心温まるアットホームなパリ流のおもてなし術

心温まるアットホームなパリ流のおもてなし術

[暮らしのアイデア]

2020年03月30日

パリの人たちのような素敵なホームパーティーをしてみたいけれど、準備や片づけのことを考えるとなかなか実践できない……という人も多いのではないでしょうか。
そこで、フランス仕込みのテーブルコーディネートや料理の教室を主宰するペレ信子さんに、パリ流のおもてなしについて、お話をうかがいました。

話=ペレ信子(ぺれ・のぶこ) テーブルコーディネーター
21歳でブルゴーニュ大学に留学後、フランスの企業に4年間勤務し、26歳のときフランス人と結婚。日本に帰国後は、ダニエル・マルタン氏にフランス料理を、丸山洋子氏にテーブルコーディネートを学び、2011年、自宅にサロンをオープン。フランス流の気取らないおもてなしと料理教室を主宰するほか、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『フランス流 しまつで温かい暮らし』(講談社)。

photos by Ippei Okuda text by Emi Arita

目線1

パリ流のおもてなしは、気負わず、簡単に

日本でホームパーティーを開くと、ご馳走をつくったり、部屋を装飾したり、と気負い過ぎてしまい、最後には「もう二度とやりたくない」と、疲れ果ててしまう方が多い気がします。でも、パリ流のおもてなしはもっと気軽で楽しいものです。それは、主催した自分が、心から楽しみたいと思っているから。忙しい日々のなかで、親しい友人を家に招きおしゃべりを楽しむのは、自分にとって最高のご褒美の時間と捉えているんです。
そのため、料理も無理して特別なご馳走をつくるのではなく、家庭料理をベースにしたシンプルなものが基本。
普段の献立に一品足したり、メイン料理は大鍋で煮込み料理をつくって、そのままテーブルに出してみんなで取り分けたり。

グラタンや煮込み料理は、おもてなしの際のメインに。

グラタンや煮込み料理は、おもてなしの際のメインに。

また、日本ではお呼ばれすると「高いお酒を持って行こう」「豪華な手土産を買わなくては」と気を遣いますが、パリの場合は呼ばれたら呼び返すのがマナー。
場合によっては、月に何度も互いの家を行き来することもありますが、そうやって互いの家で過ごす時間をとても大切にしています。

シンプルで気負わず、でも最後には招かれた方も招いた自分も「いい時間だった」と感じることができる。それがパリ流のおもてなしなのです。

デザートのケーキとお茶を用意するペレ信子さん。ペレさんのおもてなしの献立は前菜、メイン、デザートの3品が基本。

デザートのケーキとお茶を用意するペレ信子さん。ペレさんのおもてなしの献立は前菜、メイン、デザートの3品が基本。

目線2

テーブルコーディネートはポイントを抑えてシンプルにする

パリのホームパーティーでのテーブルコーディネートは、料理と同様とてもシンプルです。
クリスマスや結婚祝いなど特別な日は凝った装飾をすることもありますが、基本はグラスにお皿、お花とキャンドルを飾る程度。ただ絶対に欠かさないのが、テーブルクロスをかけることです。

それとフランスでは着席での食事の際は、多くの場合、紙ナプキンではなく布ナプキンを用意します。テーブルクロスや布ナプキンは、洗濯やアイロンの手間がかかりますが、その手間をゲストもわかっているので、それらがきちんと用意されていると、たとえ料理が簡単なものでも「自分のことを大切に思ってくれている」と感じることができるのです。ただ、日本の場合は布ナプキンで直接口を拭くのを遠慮する人も多いので、布ナプキンとともに、紙ナプキンを添えてもよいと思います。
また、テーブルクロスや布ナプキンは、カラーコーディネートにも重宝します。テーブルクロスはシンプルなものが1枚あればよいと思いますが、布ナプキンは好きな色をいくつか用意するのがおすすめです。
テーブル中央に飾る花とキャンドル、布ナプキンの色を合わせるだけで、洗練された印象に仕上がるはずです。

花とキャンドル、布ナプキンでテーブルをカラーコーディネート。左はパープルの花に合わせたもの、右はオレンジの花に合わせたもの。ブーケなどの派手なものではなく、季節感のあるシンプルな花を用意するのがパリ流。

花とキャンドル、布ナプキンでテーブルをカラーコーディネート。左はパープルの花に合わせたもの、右はオレンジの花に合わせたもの。ブーケなどの派手なものではなく、季節感のあるシンプルな花を用意するのがパリ流。

目線3

いつでも人を招けるよう、整えやすい住まいづくりを目指す

私が主宰している教室の生徒さんたちに「なぜホームパーティーが億劫なのか」と尋ねると、たいていの人が「料理と片づけが大変」と答えます。
ご馳走を用意し、家の片づけもして、となると気軽に人を招きたいとはなかなか思えませんよね。パリの場合は、前述した通り、家に人を招く頻度がとても多いので、料理はシンプルに、住まいはいつ誰が来てもいいように日頃から整えておくことを心がけています。

ペレさんの自宅のダイニングルーム。

ペレさんの自宅のダイニングルーム。

たとえば我が家の場合は、ダイニングルームをパブリックスペースと決め、たとえ散らかっても、1日の終わりには必ずリセットするようにしています。
以前マンションに住んでいたときは、子どもが小さかったので、リビング・ダイニング脇のDENをプレイスペースとし、パブリックスペースがおもちゃであふれないよう工夫していました。
このようにパブリックスペースとプライベートスペースをしっかり区別するだけでも、人を招きやすい住まいにつながると思います。

パリ流のおもてなしや住まいづくりを手本に、ぜひ気軽で楽しいホームパーティーを開いてみてくださいね。

左/日々のおもてなしのためにも、インテリア装飾は季節感を重視。リビングのコーナーは、洋書の色で季節感を演出。右/現在の住まいの子どもたちのプレイスペース。パブリックスペースしっかり区別し、パリ流に。

左/日々のおもてなしのためにも、インテリア装飾は季節感を重視。リビングのコーナーは、洋書の色で季節感を演出。
右/現在の住まいの子どもたちのプレイスペース。パブリックスペースしっかり区別し、パリ流に。

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