「マンションは管理を買え」という格言があります。それは、マンションが多くの人が暮らす生活空間であり、その管理状態が居住者の日常生活に影響を与えるからです。適切に管理されたマンションは、居住者にとって安全で快適な環境を提供し、同時に不動産としての価値も保つことができます。
しかし、これまでマンションの管理状態は見えにくいのが実状でした。例えば、現地に足を運べば清掃の実施状況や共用部分の管理状態は確認できるものの、管理組合の財務状況や管理規約など、裏側の部分は見えないところも多くありました。
2022年4月にマンション管理業協会が運用を開始した「マンション管理適正評価制度」は、こうした目に見えにくい管理状態を「見える化」した、全国共通のマンション管理に関する評価基準です。マンションの管理組合が委託するマンション管理業協会指定の講習を修了した管理業務主任者やマンション管理士が、「管理組合体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断、生活関連」という5つのポイントを確認。6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開する仕組みです。評価結果は毎年更新されます。

マンション管理を行う三菱地所コミュニティでは、この評価制度がお客様の満足度向上につながるチャンスになると捉え、フロント担当者が主体となって、管理組合に対して評価結果のランクアップのための全面サポートを行っています。
まずは、事前評価をしてシミュレーションをするところからスタート。次にその結果をもとに改善点を提案します。例えば、長期修繕計画案の見直しや、マンション管理規約改定の提案、防災訓練・防災マニュアルの整備や防災備品の購入といった、防災意識向上に寄与する提案などを行います。改善後、本申請へと進み、管理業務主任者やマンション管理士による評価を受け、結果の登録を行う流れとなります。
さらに三菱地所コミュニティでは、管理組合をサポートするフロント担当者の育成にも取り組んでいます。評価シートの作成補助、担当者向けの定例説明会の開催、評価制度への登録マンションが多い担当者を“インフルエンサー”と位置づけ、その活動内容を社内掲示板で共有するなど、常に良質なサービスを提供するための取り組みも行っています。