2017年度グッドデザイン賞受賞異業種間共同開発で実現した
集合住宅向けPC(プレキャスト・コンクリート)工法のシリーズ化
2017年10月04日
「安定した品質の建物を効率的に提供する」ためにPC工法に着眼
コンクリート部材(柱、梁、スラブ等)をあらかじめ工場で製作し、現場に運搬して組み立てるPC工法は、安定した品質の提供と同時に工事工程の短縮化・合理化を実現します。一方でコンクリート製造用の型枠自体の設計・製作を必要とするため、大量生産によるコストメリットが望める超高層建築物以外でのPC工法の採用は、従来限定的でした。
中低層マンション建築でのPC工法の事業化を実現するビジネスモデルを構築
そこで三菱地所レジデンスでは、木内建設株式会社とデベロッパー・ゼネコンの垣根を越えて協業し、PC製造用の型枠を1つの建築工事で使い終えるのではなく、継続的に運用することで、中低層マンションでもコストメリットを実現する工法を開発しました。型枠を15種類に絞り込みながら1つ1つの型枠に可変性を持たせ、多様な敷地条件・建築物への採用を可能にすることで、中低層マンション建築においてもPC工法の事業化を実現した基幹技術の開発です。
PC型枠の可変性イメージ
建築事例

ザ・パークハウス 南行徳
7階建て 総戸数60戸

ザ・パークハウス 鎌倉大船
6階建て 総戸数45戸
審査員の評価コメント
消費者は住宅に対して「高品質に」「早く」「安く」住宅を取得すること求めている。そのようなニーズを実現しつつ、型枠を15に絞り込みながら可変性を持たせることで型枠を1つの建築工事で使い終えるのではなく継続的に運用できるようにした。それによりコスト削減を実現し、中小規模の建築でもPC工法の利用を促進。結果として環境負荷まで低減できていることが素晴らしい。さらに多くの建築で利用されることが望まれる。