2019年に家を買う!~税制と市況のポイントを解説~

セミナーレポート47 三菱地所のレジデンスクラブ 会員セミナー[三菱地所レジデンス主催]2019年に家を買う!~税制と市況のポイントを解説~

[住まい選びの基礎知識]

2019年02月15日

住まいStudy

「2019年、住宅ローン減税はどう改正されるのでしょう?」
「いつまでに契約すれば消費税は8%が適用されますか?」
「2020年の東京五輪後のマンション市況はどうなるのでしょう?」
不動産の購入を真剣に考えれば考えるほど、知りたいことが増えていきます。
三菱地所レジデンスは、“一生もの”と言われる不動産を安心してご購入いただきたいという想いから、「三菱地所のレジデンスクラブ」の会員様を対象に各種セミナー・イベントを開催しています。
「住まいStudy」は、定員100名程度のセミナー。書籍やインターネットでは知り得ない情報が入手できる点が毎回ご好評をいただき、62回目となる今回も満員御礼となりました。

住まいStudy

自分の住まいをお探しの方、資産運用をお考えの方など、ご来場いただいたすべての方に満足していただくために、今回は以下の3部構成とさせていただきました。

<第1部>
「2019年最新情報!知って得する住宅税制のポイント」と題して、2019年税制改正のポイントと贈与税、相続税を中心に解説。
<第2部>
「買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し」というテーマで不動産市況を解説。
<第3部>
ご希望者を対象に、第1部、第2部の講師や三菱地所ハウスネットによる、市況・税制・買い換えなどの個別相談を実施。

では、第1部の模様からお伝えしましょう。

【第1部 セミナー】
2019年最新情報!知って得する住宅税制のポイント

第1部では税理士法人シリウスで代表社員を務める税理士の田中博史氏に登壇いただき、2019年税制改正のポイントと贈与税、相続税のお話を中心に講義いただきました。
田中氏のお話は、実際の事例を挙げてくださるのでわかりやすいと好評でした。
ここでは今すぐ知っておくべき、住宅ローン減税の改正点についてお伝えします。

【第1部 セミナー】2019年最新情報!知って得する住宅税制のポイント

消費税は、2019年10月1日より8%から10%へ増税が予定されています。住宅の購入にあたっては、原則として引き渡し時点での税率が適用されます。すなわち、10月1日以降の引き渡しであれば10%が適用されることになります。

【第1部 セミナー】2019年最新情報!知って得する住宅税制のポイント

ただし経過措置として、半年前(2019年3月31日)までに請負契約を締結していれば、10月1日以降の引渡しでも消費税は8%となります。

2014年に消費税が5%から8%に上がった時には、駆け込み需要があり、増税後に買い控えの傾向がみられました。このような傾向を抑制する制度の一つとして、住宅ローン控除が拡充されることになりました。
現行の制度では、年末ローン残高(上限4000万円/認定長期優良住宅は5000万円)の1%を10年間控除するというものです。

改正後は、次のようになります。
消費税10%で住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに居住を開始した場合、適用年の11年目から13年目までに以下のふたつのうち、いずれか少ない金額の住宅ローン減税が適用されます。

  • 年末ローン残高(上限4000万円/認定長期優良住宅は5000万円)×1%
  • [建物購入価格−建物に係る消費税] (上限4000万円/認定長期優良住宅は5000万円)×2%÷3

田中氏は、具体例で解説してくださいました。
たとえば、建物3300万円(内税)、土地3000万円で購入し、6000万円の住宅ローンを組むとします。 建物にかかる消費税は消費税10%の場合300万円、税率が8%だった場合には240万円でしたので、60万円が増税による負担増となります。

11年目の年末のローン残高が4000万円超として、ローン残高の1%(40万円)、または[建物購入価格(税抜)]×2%÷3=20万円のうち、少ない額が適用されるので、このケースでは20万円となります。
したがって控除されるのは、20万円×3年=60万円。増税による負担増60万円と同じです。このように、増税で負担が増えた分を限度に控除を受けることができるのです。

【第1部 セミナー】2019年最新情報!知って得する住宅税制のポイント

住宅ローン減税の改正点を初めて知ったという参加者の方にうかがうと、「増税までに住宅購入しなければという漠然とした焦りがありましたが、この制度を知って解消しました。しっかりした知識を持つことで、引き続き慎重に物件選びができそうです」と納得のご様子でした。

【第2部 セミナー】
買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

第2部では、住宅評論家の坂根康裕氏が最新のマンション市況とこれからの動向を解説してくださいました。住宅情報誌の編集長を務めた坂根氏の解説は、具体的なデータに基づいていることからだれにでもわかりやすいものでした。

【第2部 セミナー】買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

【第2部 セミナー】買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

坂根氏はまず、最新のマンション市況を「価格上昇基調を持続、ただし売れ行きは二極化している」と分析してくださいました。

新築マンション市況の目安となるのは契約率(その月に売りに出たマンションのうち、月末までに何%が売れたか)で、70%が好不調の目安となります。2016年以降は70%を下回る月もありますが、以前のように必ずしも契約率の低下が売れ行きの不調だとは言い切れないとのことです。
契約率と市況の関係が読みにくい展開となっている理由として、大規模、再開発、駅近など特徴が明確な好調物件と、それ以外の物件との二極化が顕著になっていることがあげられます。

【第2部 セミナー】買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

今後の市況を占うには契約率に加えて、完成在庫の増減に留意する必要があるというのが坂根氏の意見です。

中古マンションの市況にも同じことが言えます。都心部、特に城南地区と城西地区は好調で、城西地区は2018年11月に「91.76万円/m2」と、面積あたりの単価の高値を更新しています。やはり大規模、再開発、駅近がキーワードで、特に再開発が進む港区、渋谷区が活況を呈しています。

また、マンション市況の動向を予想するには、ここまで相場が上昇してきた要因を分析することが重要です。坂根氏はここでマンション価格が上昇した要因を4つあげてくださいました。

①相続税の改正
2015年に相続税が改正されました。
それまでの基礎控除は、5000万円+相続人の数×1000万円でした。
これが改正後には、3000万円+相続人の数×600万円となったので、相続税の課税対象となる方が大幅に増えたのです。これが節税効果の高い不動産購入を後押しし、なかでも流動性の高い都心部のマンションに日本全国から需要が集まりました。
②住宅ローン控除の拡充
2014年に消費税が5%から8%に増税されると、住宅ローン控除が上限2000万円の1%から4000万円の1%に拡充されました。10年間合計の最高控除額が、200万円から400万円となったのです。
共働きの世帯であれば減税が2人分となり、これが新築物件の底堅い需要につながったのです。
③超低金利
住宅金融支援機構のデータを見ると、2016年のマイナス金利導入が決まった後で、35年返済の金利が1%を割っています。
月額返済が20万円で35年返済するケースでは、金利3%と金利1%では借入金額が1889万円も増えると試算できます。借入可能額の引き上げが、マンション価格の上昇を引き起こしたのではないかと推測できるでしょう。
④東京圏への一極集中
東京都などのデータによると、今後もしばらくは東京圏への人口流入が続くと予想されます。
【第2部 セミナー】買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

上記の4つの要素を念頭に、マンション市況の今後を考えます。
まず2019年については、首都圏においては新築マンションの品薄状態が続くと予想されます。2000年から2005年にかけては毎年8万戸以上の新築マンションが供給されましたが、2018年は3万6700戸の着地予測、2019年も3万7000戸に留まると予想されます。ホテルやファンドとの競合も多く、マンション建設用地が多くはないというのがその理由です。

さらにその先、2020年に東京オリンピックが行われた後は、マンションが暴落するという説もあります。ただし坂根氏が解説したマンション価格上昇の①〜④の要因には変化がありません。金利も上がる気配はなく、消費税増税後の買い控えを抑えるために手厚い政策も用意されています。

【第2部 セミナー】買い時を見極める!最新マンション市況と今後の見通し

マンションの売れ行きの二極化に留意すれば、「2020年暴落説」は局地的、限定的とみている、というのが坂根氏の意見でした。

また、今後は「単身者と2人世帯が増える傾向である」という世帯構成の変化についてもお話がありました。

今後はコンパクトな住空間の需要が増加するというお話に、参加なさった方の多くが深くうなずいていたのが印象的でした。
坂根氏はほかにも、資産形成と金利や市況の関係についての分析も披露してくださり、その内容は非常に示唆に富んだものとなりました。

【第3部 個別相談コーナー】

最後に、ご希望の方に向けて「個別相談コーナー」を設けました。
第1部で登壇いただいた田中博史氏は「税金」、第2部の坂根康裕氏は「不動産マーケット全般」についてそれぞれ相談に応じました。また、三菱地所グループの三菱地所ハウスネットが「ご自宅の売却」「中古物件や土地の購入」「住み替え」などの相談に応じました。
以下に、個別相談コーナーをご活用いただいた【お客様の声】をお伝えし、今回のセミナーレポートを終わりたいと思います。

【お客様の声】

【お客様の声】
  • 不動産購入を考えだしたところで、税制が変わることすら知らなかったのでお話を興味深く拝聴しました。なにしろ知らないことばかりなので個別相談では初歩的なところから教えていただきました。次第にイメージが固まって、今後は購入に向けて勢いがつきそうです。(30代・女性)
  • マンションの住み替えを検討中です。第2部のセミナーを聞いて、城南・城西エリアがいいかなと考えています。個別相談では、目を付けているエリアの状況をうかがうことができて、大変に有意義でした。(40代・ご夫婦)
【お客様の声】
  • いま賃貸に出している物件を売るべきか、売るならどのタイミングなのかを知ることがセミナー参加の目的です。第2部セミナーの「五輪後の市況予想」は大変興味深いと思いました。個別相談でも、売るべきかどうかを詳しくうかがいました。いいお話を聞くことができたので、次回があればぜひ参加させていただきたいです。(20代・男性)
  • ちょうど知りたいと思っていた、税制の変化と市況の解説がテーマだったのでセミナーに申し込みました。テーマが自分の興味とぴったりだったので、参加してよかったです。個別相談では、ファミリー向け物件とシングル向け物件の市況の違いを知ることができ、参考になりました。(30代・女性)
【お客様の声】
  • 自宅の買い換えを検討中ですが、いま所有している物件を賃貸に出すべきか、売った方が良いのかを判断する情報を得るためにセミナーに参加しました。最新の市況や2020年以降の予想をうかがうことができてとても有意義でした。営業色があまりなく、フラットな目線で不動産マーケットを見ることができて参考になりました。個別相談では自宅の売却に関する相談と、その後の住み替え物件について相談しました。さすがに専門家の知識は深いと感心しました。(60代・ご夫婦)

三菱地所レジデンスでは今後も、住宅購入を検討される方々のお役に立てるようなセミナー・イベントを随時開催します。
詳細は住まいのギャラリーやメールマガジンにてお知らせします。

The Parkhouse Clubは、2018年6月22日をもって「三菱地所のレジデンスクラブ」へ統合いたしました。

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