THINK VALUE 05

道が明るくなったのは、
街灯が増えたからだけじゃない。

畠山ちえ（68歳）

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MOVIE

道が明るくなったのは、街灯が増えたからだけじゃない。畠山ちえ　68歳
  1. 畠山さんとお友だちと街とコーヒー

    スクロール

  2. 駅前の喫茶店。久しぶりに集まったのは畠山さんと子どもが小学生だった時のママ友たち。井口さんは夫の職場に近い場所に引っ越し、高原さんは孫育てのために子どもの家の近くに住んでいる。つくなり井口さんと高原さんはこう言った「ちょっと駅前どうしちゃったの、全然ちがう街じゃない」「私たちがいるときなんて何にもなかったのにね」「そうなのよ」と笑う畠山さん。
  3. 「道が広くなって明るくなったし毎日の買い物も歩いていけるしね」「昔は暗かったもんね」と井口さんがうなずくと「そうそう子どもを歩かせるのも怖かったから駅までお迎えにいってたもんね」と高原さんもかぶせる。「そういえばちっちゃい子のいる若いパパママも多いわね」「新しい人もうんと増えてるみたい。小学校なんて８クラスあるらしいの」「８クラス！私たちの子どもの時の倍！」「変わるのね〜街って」と畠山さんがコーヒーを飲む。「それでいうとね」と井口さんがケーキを頼みながら話し出す。「いま、夫と一緒に住んでるマンションも再開発でできたところなんだけど街のお祭のときにお神輿を置いておく用のスペースがあってね、お祭のときにちゃんとみんなで担ぐのよ」「へぇ、すごい！」「地域の子どもたちがエントランスをステージにしてダンスを踊ったりして、とっても賑やかで楽しいの。こっちまで元気になっちゃう」「素敵ね！あら、このコーヒーおいしい。おかわりくださーい。そういえばね」と高原さんが矢継ぎ早に話し出す。
  4. 「うちのマンション、っていっても子どもたち夫婦のマンションなんだけどね。共用のキッズスペースがあるのよ」「それいいわね」「雨の日とか外に出かけられない時でも、子どもを思いきり遊ばせられるし」うんうん、とみんなでうなずく。「孫を連れて遊びにいっているうちに、この年で“ママ友”もできちゃったわ」「それ、むこうにとっては“ばば友”かも？」あはははは、とみんなで大笑いする。自分の住む場所が変わっても、自分の住む街が変わっても、みんながその街で楽しく暮らせていることが、畠山さんは嬉しかった。畠山さんと井口さんと高原さんの楽しいおしゃべりはなかなか終わりそうもない。
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そうか。この街そのものが、資産価値なんだ。

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