今夜からよく眠れるようになる8つの睡眠ハック

今夜からよく眠れるようになる8つの睡眠ハック

[暮らしのアイデア]

2016年01月26日

ライフハッカー[日本版](2015年11月30日)より転載。


夜よく眠れないと、翌日は決まって非生産的な1日になるものです。皆さん、よくご存じですよね。だるくて、イライラしやすくなり、愚かなミスを犯し、簡単なタスクがいきなり複雑に感じられたりします。

それは、あなただけではありません。 全米睡眠財団によると、人は、平均して7~9時間の睡眠を必要としているそうですが、多くの人が、それよりはるかに少ない睡眠時間に甘んじています。アメリカの成人の3割が、6時間以下しか寝ていないという報告が、米国疾病対策センターから出ているのです。

しっかりした睡眠の確保は、個人の健康や幸福に重要なだけでなく、職場の労働力にかかわる問題でもあります。『the MIT Sloan Management Review』誌の中で、クリストファー・バーンズとグレチェン・スプレイツァーが「組織は、睡眠を支援する文化と習慣を奨励し、育むべきだ」と述べています。夜の睡眠が1時間足りないだけで、記憶力の低下、職場でのケガの増加、インターネットでの時間の無駄遣いなどにつながるのです。

睡眠不足が職場とあなたの脳におよぼす損害

こうした睡眠不足は、職場の生産性に甚大な損失をもたらします。アメリカ人の場合、睡眠不足のせいで、年に平均11日分、換算すると2280ドル(約27万円)分の生産性が損なわれているということが、Harvard Medical Schoolの研究で明らかになっています。全米規模にすると、睡眠不足が企業にもたらしている損失は、年に630億ドル(7兆円)以上になります。

では、あなたの脳にはどのような損害がおよんでいるのでしょうか? 精神科医のダン・シーゲル氏によると、最近の研究で、睡眠とその不足が仕事のパフォーマンスに与える影響の深さがようやくわかり始めているそうです。

7~9時間の睡眠は、活動していた神経細胞を休ませるだけでなく、1日の活動で脳に蓄積した神経毒を取り除くのに必要不可欠なグリア細胞(神経膠細胞)の機能を支えます。睡眠が足りていないと、グリア細胞が機能しなくなり、記憶力や注意力が低下してしまうのです。

また、損なわれるのは記憶と注意力だけではありません。バーンズ氏とスプレイツァー氏、そしてワシントン大学のFoster School of Business、ミシガン大学のRoss School of Businessによると、十分な睡眠がとれていないと、職場の文化や人間関係にも悪影響が出て、さらには交渉時の信頼や協調性まで損なわれると言うのです。これは、クライアントや同僚と身近に接しながら働く人にとっては、大きな障害です。

カリフォルニア大学バークレー校University of California Berkeleyの最近の研究では、睡眠不足によって、私たちが人の表情を読む能力が鈍ることが発見されました。神経科学者で心理学者のマシュー・ウォーカー博士はこう述べています。

他者の感情表現を認識することによって、対話すべきかどうかの判断、またその結果として、相手がこちらと対話をもつかどうかが、大きく変わってきます。

夜の睡眠を向上させる方法

では、ぐっすり眠ることがとても重要な理由がわかったところで、できるだけ質の良い眠りを確保するための、簡単ですが、意外と見逃されている方法を紹介します。

1. 自分の体のリズムを知る

脳と体にとって適切な時間に、適切なだけ寝るには、自然の体内時計すなわち概日リズムに従うことが鍵となります。この体内時計が、私たちを日中覚醒させ、夜くつろがせているのです。

忘れてならないのは、朝十分に日に当たらなかったり、夜照明に当たりすぎたり、時差がある所へ行ったり、不規則な睡眠を続けたりすると、体の自然な概日リズムが乱れる危険があるということです。

2. 規則正しい睡眠スケジュールを週末も守る

人間の体は、順化しやすいものです。それはつまり、寝る時間と起きる時間が毎日違うと、概日リズムが狂ってしまうということです。よくやってしまうのが、週末遅くまで寝ているというパターンです。ついやりたくなりますが、いつも7時に起きている人が、週末だけ10時過ぎまで寝ていると、概日リズムが変わってきて、日曜の夜に眠れなくなったりするのです。

理想は、毎日、大体同じ時間に寝起きし、誤差は30分以内にとどめることです。

3. 昼寝は注意の上で

週末に遅くまで寝て概日リズムを狂わせるよりは、体のリズムが求めているときに、寝不足を補う時間をつくりましょう。バーンズ氏とスプレイツァー氏によると、自然の概日リズムが一時的な休息期に入ったとき、つまり、日中に自然な眠気が訪れたとき、たとえば午後1時から3時のあいだに昼寝をすると特に効果的だそうです。


それから、昼寝は20分程度にとどめることが重要だとも言います。それは、体が深い眠りに入ってしまい、起きたときにかえって睡眠惰性、すなわち、だるくなるのを防ぐためです。目覚めたときに元気になることがそもそもの目的なので、だるくなっては本末転倒でしょう。

4. 眠れないときはベッドから出る

逆ではないかと思われるかもしれませんが、本当です。眠れないときは、何時間もベッドに横たわって「寝ようとする」人が多いですが、それは危険です。15~20分以上眠れない場合は、ベッドを出ましょう。そう言うのは、ノーステキサス大学University of North Texas心理学助教授のダニエル・テーラー氏です。ベッドの中で長い時間起きていると、意識下でベッドと覚醒を結びつける習慣ができてしまい、不眠症につながることがあるのです。


原則として、ベッドは眠るための神聖な場所と考えましょう。


ベッドで作業をしたり、SNSをチェックしたりするのは避けてください。そこでほかのことをすると、脳に混乱した指令が送られてしまいます。

5. 就寝前の1時間はくつろぐ

就寝直前までノートパソコンで作業をしているのに、すぐに寝られると思ってはいけません。夜は、1時間かけて自分をオフ状態にもっていくと、眠りやすくなると、テーラー氏は言います。テレビ観賞でも読書でも、何をしても良いそうです。大事なのは、その時間はベッドに入らないこと、そして、刺激を受けるのではなく、くつろぎのアクティビティに専念することです。

6. 携帯もスリープさせる

研究者のレスリー・パーロウ氏によると、26%の人が携帯電話を枕元に置き、56%の人が就寝前の1時間以内に、70%が起床1時間以内に携帯をチェックしているそうです。


『Sleeping With Your Smartphone(スマホと寝る人)』の著者であるパーロウ氏は、人がいつも「オン」の状態でいなければと感じるのは、「反応の早さの連鎖」なのだと説明しています。

たとえば、メールへの返事が早ければ早いほど、多くの人があなたをいつでも捕まる人と期待するようになります。要するに、あなたは自分で自分の首を絞めているのです。

その結果、当然ながら、睡眠が犠牲になります。学術誌『Computers and Human Behavior』で近々発表予定のある睡眠研究は、大学生のデジタル機器の使用形態と睡眠について追跡調査しています。研究者たちは、デジタル機器の画面を、特に寝る前の1時間以内に見た場合は、浅い眠りや途切れがちな眠りの原因になることを発見しました。

7. 朝日をたっぷり浴びる

朝日は、体内時計のリセットを助けてくれます。よく寝るための努力をポイントに換算したとすると、朝日を浴びることは1日の最初の得点になります。明るい光が差し込むのを目にすると、脳が、起きる時間だと認識し覚醒状態になります。そして、その夜に生産的な睡眠を得るためのポイントが増えていくのです。


起き抜けに朝日を浴びることと、その夜よく眠れることは、一見結びつきにくいかもしれませんが、実は大いに関係しているのです。そう言うのは、フロリダ睡眠研究所の医長、ウィリアム・コーラー氏です。

8. 夜間の室温は低めに保つ

私たちの多くは、家の中をはだしで歩き回っても快適でいられる室温で暮らしています。しかし、夜寝るときは、それでは温かすぎます。ペンシルバニア大学の行動睡眠医学プログラムの責任者、マイケル・パーリス氏は、「睡眠は低温が大好き」で「寒ければ寒いほど良い」と言います。


それは私たちが、体内温度が下がるタイミングで眠りにつくからだそうです。パーリス氏は、体温を一気に下げるために、睡眠前の1時間以内に体温を上げておくことを勧めています。それには寝る前に入浴するのが良いでしょう。就寝前の1時間以内に体温を上げることなら、どんなことでも眠りを深くするのに役立つそうです。


仕事中に、だるくて集中力がないと感じる人は、まず、自分がいつどのように寝ているかをよく見直す必要があるでしょう。もっとも重要なのは、自分の体が何を必要としているかに注意を傾けることです。熟睡することを最優先事項にすると、職場での1日は間違いなく向上します。

Jane Porter(訳:和田美樹)
Photo by Shutterstock.

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