Emergency Action Planエリアで助け合う防災への取り組み。
三菱地所グループと津田沼奏の杜3物件合同防災訓練
2017年08月30日
『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜』『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜テラス』『ザ・レジデンス 津田沼奏の杜』の管理組合と、三菱地所グループが協働し3物件合同の防災訓練が実施された。今回は、近隣店舗・大学の協力のもと、街全体の防災力強化を目的とした実践的な訓練を目指した。1,652戸におよぶ「奏の杜」街区の防災への取り組みに密着する。
photos by Shinichiro Nakazato, Mari Ikeda
街全体の防災力を高める取り組みとは。
三菱地所グループの有志で組織される「防災倶楽部」から訓練当日29名が参加。
三菱地所グループの防災の歴史は、1923年の関東大震災から始まった。地震の発生直後から東京駅前に救護所を設置し応急手当にあたったほか、丸ビルの貯水を提供するなど、救援活動に尽力したと言われている。以来90年以上にわたり、防災に取り組んでおり、丸の内では、行政や地域と連携し、街全体での防災活動を行っている。
そして、その街の防災力を高める活動は、マンションとその周辺のエリアに広がり始めている。東日本大震災の発生から2年後に入居が始まった『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜』の防災委員会委員長、安部修氏によれば「最初に自分の住むマンションの防災・減災に取り組んだが、その先には奏の杜という新しい街全体の防災力強化を意識していた」と言う。災害でインフラがダウンした場合、マンション単体でできることは限られているからだ。だからこそ、街全体で協力し合うことが必要となってくるのだ。
地域と企業が協力することで可能になる防災・減災のかたち。
『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜』『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜テラス』『ザ・レジデンス 津田沼奏の杜』の3つのマンションで、大規模な防災訓練が行われた。
2017年3月に行われた奏の杜の防災訓練は、3つのマンションと地域の大学や店舗が協力して行われた。今回の対象となるマンションの総戸数は1652世帯を数えた。
地震発生後の火災を想定した避難訓練や安否確認に始まり、被災生活を想定した訓練を実施。東日本大震災では、近隣のスポーツクラブがサプリメントを配布したほか、血圧計などの物資や機材をうまく活用したり、生活不活性病予防のために運動やストレッチのサポートをしたという。今回の訓練でも、その事例を参考に、奏の杜街区の近隣にあるスポーツクラブに協力を要請した。
また、熊本地震の話や免震装置について大学教授を講師として招き、訓練参加者の皆様に学んでいただくなど、地域にある大学とも連携を深めている。
このように地域にあるモノやノウハウを有事にうまく活用することを想定しながら、今回の訓練では地域の企業と協力し、フィットネス体験や講演も盛り込んでいる。
地域とともに防災意識を高める
[昨年の防災訓練]
2回目の防災訓練では、安否確認やマンホールトイレの組み立て訓練のほか、はしご車を使用したデモンストレーションも行われた。
[夜間防災訓練]
『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜』で行われた夜間防災訓練。東日本大震災では広域停電が起こったことから身近なツナ缶を使った簡易ランプづくりなどを実施。大人が帰宅困難になることを想定し、子どもたち主体での安否確認も行った。

ザ・パークハウス
津田沼奏の杜団地管理組合
防災委員会委員長
安部 修氏
3回目となる今回の防災訓練では、近隣の千葉工業大学に自ら免震装置の講義協力を要請。
「奏の杜には、防災意識が高い居住者が多いのでここまで発展できたと思います。来年は、さらなる進化を遂げたいですね」
参加率を高める工夫と体験を通した防災力向上。

奏の杜の防災訓練では、目標とする参加率を設定しており、今年の安否確認訓練参加率は全体の57%となった。ほかのマンションに比べるとかなり高い参加率であるが、それは、参加を促す一つひとつの工夫が積み上げられているからこその結果と言える。
たとえば、子どもたちの参加を想定したサッカー教室に防災を組み込んだイベントや、地元習志野のアメフトチームの協力による、ゲーム感覚で防災知識も学べるイベントを訓練に取り入れることで、参加率向上を図っている。
また、震災時を想定したエレベーターに閉じ込められる訓練や、バルコニーのパーテーションを蹴破る訓練など、普段できないことを実際に体験することで、いざというときに備えている。実際、参加者からは「小さな子どもだとなかなか蹴破れないため、準備が必要」といった感想も聞かれた。単に避難するだけではない、災害時に生かせる実践的な防災訓練を体験することを通して防災力の向上を図っている。
自ら行動できることを目指して、毎年訓練内容が進化する。
今回の訓練では「指示や説明に従って動く」訓練から「自ら判断して行動する」訓練にチャレンジした。これまでは、管理組合の役員を中心に行ってきた安否確認を、最初に避難してきた居住者がリーダーになり、集計するというものだ。もちろん居住者には事前に知らされていない。突然のことで慌ててしまうが、想定外のことに誰もが対処できることを目指す以上、敢えて多少の混乱を経験してもらう試みだ。これこそが実践的な防災訓練と言えるのだろう。
年々規模を拡大し、内容も充実させてきた津田沼奏の杜の防災訓練。訓練の参加者からは、「マンションの垣根を越えてコミュニティ形成にもつながったので、これからも〝防災〞をテーマに一緒に取り組んでいきたい」との声があった。今後は、さらにエリアを拡大した訓練へ発展させたいと安部氏は言う。津田沼奏の杜の防災への取り組みは、集合住宅だけではなく、地域全体をも巻き込んだ防災訓練のモデルケースとなっている。
三菱地所コミュニティと防災倶楽部の想い
三菱地所レジデンス
クオリティ業務部/防災倶楽部
岡崎新太郎
私たちは、管理会社の三菱地所コミュニティと協力して防災訓練をサポートしています。お住まいの皆様が災害時に行動できることを目指しているもので、避難訓練や安否確認に始まり、被災生活まで想定した訓練のお手伝いをしています。
私たちは東日本大震災や熊本地震で被災された方々のお話を聞かせていただきました。そこで水や食糧と並んでトイレの備えがとても大切だということを教わりました。
「ザ・パークハウス」にお住まいの方々が、災害時に困らないように何ができるかを考え、平常時にトイレの訓練をすることを提案しています。マンション内の防災倉庫に保管している「マンホールトイレ」を組み立てる訓練や、これを設置するのに適したマンホールを解説し、実際に開口して確認する訓練を行っています。さらに排水管の損傷などにより、マンホールトイレが使えない場合も想定して、排泄物を凝固剤で固めて捨てる「簡易トイレ」の体験もしています。訓練を通して、皆様からは「水や食糧は備えていたけれど、トイレは準備していなかった」「トイレの重要性が防災訓練を通してわかった」「家族の使う量を考えて凝固剤を買っておこうと思う」といった声を聞きます。
今後もお住まいの皆様一人ひとりが備えることのお手伝いに加え、エリア防災力強化にもつなげていきたいと思います。
被災地の声を届ける防災倶楽部
防災ツール「そなえるカルタ」
東日本大震災で実際に「困ったこと」「役立ったこと」など、被災地の声を集めカード形式でまとめている。防災訓練で実際の被災生活をイメージするためのツールとして活用。
熊本・益城町でのコミュニティ形成支援イベント
熊本地震の復興支援の一環として、仮設住宅のコミュニティ形成を支援。写真は小学生と一緒に壁画を描いている様子。
益城町での被害状況調査
熊本地震後、熊本市内の集合住宅や戸建住宅の被害状況調査、熊本県マンション管理組合連合会へのヒアリング、避難所において被災生活のヒアリングを行った。このような知識が、防災訓練などに生かされている。

三菱地所レジデンス
クオリティ業務部/防災倶楽部
澤野由佳
防災倶楽部では、東日本大震災や熊本地震で実際に困ったことを現地で聞き、伝える取り組みを続けている。「東日本大震災でトイレに困ったという生の声を生活者目線でお客様にお伝えしています」
第3回津田沼奏の杜3物件防災訓練の概要

● 開催日時/2017年3月5日(日) 9:00~12:00
● 参加マンション/『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜』
『ザ・パークハウス 津田沼奏の杜テラス』
『ザ・レジデンス 津田沼奏の杜』
● 防災訓練対象戸数/1,652戸
● 安否確認/1652戸中941戸
● 協力/三菱地所コミュニティ、三菱地所レジデンス、コナミスポーツ、千葉工業大学、HITOTOWA、復興応援団
● 訓練・イベント・プログラム内容/①マンホールトイレ組み立て訓練 ②AED・エレベーター閉じ込め・階段避難車訓練 ③バルコニー避難パーテーション蹴破り訓練 ④千葉工業大学 田村和夫教授による講演・免震装置の見学会 ⑤コナミスポーツ インストラクターによる被災生活に役立つフィットネス体験 ⑥HITOTOWA主催ジェフユナイテッド千葉サッカー教室・防災ゲーム ⑦オービックシーガルズ アメフト入門&防災ゲーム
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間取り/専有面積1LDK・2LDK
37.44m2~62.32m2(戸別宅配ボックス面積0.55m2~0.62m2を含む)
価格帯57,680,000円~103,300,000円
総戸数104戸
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ザ・パークハウス 堀川六角
二条城へ徒歩10分。豊富なバス便で上賀茂神社、嵐山といった 古都を代表する名所へ直結。