「在宅ワークの救世主。ウチのバルコニーにはこんなものが付いています」 バルコニーカウンター編
2023年02月24日
天気の良い日に空を見上げると、気持ちいいな〜って思いませんか。バルコニーに出ると、風や光、花の香りが季節をダイレクトに感じられます。バルコニーを洗濯物を干す場所だけにしておくのはもったいない、何か別の使い方があるのではと考えたとき、皆さんならどのような使い方を想像するでしょう。
近年、自宅でお仕事をする人は増えていると思います。自宅と職場以外のワークスペースとして、バルコニー空間の活用ができないか。そこから開発はスタートしました。テーブルや椅子をいちいち出さなくてもいい、もっと気軽に空間を使える「バルコニーカウンター」をご紹介致しましょう。
バルコニーカウンターをデスク代わりにして、バルコニーを自分だけのオフィス空間にするだけでなく、椅子を部屋から持ち出せば仕事の合間にくつろぐこともできる(画像はイメージです)
ご自宅のバルコニーってどんなスペース? アンケートを取りました
三菱地所レジデンスのマンションご購入者及びご検討者の方に、バルコニーの活用についてアンケートを取りました。
アンケート結果から分かるように、コロナ禍になって、気分転換でバルコニーに出る頻度が増えた方が半数以上いらっしゃいます。短い時間でも、外の空気を吸ったり、景色を眺めるなど、リラックスや開放感を求めて出ているようです。バルコニーで過ごす時間を心地よくするために、植物や椅子、テーブルを置いておく、もしくはその都度出すなどしている方もいらっしゃいます。
その反面、洗濯以外に有効活用しているかという問いでは、半数以上の人が「有効活用していない」と答えています。理由は「狭い」「外から見えるのが気になる」「どう使えば良いのかわからない」など様々。
「ガーデニング」や「休憩」などで使っている、使ってみたいと思う方は結構いらっしゃいますが、「仕事で使う」と答えた方はわずか3%のみ。これは、バルコニーで仕事ができる環境が整っていないため、活用に目が向かないのではないかと思われます。だからこそ「バルコニーカウンター」を使った、仕事スペースとしてのバルコニーをご提案します。
どうしてバルコニーにカウンターを取り付けようと思ったのですか?開発秘話を教えてください
洗濯物を干す場所から、仕事もできる場所へ。バルコニーの活用術
今回、「バルコニーカウンター」の開発を担当した西川さんへお話を伺いました。
マンションを開発する際のコンセプト会議の中で出てきた、自宅の中に在宅ワークスペースを設けるという発想。どのようなところからヒントを得たのでしょうか。
「こんなところにヒントが転がっていました」〜開発のきっかけ
「きっかけは社会環境の変化です。在宅が増えて、新しい生活様式に合わせてご提案できないかと思っておりました。オンラインでの実家の暮らしぶりを聞いたときに、バルコニーにテーブルと椅子を出して過ごしていると知りました。
ちょうどその時、南東向きにバルコニーがあり眺望も良い物件に関わっていたため、バルコニーの活用を考えていたんです。そこで具体的に何が必要か、考えることができました。」

開発に携わった西川さん
「在宅ワークをするDINKSを想定して最初考えていったのですが、バルコニー自体は、お子様がいるご家庭でも、年配の人でも、自宅の中で屋外を感じられる身近な場所です。ここで過ごすのに、いちいちテーブルを持っていくのは面倒ですよね。マンションの物干し金具に板を取り付けて、デスク代わりにしているお客さまもいらっしゃるという話も聞きました。
そうであれば、お客様が後からカウンターを取り付けるよりは、あらかじめ付けてあった方がいい。私たちは商品作りをする上で、安全性・機能性・デザインに考慮しています。カウンターが備え付けであれば便利であると同時に、マンションは建築上の規制もありますので、デザインや安全性に考慮した上で備え付けられるので安心です。」

カウンターを取り付けているバルコニー手すりの支柱の幅は、板のサイズに合わせてあるので、見た目もすっきり。デザイン性の高さやサイズは、元々備え付けだからできること。
「開け方・閉め方、そして設置位置にもひと工夫」〜安全への配慮
では、「バルコニーカウンター」とはどのようなものなのでしょう。試作品を見ながらをご紹介していきます。
カウンターは折りたたみ式。バルコニー手すりの支柱に金具で止めてあるので、ある程度の重さのものが乗せられる耐久性も備えています。
バルコニーは洗濯物を干すほか、避難通路の役割もしているため、使用しないときは、バルコニー手すりに沿うよう折りたたんでおきます。設置場所は人が移動するときに邪魔にならず、加えて事故を避けるため室外機からも足が届かない位置にしました。さらに、リビング正面に設置することで安全性に加えてリビングとの繋がりを生み出します。

「バルコニーカウンター」を折りたたんだ状態。板とバルコニー手すりの間には指が余裕で入る隙間を設けています。
カウンター板の両サイドにはレバーラッチがついており、外側のラッチを押さえながら、ゆっくり両手で持ち上げます。板が地面と並行になったところで板をロックする仕組みです。
たたむ時は、両手で棚受けのレバーを押さえてロックを外さないと、板は動きません。
また、ラッチの操作がしやすいよう板と支柱には隙間が空いており、指挟みの心配もありません。
そして重い板が勢いよく閉じないよう、ゆっくり開閉するソフトクローズ仕様になっています。

カウンター板を支える支柱は全部で3本。真ん中に支柱を入れることで、ソフトクローズを可能にしています。
ソフトクローズ仕様にするため、板の両脇を支える支柱の他に、真ん中にもう1本支柱を立てています。
安全性を高めるだけでなく、入居者が後で個別に取り付けるよりも、初めから設置されている方が、外観としても全体的にきれいに整って見えます。
また、お子様が一人では簡単に使うことできないよう、工夫が凝らされています。
まず、人間工学に基づき、板は小さな子どもが両手を使っても、一人で持ち上げにくいサイズになっています。
設置されている高さも、子どもが一人で容易によじ登れない高さである床面から約950ミリに設定。またこの高さは、大人が立って作業するにはちょうど良い高さです。
「美しさの中に機能を生み出す」〜デザイン性のこだわりが使いやすさにつながる
カウンター板のサイズは、長さが約800ミリ、奥行きが400ミリほど。
これは、ノートPCの横に資料やコーヒーなども置けるサイズ。日頃良く使われているデスクに近い環境を整えています。
素材は屋外で使用するものなので、耐候性のある再生木を使用しています。再生木には、環境にやさしい素材であることと、風雨に晒されてできる風合いも楽しむことができるからという、開発者のこだわりもあります。
カウンター板の横に貼られた金属製の縁は、板より若干高くしています。そのため、文具などの小さなものが転がり落ちにくくなります。

鉛筆など、転がりやすいものでも落下しにくくなります。

通常のノートPCを置いても、周りにスマホやコーヒーを置いておけるスペースを確保。
「バルコニーカウンター」があるだけで広がる、日常の風景

室内での話し声を気にすることなく、仕事に集中
夫婦二人で在宅ワークの日でも、ひとりが室内で通話やオンライン会議などをしていて、もう片方が仕事がしにくい時など、バルコニーにPCを持ち出せば、相手の声を気にせず仕事に集中できます。また仕事の合間にバルコニーからの景色を眺めるだけで、気分転換もでき、快適なホームオフィス環境が整います。

1日の終わりは、ゆっくり話ができるバーカウンターに
バーカウンターとして使えば、店に行くまでもなく、ふたりでゆっくり過ごす時間も演出。「バルコニーカウンター」があるだけで、椅子やテーブルを用意しなくても、朝食やランチ、ちょっとしたカフェやバー替わりの空間にしてくれます。
最後に開発者としての想いを伺いました。
「開発した商品が実装されたマンションに暮らされている方々のお話を伺うと、新しい使い方や、反対に認識のずれがあるところなど、とても参考になることが多いです。その声を次の開発に活かしていけるので、本当にありがたく感じています。
「バルコニーカウンター」があることで、住んでいる方たちがホッとでき、気分の切り替えができるような、新しい場所ができたと感じてもられば嬉しいですね。理想は、お使いになっている方がそれぞれの使い方を見つけ、新しい使い方へ発展していくこと。例えば、低層階で使用するなら、バルコニー越しに地域の人たちと談話できるスポットになるとか、そこを通して地域の人とのコミュニケーションが取れるなど、プラスアルファのことができていけばいいなと思います。私たちが開発した商品で、暮らし方のご提案ができればと思い、これからもお客様に寄り添った商品を開発していきます。」
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- バルコニーカウンターは最初から付帯される設備であり、構造上後付けで設置することはできません。
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- バルコニーの使用には制限がございます。詳細はそれぞれのマンションの管理規約集などのご確認をお願い致します。
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- バルコニーに物を置かれると足掛かりになる場合がありますので、転落事故にはご注意願います。
(テキスト)山田江理子
(写真)清水タケシ
(イラスト)高村あゆみ
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