相続はナイーブなテーマで、親からも子どもからも相談しにくい話題です。しかしそれゆえに、親御さんが良かれと残した財産でも、その残し方によっては、相続後に困っている家族も少なくありません。
「相続対策と言うと『節税対策』が思い浮かぶという人も多いでしょう。もちろん相続税の問題も大事ですが、実際には、相続＝争族とならない『揉めない対策』を取ることが一番大切と感じていました」と宮西さんは話します。特に、賃貸オーナーの場合は、相続資産に占める不動産の割合は非常に高く、自分が亡くなった後も賃貸経営の継続を望むのであれば事業承継の準備も必要です。
そこで三菱地所ハウスネットは、賃貸管理会社としてオーナー様と長く付き合う中で、まずはお客様が相続のことを気軽に学べる場が必要だと考えて、2016年に相続対策セミナーを開始しました。相続税だけといったピンポイントなセミナーではなく、相続について基礎から広範囲で学べる内容を、4回に分けて開催しています。

セミナーの1回目は、「相続と遺言の基礎知識」。法律で決められている法定相続人や、どのように遺産が分割されるかなどを紹介します。遺言があれば遺言通りに、遺言がなければ法定相続人が協議して分割していきますが、協議がまとまらず、調停や裁判へ発展していくことも。

2回目は「財産の把握と相続税の計算」。相続対策はご自身の財産を把握することから始まるため、まずは相続の対象となるものにどんなものがあるかを説明。次に、現金、株、土地など財産の内容により評価も変わるので、評価の方法や相続税の計算方法を解説していきます。

3回目は「相続対策」です。まずは相続税を抑える「相続税対策」や、財産を引き継いだ家族が相続税を払えるようにする「納税資金対策」と、相続により家族が困ったり揉めたりしないように分ける「分割対策」を総合的に説明しています。

そして4回目は、年齢や病気などから不動産管理、財産管理ができなくなった場合に備えた「成年後見」や「家族信託」についても言及しています。

セミナー後、参加者からは「相続といっても知識は聞きかじりだったり、ピンポイントでしか知らなかったりしたけど、広範囲で知ることができて非常に分かりやすかった」「元気なうちから考えないといけないという気持ちになった」「帰って家族と話をしようと思う」という声が多く届けられました。
宮西さんは、「家族関係や家族の人数、持っている資産の量、価値、種類、オーナー様自身の思いもそれぞれ異なるため、実際どういう対策がベストかは十人十色です。ですので、相続対策は個別にご相談を承りますが、まずはこのセミナーを通じて、相続対策の大切さに気付き、相続が争族にならないきっかけづくりになればと思います」と言います。また、個別の対策には不動産のプロである三菱地所ハウスネットと、相続に精通した税理士や弁護士、司法書士で対応します。
今後も相続対策セミナーでは、随時改正されていく民法や税法などさまざまな制度の最新ニュースを織り込みつつ、バージョンアップしながら展開していくとのことです。相続にまつわるお悩みやお困りごとなど、気軽に質問できる場でもあるので、みなさんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。