時代の変化を先取り!?~これからのマンション市況と損をしない住宅税制活用術~

セミナーレポート42 The Parkhouse Club会員セミナー[三菱地所レジデンス主催]時代の変化を先取り!?
~これからのマンション市況と損をしない住宅税制活用術~

[住まい選びの基礎知識]

2018年03月30日

住まいStudy

「マンション購入は東京オリンピックが終わるまで待てという噂は本当?」「相続税の改正は、自分にどう影響するだろう?」
不動産にまつわるさまざまな情報が飛び交っていることから、頭を悩ませている方も多いと思います。三菱地所レジデンスでは、The Parkhouse Club会員を対象に各種セミナー・イベントを開催し、お客様の住まい選びをサポートしています。
今回で58回目となる「住まいStudy」では、テーマに沿って専門家の講演や個別相談会を行っており大変ご好評をいただいております。今回のテーマは「これからのマンション市況」と「損をしない住宅税制活用術」のふたつ。おかげさまで、会場は満員御礼の盛況となりました。

今回の「住まいStudy」は、第1部・第2部ではテーマごとに2つのセミナーを、第3部ではご希望者を対象に「個別相談コーナー」を行い、3部構成としました。
第1部では住宅評論家の坂根 康裕氏をお招きし、具体的なデータに基づきマンション市況を解説していただきました。
第2部では税理士の野上 浩二郎氏に、具体例を挙げながら贈与や相続にあたっての税制の活用法をレクチャーしていただきました。
第3部ではご希望者のみを対象とした「個別相談コーナー」で、「不動産マーケット全般」「税金」「売買・賃貸」のスペシャリストが個別相談に応じました。

【第1部 セミナー】
マンション市況「2017年総括と2018年展望」

第1部では、住宅評論家の坂根 康裕氏が現在のマンション市況を解説してくださいました。

【第1部 セミナー】マンション市況「2017年総括と2018年展望」

【第1部 セミナー】マンション市況「2017年総括と2018年展望」

坂根氏によれば、2017年が始まった頃は不動産業界内でも、マンションの価格は下がるだろうという予想があったとのことです。けれども、この予想は外れました。
マンションの売れ行きは、契約率という指標を用いて判断します。これはその月に売りに出されたマンションが月末までにどれくらい契約されたかを示す数値で、70%を超えるようなら好調、80%なら飛ぶような売れ行きだとされます。2017年は70%前後で推移しました。しかしながら価格を見ると、2016年末から2017年末にかけて、上昇基調にあります。新築マンションに限らず、中古マンションも価格は上昇しています。

【第1部 セミナー】マンション市況「2017年総括と2018年展望」

ただし、現在は市況が読みにくい状況でもあるとのことです。というのも、物価が下がるデフレ局面では、供給側は一日も早くマンションを売ろうとします。けれども現在はインフレを期待した政策がとられています。物価上昇の可能性があることから必ずしも早く売れることが良いとは限らず、しっかり時間を使って利益の最大化を図る傾向があるとのこと。
「販売長期化=不調」とならない現在の市況を正しく把握するために、坂根氏はモデルルームの責任者など、販売の現場の声を聞くようにしている、といいます。
そこでわかったのは、マンションの売れ行きは二極化しているという事実。「大規模」「駅近」「都心部」など特徴が明確な物件は販売が好調であるのに対して、そうでない物件は芳しくないとのことです。
そして、2018年、2019年も同じような傾向が続くのではないか、というのが、坂根氏の予想でした。

では、マンションの価格を押し上げている要因は何でしょうか? 坂根氏は、5つの要因を挙げました。

(1)相続税改正

2015年に相続税が改正され、2014年までの基礎控除が「5,000万円+相続人×1,000万円」だったのに対し、2015年からは「3,000万円+相続税×600万円」に変わりました。
これを受けて、現金を不動産へと換える動きが活発化しました。「時価>評価額」となる不動産は、節税効果が大きいからです。なかでも流動性の高い都心部のマンションに全国から需要が集まりました。

(2)住宅ローン控除の拡充

2014年4月より、住宅ローン控除の「借入金等の年末残高の限度額」が2,000万円から4,000万円になりました。控除率は1%なので年間最高で40万円、償還期間の10年で計算すれば合計で最高400万円の控除となります。共働きであれば最高800万円となるので、これが都心部の高額物件の需要底上げへとつながりました。

(3)超低金利

2016年にマイナス金利が導入されると、それに伴い住宅ローン金利も低下、フラット35の金利は1%台となっています。
ここで金利3%と1%の場合の借入可能額を試算してみます。仮に月額返済額20万円/35年返済の場合、1%のほうが1,889万円も多く借り入れることができます。超低金利も高額物件の売れ行きを支える要因のひとつです。

(4)株高

データによると、日経平均株価の上昇とマンション高額物件の値上がりは同じタイミングとなっています。アベノミクスによって株価が上昇、資産インフレがより一層の資産形成需要を創出し、高額物件の需要も増しました。

(5)東京圏への人口集中

1990年代の半ば以降、首都圏は人口の転入超過が続いています。予想では、「東京都は2025年まで」「区部は2030年まで」人口増が続くというデータもあります。しかも2025年、2030年がピークというわけではなく、その先も増える可能性もあるとのこと。したがって、首都圏の不動産需要は底堅いのです。

【第1部 セミナー】マンション市況「2017年総括と2018年展望」

市況の今後の見通しを立てるには、マイホーム需要のほかに相続税対策や資産運用を目的にしたマンション需要にも目を向けるべきだというお話がありました。相続税対策を目的にした物件は「大規模物件」や「利便性の高い立地」といったわかりやすい特徴があることが大事で、資産運用を目的にした物件には安定収入や希少性が求められるとのことです。
2018年も、首都圏における新築マンションの供給数は3万8,000戸程度と予想され、全盛期の半分以下となる見込みです。用地取得においてホテルやファンド等と競合し、住宅として事業化される用地が減少しているとのことで、新築マンションの品薄傾向は続く見込みとのことです。

マンション市況の解説の後で、坂根氏は最近の取材で印象に残ったという2つの物件を紹介しました。
ひとつは「ザ・パークハウス 白金二丁目タワー」。エリア特性を考慮した重厚で洗練された外観デザインと、JR山手線の新駅に近接する将来性が期待できるロケーションが印象に残ったとのことです。
もうひとつが「ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂」。500戸という大規模物件のスケールメリットを活かしたゲストルームなどの充実した共用施設と、隣接する荒川の河川敷に広がる遊歩道などの空間が魅力的に映ったといいます。

ここに挙げたふたつの物件のように、特徴がはっきりしたマンションに注目すべきだという言葉には、説得力がありました。

【第2部 セミナー】
事例から考える 損をしない住宅税制活用術 〜贈与・相続の成功例・失敗例〜

第2部では税理士の野上 浩二郎氏が、具体例を挙げながら贈与や相続における税制の活用方法を説明してくださいました。
まず、なぜ現金を不動産にすると相続で有利かという基本から講義は始まります。

【第2部 セミナー】事例から考える 損をしない住宅税制活用術 〜贈与・相続の成功例・失敗例〜

【第2部 セミナー】事例から考える 損をしない住宅税制活用術 〜贈与・相続の成功例・失敗例〜

現金1,000万円の相続税評価はそのままの金額(=1,000万円)ですが、土地価格が1,000万円の場合は、一般的に相続税評価は約8割(=約800万円)、建物価格が1,000万円の場合は、一般的に相続税評価は約5~7割(=約500万円~700万円)といわれています。
相続税の評価は資産の種類によって異なるので、資産を組み替えることで節税が可能となるのです。

不動産に資産を組み替えるにあたってのポイントは、建物は減価償却するので年月が経過するとさらに固定資産評価額が下がるという点です。また節税のメリットを考えれば、減価償却によって評価額は下がるけれど売買価格はそれほど下がらない物件がお薦めとなります。
したがって節税を意識して不動産を購入するのであれば、土地よりも建物、しかも売買価格が下がりにくいマンションなどが有利になります。

【第2部 セミナー】事例から考える 損をしない住宅税制活用術 〜贈与・相続の成功例・失敗例〜

続いて、生前贈与の活用について、具体例を挙げての解説がありました。
本人(Aさん)は65歳、夫は5年前に亡くなっており、子供1名のケースです。
自宅(5,000万円)、預金(2,000万円)、貸家(3,000万円)と計1億円の資産があり、貸家の年間賃料が500万円、200万円の経費を差し引いて年間300万円の利益があります。

20年後に相続が発生したと仮定すると、相続発生時には賃料300万円×20年分=6,000万円の資産が増えていることになります。するとAさんの資産は1億6,000万円となり、相続税は概算で3,260万円となります。
一方、貸家を相続時精算課税でお子さんに生前贈与すると、Aさんの資産は1億円のままで相続税は概算で1,220万円。大きな節税効果があります。

【第2部 セミナー】事例から考える 損をしない住宅税制活用術 〜贈与・相続の成功例・失敗例〜

相続時精算課税制度とは、60歳以上の親・祖父母から20歳以上の子、孫へ生前贈与する時に使えるもの。贈与する財産を、贈与した時点の時価で相続財産に合算します。相続が発生した時に相続税の納付額を算出するにあたって、納付済みの贈与税額を差し引きます。
通常は節税メリットがある制度ではありませんが、収益を生み出す資産をお持ちの方が使うとメリットが生まれる可能性があります。
もうひとつ、より確実な節税策が、暦年課税制度。これは、受取人ひとりあたり年間110万円まで非課税というもの。たとえば本人が妻と子供ふたり、孫ひとりの計4名に、それぞれ110万円ずつ生前贈与すると仮定します。すると年間440万円を非課税で贈与することができるのです。
遺産分割をスムーズに行ううえでも、生前に贈与を行うことは効果的です。ただし相続時精算課税制度と暦年課税制度は選択適用となり、相続時精算課税制度を一度選ぶと暦年課税制度に変更することはできません。したがって、選択する時には将来の相続税対策のプランをよく考える必要があります。

【第3部 個別相談コーナー】

第3部では、ご希望者のみを対象とした「個別相談コーナー」を開催しました。
「不動産マーケットの全般 相談コーナー」には、第1部セミナー講師の坂根 康裕氏と、住宅アドバイザーの高江啓幸氏、「税金相談コーナー」には第2部セミナー講師の野上 浩二郎氏と税理士の野口 博本氏、そして「売買・賃貸 相談コーナー」には三菱地所ハウスネットの和田 滋がそれぞれ個別の相談に応じました。

【お客様の声】

最後に、参加されたみなさんの感想を紹介して、レポートのまとめとさせていただきます。

【お客様の声】
  • 現在、多摩地区で住まいを探しており、市況を知りたくて参加しました。東京オリンピック以降も、都心部は人口が増えるというお話や、価格が上昇していることなどを知ることができたのが収穫です。第3部の「売買・賃貸 相談コーナー」では、具体的な物件のお話を教えていただけたので、とても勉強になりました。戸建てとマンションで迷っているのですが、それぞれの長所短所がよくわかりました。(20代女性)
  • 居住用の物件を探しています。知りたかった、これからマンション市況がどうなるかを、データを基にわかりやすく解説してくださったので、大変参考になりました。個別相談でも市況についてうかがいました。どこに、どんな物件を買うべきか、大体のイメージが固まったので、来てよかったと思っています。(40代・男性)
【お客様の声】
  • 現在、首都圏で居住用の物件を探しています。三菱地所レジデンスのマンションには魅力を感じているので、入念にチェックしています。個別相談では税金について相談しましたが、何をすればいいのかがわかったので、とても有意義でした。(50代ご夫婦)
  • 住まい探しの最中で、いつ、どんな物件を買うべきか迷っています。都心のマンションの価格が上がっている理由を知ることができたので、これからのマンション探しの参考になりました。個別相談では市況についてうかがいましたが、都心に近いことや利便性など、条件のいい物件を探そうという気になりますね。(50代・男性)
【お客様の声】
  • マンションの買い換えを検討中で、都心の物件を探しています。セミナーでは、税制の説明が具体的でわかりやすかったです。生前贈与や相続税対策について、考えるきっかけとなりました。第3部の「売買・賃貸 相談コーナー」では、いま探している都心物件の情報を教えていただきました。やはり本やインターネットでは知り得ないことだったので、貴重な情報でした。(30代女性)

三菱地所レジデンスでは今後も、住宅購入を検討される方々のお役に立てるようなセミナー・イベントを随時開催します。
詳細はThe Parkhouse Clubメールマガジンにてお知らせします。

 

The Parkhouse Clubは、2018年6月22日をもって「三菱地所のレジデンスクラブ」へ統合いたしました。

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