三菱地所レジデンス

京の一生もん×ザ・パークハウス

        
三菱地所レジデンス
京の一生もん×ザ・パークハウス
京菓子

亀屋良長
吉村和菓子店

かめやよしなが
よしむらわがしてん
2022.01.06
#スライス羊羹#8代目#京都7名水

懐を澄ませて作り続ける
老舗和菓子の伝統技と新思考

江戸期・享和3年(1803年)の開業以来、
京都7名水のひとつ醒ヶ井の水を用いて、
茶席用の上生菓子や干菓子のほか、
時代に添ったアイデアあふれる和菓子を
作り商う「亀屋良長」。
「懐を澄ます(利益は世のために使ってこそ浄化される)」を信条に歩む
8代目吉村良和さん、由依子さんご夫妻にお話を伺いました。

見本帳(上)・配合帳(下)

見本帳(上)・配合帳(下)

創業以来の菓子型

創業以来の菓子型

和菓子は古くから
京の文化人の嗜みだった

創業から200年以上の時を経た「亀屋良長」には、商品づくりの歴史をうかがい知れる見本帳や配合帳(レシピ)などが残っています。
「茶室にだされる上生菓子の銘は、能のストーリーや和歌などからとったものが多く、茶会に参加する人には、銘を聞いただけで、バックグラウンドや由来がわかる知識が求められました」と吉村良和さん。和菓子を深く知ることが、文化人の嗜みだったというのです。
お寺などで開かれる茶会には、文人墨客が集まり、まるでサロンのようであったとか。和菓子をつくる側も博学であることを求められたのです。
「亀屋良長」に残る見本帳には、そんなサロン文化を偲ばせる麗しい銘や色柄をとり入れた和菓子が描かれています。
吉村良和さん、由依子さんご夫妻

吉村良和さん、由依子さんご夫妻

家訓の「懐澄」(ふところをすます)

家訓の「懐澄」(ふところをすます)

こだわりを捨てた先に
見えてきたもの

歴史ある老舗和菓子店の跡取りとして、受け継いだ8代目良和さんに転機が訪れたのは、大病を患った時。快復を目指してさまざまな治療やリハビリに努めるなかで出会ったのがヨガでした。
「瞑想を続けることで、少しずつ自分を見つめる時間が増え、これまでとは違う考えに至りました。まわりを変えることは難しいので、自分を変えようと思ったんです」と良和さん。
ヨガを指導してもらった先生から「こだわりを捨てなさい」と言われたことも考えを変えるきっかけになったようです。
「それまでは、『京都の和菓子屋はこだわってなんぼ』と思っていましたが、たとえ『京菓子ではない、和菓子ではない』と言われたとしても、時代が求めるものをつくるべきだと考えるようになりました」
百貨店からの新しい和菓子の製品化といった要望にも応えていこうと気持ちを切り替えたそうです。
亀屋良長の信条は、『懐を澄ます』。これは、利益をあげるのはいいが、それをどう使うかが問題だということ。「良いこと(社員や世の中)のために使って循環したら水が澄む、ふところが澄む」と言った2代目のお言葉を堅く守られています。
秋限定の「山の幸」

秋限定の「山の幸」

美甘玉(みかもだま)美甘玉(みかもだま)

美甘玉(みかもだま)

スライス羊羹スライス羊羹

スライス羊羹

伝統にとらわれない亀屋良長の挑戦

夫妻で和菓子の学校にも通い歴史を学び、今ある和菓子も、海外の技や味などを取り入れたものだと知ったという良和さん。ならば、同じように新たな技法や素材、味わいを、外から取り入れてもいいのではないかと思ったそう。そこで生まれたのがパティシエとのコラボブランド「サトミフジタ」です。伝統の和菓子にチョコレートやフルーツなどを合わせ、モダンなデザインで仕上げた新和菓子は、たちまち話題を呼びました。
一方で、病気を患って以降、「体に優しいお菓子をつくりたい」と思うように。
看板商品「烏羽玉(うばだま)」のアレンジバージョン「美甘玉(みかもだま)」が、その第1号になりました。餡に黒糖を加えるところ、白あんにココナッツシュガーやココナッツミルクを用いたのです。ココナッツシュガーは、血糖値があがりにくい糖質。体に優しいのです。
以来、新ブランド「吉村和菓子店」では、食べる人の身体を気遣った和菓子をつくってきました。
話題の「スライス羊羹」は、由依子さんの主婦目線から生まれた品です。
「朝ごはんに、上の子にはチーズトースト、あんこ好きの下の子にはトーストにあんこを塗って食べさせていたんです。そのときふと、スライスチーズのようなあんこがあったら便利なのにと思い、スライス羊羹を提案しました」と由依子さん。
「家庭では出せない味だからこそ、注文していただけるんです。これからも、どんな要望にも応えられる上菓子店でありたい」と良和さん。 伝統は先人の積み重ねの結晶だからこそ、その知恵や手段をものづくりに生かしお客様を幸せにする。それが和菓子屋の使命でもあると言います。
昔も今も変わらない、
ものづくりの心が息づく京都

海外からの観光客が多く訪れていた頃、各種みやげ物として和風の色柄であったり、京都的なデザインを施してあったりと「わかりやすい」和の商品が好まれていたように思います。
けれど、今は変わりつつあります。どれほどモダンにアレンジしてあったとしても、その奥にある伝統的な技術や心を見逃しません。どれほどの努力や研鑽がその商品をつくるためになされているかという、「見る目を持つ」方が増えているように感じます。それは、京都に何度も訪れて「伝統と革新を繰り返す真摯なものづくり」に実際に触れたからではないでしょうか。
昔も今も変わらない、濃く深いものづくりの心が京都には息づいています。それらを間近に見て感じていただくことが、京都の魅力を知ることに繋がっていくかと思います。

亀屋良長 8代目 吉村 良和
亀屋良長 8代目 吉村良和
亀屋良長
吉村和菓子店
(かめやよしなが
よしむらわがしてん)
所在地
/ 京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
交通
/ 阪急京都線大宮駅より徒歩5分
亀屋良長 吉村和菓子店
※記載の写真、内容は取材当時(2021年10月)のものです。
京都の暮らしを享受できる住まい京都の暮らしを享受できる住まい
三菱地所レジデンス
公式SNSアカウント
YouTubeInstagramTwitterLINEfacebookwechatpinterest
「ザ・パークハウス」京都エリア
販売中物件はこちら