インテリアコーディネーターに学ぶ
アートとインテリアの世界
インテリアのプロと観るアート
建築とアートが密接な関係にあるように、インテリアもまた、アートがそこに調和することで、より魅力的な、より独創的な空間となります。
今回の「グランデスク
コラム」では、三菱地所グループのインテリア会社・株式会社メック・デザイン・インターナショナルで
多様なインテリアワークに携わる、蓮見由美と共に銀座画廊「ギャルリーためなが」を訪れ、インテリアとアートの関係について学んできました。
株式会社メック・デザイン・インターナショナル
蓮見 由美
インテリアコーディネーター・一級建築士
国際線客室乗務員として世界各地を訪れ、海外建築・
インテリアに影響を受ける。その後、インテリアデザイン事務所・ハウスメーカーでの経験を経てメック・デザイン・インターナショナルでインテリアワークに携わる。
「パークハウス
外苑西」「パークハウス
上北沢スクエアテラス」「MIDサザンレジデンス御殿山」など数々のモデルルームコーディネートを担当したのち、現在はインテリアコーディネーターとして「ザ・パークハウス
グラン 三番町26」「ザ・パークハウス 高輪タワー」「ザ・パークハウス 御苑内藤町」などで個人のお客様に寄り添ったインテリアの提案を手がけている。
三菱地所グループのインテリアデザイン会社
株式会社メック・デザイン・インターナショナル
(MDI)
三菱地所グループのインテリア会社として、オフィス・ホテル・店舗・住宅インテリアなどのデザインおよびインテリア物販に関する多様なサービスを提供。
住宅インテリア部門においては、内装素材の選定、モデルルームのデザイン。各種インテリアオプション部門においては、上記のほか、各種インテリアオプション販売までと、住まいに関するインテリアに対して総合的に携わっている。「ザ・パークハウス」シリーズをはじめとする三菱地所レジデンスのマンションのご購入者・ご入居者からのインテリアのご相談・オーダーにも数多く応えている。
ザ・パークハウス三田ガーデン
“インテリア”と“アート”
ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵
インテリアを考えるうえでアートの持つ役割の重要さについて、話を聞きました。
<蓮見>
インテリアコーディネートを考えるうえで、重要なのは面積が広い壁面です。平面的で色柄を加えるだけになりがちですが、壁面にアートを加えると、空間に立体感やリズムが生まれ華やかになります。
次に、具体的な事例を解説してもらいました。たとえば、安らぎを求める「ベッドルーム」、住まいの顔である「玄関」、集う場であると同時にゲストをお招きする「リビング・ダイニング」など、場所により異なるアート選びのポイントを聞いてみました。
<蓮見>
アートを飾る場所の床・壁・天井などの質感を意識し、家具などの素材や色とバランスをとりながら選ぶと、より統一感が感じられる空間になります。それでは、具体的な事例を見ていただきましょう。
ベッドルーム
ザ・パークハウス グラン 三番町26
<蓮見>
ベッドルームに飾るアートは、主張し過ぎないよう間接照明で仄かに照らします。室内のマテリアルや色味に合わせたアートが、統一感と落ち着きを演出します。ベッドルームのアートは、少し低い位置にレイアウトする方が素敵なバランスとなります。
玄関
ザ・パークハウス グラン 神山町
<蓮見>
壁面と色調を合わせた立体的なアートを正面に飾ることで、玄関ホールとしての威厳と重厚感が生まれます。ピンスポットライトによるアートを際立たせる演出も効果的です。
リビング・ダイニング
ザ・パークハウス グラン 南青山
<蓮見>
明るくクリアな空間のダイニングに、アクセントクロスで色味を加え、空間に馴染むシンプルな抽象画を飾っています。植物のグリーンが映える構成としたうえでアートを加えることで、柱(コーナー壁面)の印象がインテリアと調和とし、アクセントとして際立ちます。
1969年設立の「ギャルリーためなが」でアートに触れる
それでは次に、「アート」の側からアプローチしてみましょう。
インテリアコーディネーターと共に、1969年設立、“近代西洋絵画の逸品を扱う老舗”であると同時に、世界のコレクターにとって“現代美術の発信地”といえる「ギャルリーためなが」に伺いました。
<蓮見>
ここで出逢えるアートは、すべて“本物”。つまり本質的な価値を持つ作品です。住空間とアートが共鳴することで、揺るぎない美がその空間に注ぎ込まれるでしょう。
壁の意匠はもちろんですが、ソファの材質、色、照明に至るまでが考え抜かれた空間に、作品がディスプレイされる。そんなアートで完結する住空間は、やはり魅力的ですね。
ギャルリーためなが
【住所】東京都中央区銀座7-5-4
【営業日】月〜土:11:00 - 19:00/日・祝:11:00 -
17:00
【電話番号】03-3573-5368
1969年に西洋絵画の名匠を扱う画廊として設立。東京・パリ・大阪・京都に画廊を構え、 近代西洋絵画の逸品を扱う一方で、現在活動中の才能ある芸術家を育て、世界のコレクターに紹介する活動に注力している。
日本画家菅原健彦氏の「三春」は、「ザ・パークハウス グラン 三番町26」(2024年11月引渡予定)の共用部に飾られる。
アートによって変わる
お部屋の雰囲気
インテリアコーディネーターと共にアートを鑑賞する、という体験。
それは、美術館や画廊で学芸員の方など専門家の方に話しを伺うのとはまた違い、自分の住まいを思い浮かべたり、アートと共に家具のイメージが浮かび上がったりする貴重な体験でした。部屋にマッチするのは抽象画か具象画か。色彩もまた、家具等との相性との観点から見ることで、純粋に鑑賞する時とはまた違った見え方や魅力を感じることができました。
最後に、実際にアートを活かしたインテリアコーディネートをシミュレーションしてもらいました。作品によってはもちろん、額縁や家具とのマッチングなど、ディテールへのこだわりでお部屋の雰囲気が大きく変化することがわかりました。
<蓮見>
モダンでモノトーンの空間には、同様にモノトーンのアートで統一感を作ることも、カラフルな色調のアートを取り入れることで、ポップでカジュアルな印象にすることもできます。
<蓮見>
シンプルな空間のアクセントカラーとして鮮やかなブルーが印象深いインテリアのお部屋です。このブルーをアートにも取り入れることで空間全体に調和が生まれます。
抽象画を取り入れれば、シンプル&モダンに、具象画ならシンプル&ナチュラルな印象を加えることができます。
<蓮見>
同じアートでも、フレームによって印象を変化させることができます。「参考写真3」のレザーや木製のインテリアで重厚感が感じられる空間には、装飾フレームの華やかさで存在感を主張します。「参考写真4」の金属やモノトーンを使用したモダンな空間には、シャープなフレームやフレームレスなアートを飾ることでより洗練された印象とすることができます。
アートで暮らしに彩りを
<蓮見>
住まいをいっそう魅力的にすること。それは、いうまでもなく住まいへの愛着を深めることです。「お気に入りのアートを飾る」ことは、愛着をいっそう深めることですが、その時にインテリアとの深い関わりを知っておくと、お部屋がよりいっそう魅力的になると思います。
インテリアのアクセントとして、是非アートを活用していただければと思います。
住宅について考察するにあたり、
「インテリア」と「アート」の関係にフォーカスした
今回の「グランデスク
コラム」。
お話を通じて、「〇〇テイスト」といった言葉だけでは定義できない、
深く壮大なインテリアの世界観を感じることができました。
インテリアをより魅力的にする「アート」の世界。
皆様も「インテリア」・「アート」などのご相談がありましたら、
GRAN
DESKまでお問合せください。
掲載の写真は2024年5月に撮影したものです。(提供写真・モデルルーム写真を除く)
※掲載のモデルルーム写真はすべて分譲済みとなります。
※参考写真1~4は、各モデルルーム写真に一部アート作品を合成しております。
(1・2:ザ・パークハウス
西麻布レジデンス/3:ザ・パークハウス グラン 南青山/4:ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン)