは共働き世帯且つ世帯年収1,400万円以上として抽出

まず、下の折れ線グラフは2018年以降の40代まで世帯の各年代別・平均購入価格の推移です。先ほど「23区で供給された平均価格がここ2年で1,000万円以上も上昇」と述べましたが、実は弊社ザ・パークハウスご購入者の各年代別の平均価格はそれを大きく超えた水準で上昇しています。

【年代別購入価格の推移】※ザ・パークハウスブランド購入者 40代まで

【年代別購入価格の推移】※ザ・パークハウスブランド購入者 40代まで

また、このタイミングでパワーカップル層の割合も大きく跳ね上がりました。実際には、この割合が大幅増加となった背景には、コロナ禍における自宅売り控えによる買い替え層の減少も一部影響しており、その層の需要がいずれ回復してくることで割合としてはやや落ち着くかもしれませんが、それでも日本のライフスタイルとして共働きが標準化となっていることから、将来的にもパワーカップル層の需要がマンション市場を安定継続的に牽引し続けると考察され、またその需要にマッチする物件が将来に渡る資産価値維持に期待が持てると言えるのかもしれません。

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【パワーカップル購入比率の推移】※2016年以降、ザ・パークハウスブランド購入者

【年代別購入価格の推移】※ザ・パークハウスブランド購入者 40代まで

変化してきたパワーカップル層の求める住宅条件

そのパワーカップル層が求める生活イメージ・エリアとは何か。
弊社のザ・パークハウスブランドを購入いただいたデータをもとに、先ずはパワーカップル層の購入物件の傾向をみてみます。

※各物件の「最寄駅」から「東京駅または大手町駅」までの所要時間です。(乗り換え時間は含んでおりません。)

こちらは2016年以降のザ・パークハウスブランド物件全体の特徴(平均値は販売戸数按分)と、パワーカップル層購入物件との比較をした表ですが、パワーカップル層の購入した物件は、都心への近さと、専有面積がやや広めな傾向がみられています。

【パワーカップル層購入物件(最寄り駅でプロット)】※戸数単位
ザ・パークハウス供給エリアは1都3県に広がっているが、パワーカップル層購入物件は都心方面に割合が高まる傾向がみられる。

続いて、パワーカップル層購入物件についてコロナ禍前後でどのような変化があったのかみていきます。

※各物件の「最寄駅」から「東京駅または大手町駅」までの所要時間です。(乗り換え時間は含んでおりません。)

駅距離は平均6分からやや離れた7分台へ、一方で専有面積は平均74m²から78m²に広がりました。コロナ禍によるテレワーク機会の増加で、広さを優先するといったニーズの変化は、弊社で購入いただいた物件でも確実にみられています。

とはいえ、駅距離は少々伸びたといっても依然として7分台と近く、また都心への所要時間は、やや変動はありましたが、それでも東京駅または大手町駅まで20分台半ばとかなり都心寄りである点は変わっていません。

つまり、コロナ禍によるパワーカップル層の広面積志向は確実にみられる一方で、駅距離は多少伸びたとはいっても平均7分台で、都心への所要時間は大きく変わらなかったことから、在宅が増加したとはいっても、駅距離、通勤利便性の重視傾向は、ウィズコロナ・アフターコロナに関わらず普遍的なニーズと推察されます。

また、パワーカップル層といっても2人世帯に限らず、家族数により条件が変わってきますので、続いては駅距離と面積ニーズの関係を少し細かくみていきたいと思います。

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【2020年4月以降の家族数別購入物件特性】

【2020年4月以降の家族数別購入物件特性】

コロナ禍後のパワーカップル購入物件は、2人家族は平均で駅距離約7分、面積約75㎡に対し、3人家族は約8分、約80m²、また4人家族では約9分、約84m²となりました。
3人家族以上では、駅距離は妥協し面積拡大傾向がみられています。パワーカップル層といっても、当然ながらお子様の有無によって優先ニーズ・妥協ニーズは変化がみられました。

以上の弊社ザ・パークハウスブランドをご購入いただいたパワーカップル層における、購入物件のおおまかな特徴としては、「都心寄り・駅10分以内は共通で、家族数によって環境と調和がとれたロケーションを好む“環境志向層”と、駅からの分数にこだわる“利便性訴求層”に分かれる」と言えそうです。

では、実際にパワーカップル層が購入いただいた割合の高い物件はどこか。具体的にみていきたいと思います。

【過去5年のパワーカップル層購入割合上位物件 ※パワーカップル層5件未満物件除く】

【過去5年のパワーカップル層購入割合上位物件 ※パワーカップル層5件未満物件除く】

駅名をみると、都心の3Aエリア(麻布・赤坂・青山)というよりは、山手線内~城南エリアが多い傾向でした。都心へおおよそ20分台でアクセスできる立地が並び、駅距離は10分未満と、ほぼ前述の傾向に沿ったラインナップとなっています。
神楽坂にも近く環境も良い市ヶ谷周辺や桜新町、中目黒、経堂、武蔵小山、本郷三丁目、等々、充実した商店街がある駅名が並んでおり、やはり「時間を買う」とも言われるパワーカップルの生活利便性重視の傾向がみえてきます。

また、全体分析ではみえていなかった、市川、新子安、武蔵境、さいたま新都心といった、都区部隣接エリアもみられましたが、快速で都心に早く出ることができ、また生活利便も充実している駅が多い事が特徴です。
新子安は駅前で、都心にも横浜にも出られる地の利があり、仮に夫婦の勤務地が東京や横浜にわかれるようなパワーカップルにも最適な立地にみえます。

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参考写真(ザ・パークハウス 浅草、販売済、2021年2月引渡)

ちなみに、弊社でご案内している賃貸マンションやリノベーション物件においても、ここ数年は共働き世帯の引き合いが非常に高まっており、新築マンションに限らず、中古や賃貸においてもパワーカップルの購入が目立っています。

このように近郊の生活利便が一通り揃う主要駅もパワーカップル需要が強く伺えるなど、単純に都心×駅近に限定されないニーズの傾向も垣間見ることができましたが、キーワードはやはり「時間を買う」層に相応しく、
①効率性(交通、生活利便、子育て環境の3拍子)を重視しながらも、家族数に合わせて
②ゆとり(面積)も求める上では多少の効率性は妥協
このようなパワーカップル層の需要にマッチするエリアや物件が、将来にわたっても需要下支えへの期待、ひいては資産価値維持に対しての期待が持てると言えるのではないでしょうか。

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