2020年度グッドデザイン賞受賞新エネルギーマネジメントシステム ソレイユ
2020年10月01日
太陽光発電の電力をお湯に変え、マンションでZEH-M Readyを実現
ZEH-M Readyは、4~5階建てマンションのZEH(ZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称)基準で、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入(創エネ)が必要となる。しかし、集合住宅における太陽光発電の導入は従来1住戸1受電方式の契約しかなかったため、極めて困難であった。そこで一括受電を活用し、太陽光発電電力を各戸に分配する新しいエネルギーマネジメントシステムを構築。電力をお湯に変えて蓄エネルギーし、100%使いきる仕組みを構築することで、マンション全体で運用できることを実現。年間光熱費が電気・ガスよりも約10万円/年も削減できるようになった。
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- Next Power㈱調べ
具体的な実現方法① ZEH-M Readyの断熱性能基準を超える高い建物性能
断熱性能を住戸毎に設計し省エネ効率を向上させながら、必要最小限まで太陽光パネル数を削減。
■各住戸の5面断熱
マンションの各住戸は一般的に2面断熱だが、天井と戸境壁も断熱し5面断熱とした。これによりZEH-M Readyの基準値を超える冷暖房費の削減と高い快適性能を実現した。
■太陽光パネルの約62%削減
高断熱により必要な蓄エネ量を軽減。必要な太陽光パネル数の約62%削減につながった。設備投資コストを抑え、居住者のコスト負担ゼロの実現にも寄与。
具体的な実現方法② 一括受電と太陽光発電による持続的な事業体制
一括受電と継続的な太陽光発電を統合した、日本初の事業体制により本システムの導入・維持コストの直接的な顧客負担ゼロを実現。
具体的な実現方法③ お湯による蓄エネで太陽光発電を使い切る
太陽光発電を100%使いきることで蓄電池を不要とし、エネルギーの地産地消を実現した。
1.日本初!日中に各住戸の給湯機でお湯へ置換
通常、深夜電力でしか稼働しなかったヒートポンプ給湯機を昼間稼働できるよう改良し、日中に発電した太陽光エネルギーを各住戸でお湯に変換し蓄エネする。
2.さらに遠隔で給湯機をまとめてコントロール
各住戸の給湯機の稼働をまとめてコントロールし、発電した電力を無駄なく100%使い切る。
新エネルギーマネジメントシステム[ソレイユ]を採用した「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」の物件情報は以下サイトよりご覧ください。
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審査員の評価コメント
省エネルギー、創エネルギーという課題は、本来、戸建て住宅よりもスケールメリットのある集合住宅における方が取り組み易いはずである。しかし、太陽光発電を導入する場合、従来1住戸1受電方式の契約しかなく、太陽光発電を建物全体で運用する新しい仕組みには対応できなかったというのは、大きな足かせとなっていたはずだ。まずはこうした制度の見直しが必要であるという重要な提言となっているのが本プロジェクトである。太陽光発電による電力をお湯に変えて蓄エネルギーをし、その仕組みをマンション一棟で管理する、できそうでできなかった取り組みであり、業種を超えた協業によってなしえたプロジェクトとして高く評価できる。