売れるマンションに住んだ。
売りたくないと思った。
橋本幸多(43歳)
橋本がこのマンションを買ったのは、
結婚したばかりの頃。
まかせられる仕事も増えてきた分、
仕事量も増え、しょっちゅう残業もしていた。
妻の会社が海外赴任の可能性もある会社だったので、
どこに住むことになるのかわからない。
家を買っていいのか、
買うとしてもどこに買えばいいのか、
将来、家族は何人になるのか、
子どもができたとして、男か、女か。
考えだすとキリがなく、
結局は「売れるマンション」という選択肢で
妻と二人で選んだ。
住み始めた頃は、
少し残業してもどこかでごはんを食べて帰ったり、
休日は沿線の友人夫婦と遊びに出かけたりしていた。
でも子どもが生まれると意識は大きく変わった。
近くに小さな公園があること。歩道が意外と広いこと。
大きな公園じゃなくても、
歩いて行ける場所に
小さな公園があるほうが嬉しいし、
歩道が広いと、散歩もしやすい。
意外と緑が多くて朝は鳥の鳴き声もする。
子どもと過ごす時間が
とても豊かな時間であることに気づいた。
困ったことといえば、
家に仕事部屋をつくっていなかったので、
子ども部屋がリモート部屋になってしまったこと、
ぐらいだろうか。
いま、橋本は、
この日々を愛している。
そして、この日々を支えるこのマンションを
売りたくないと思っている。
これから先もきっと日々は変わりつづける。
子どもの進学、妻の仕事、
自分の仕事、ライフスタイル。
それでも今、この家はとても居心地がいい。
今の積み重ねが人生ならば、きっと悪くないと
橋本は思う。
そうか。この愛おしさも、資産価値なんだ。
資産価値をあなたと考える。
三菱地所レジデンス