ザ・パークハウスストーリー

ザ・パークハウス誕生までの物語をご紹介。テーマは、「一生ものに、住む。」そこに込めた住まいづくりの想いをお届けします。

プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」土地の恵みを引き出しきる悠久の住まいの形。

プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」土地の恵みを引き出しきる悠久の住まいの形。

京都御所からほど近く、鴨川の西岸に接し、東山連峰と向かい合う。日本の美意識を連綿と受け継ぐ京都を象徴する山紫水明の地に、古都と同じ空気感を持つ"邸宅"をつくるプロジェクトが進められた。
厳しい景観規制のもと、細やかに熟慮を重ねて完成した集合住宅。そこには、日本建築の粋を取り込んだ悠久の住まいへの想いがあった。

photos by Satoshi Nagare
text by Miho Kitagawa

鴨川西岸に建つ『ザ・パークハウス 京都鴨川御所東』を、対岸から眺める。敷地の前にはちょうど堰(せき)があり、川が豊かな表情を見せる。

鴨川西岸に建つ『ザ・パークハウス 京都鴨川御所東』を、対岸から眺める。敷地の前にはちょうど堰(せき)があり、川が豊かな表情を見せる。

京都市中にあって、特別に魅力的な立地。

京都御所の東側、河原町通と丸太町通にほど近い市街地に建設。東山を望む鴨川沿いで、古都の四季を満喫できる。

京都御所の東側、河原町通と丸太町通にほど近い市街地に建設。東山を望む鴨川沿いで、古都の四季を満喫できる。

2013年8月16日、京都五山送り火のハイライトである東山如意ヶ嶽(大文字山)に火が点されると、周囲はおごそかな空気に包まれた。地元の人たちと大文字を見上げながら、三菱地所レジデンスの杉本有紀典は、入札予定地の魅力にあらためて感じ入っていた。京都御所のほど近く、東山を眼前に望む鴨川の西岸に接した約5000m2の国有地。その入札を間近に控えた頃のことだ。『ザ・パークハウス 京都鴨川御所東』の用地取得に携わった杉本は、当時のことを振り返る。
「鴨川沿いで、送り火が見え京都御所もほど近いという条件が3つもそろった土地。さらに京都市街地では珍しい規模の整形地であり、ぜひとも入手したいと思いました」

京都を代表するマンションをつくる!

別館は、鴨川を挟んで東山連峰を眼前に望む贅沢な立地。

別館は、鴨川を挟んで東山連峰を眼前に望む贅沢な立地。

当然、他社との競合や入札価格の高騰が予想された。杉本は近隣の土地やマンション取引のみならず、購買層のライフスタイルなどもリサーチした上で入札に臨んだ。落札した報がすぐさまニュースになるほど、注目もされた。杉本の後を引き継いだ開発担当の中島大介は、「今までとは別次元で、京都を代表するマンションがつくれる!」と確信。「そのためには、三菱地所グループの総力を結集してこの物件を成功させたい。また、外部の京都ゆかりの方々も集めて、この地でしかできないマンションをつくろうと考えました」。それだけに、使命や責任をひしひしと感じてもいた。

三本木通りに面した本館「BIREI―美麗―」は、別館とは異なり重厚な雰囲気が漂う。

三本木通りに面した本館「BIREI―美麗―」は、別館とは異なり重厚な雰囲気が漂う。

用地は、国有地となる以前に三菱地所とも関係の深い財閥家や旧大名家などが所有。周辺は、平安時代に藤原道長が法成寺を営み、江戸時代に儒学者・頼山陽が屋敷や書斎兼茶室をかまえた一帯でもあった。この土地をどう受け継ぐのか、三菱地所グループ全体で取り組もうという気概が高まるなか、『ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵』など数多くの実績がある三菱地所設計の石井邦彦に設計者として白羽の矢が立った。もともと京都の建築に親しんでいた石井は、こう語る。
「現地を訪れたとき、『悠久の世界観』という言葉が浮かびました。この得がたい立地で、日本建築の魅力、作法を以てマンションをつくるチャンスだと感じました」

京都の景観条例や高さ制限との闘い。

植栽に溶け込むように、プライベートエントランスはひそやかに設けた。

植栽に溶け込むように、プライベートエントランスはひそやかに設けた。

景観規制の厳しい京都にあって、敷地は第一種住居地域や旧市街地型美観地区、岸辺型美観地区などが混在し、それぞれに規制が異なっていた。住棟構成だけでも10案以上つくっては壊しと議論を尽くし、1年ほどかけてじっくりとプランが練られた。京都の高さ制限は厳しく、マンションにも勾配屋根を付ける義務があるのでさらに低くなり、容積率も抑えられてしまう。中島は、この場所にふさわしく真によい住まいとするため、事業の方向性としては厳しくなるのを覚悟の上で戸数を減らし、駐車場や車寄せのスペースをつくった。実は、中島には大きな心配があった。
「西側の道路が狭くて工事動線としてはよくない。同業者から“ここには建たないよ”と言われたことも。近隣住民に配慮して、工事車両は鴨川側から入れたいと京都市に打診もしたのですが……」。杉本も、「工事車両を通行させるために土地を借りる話も出た」と認める。スムーズに着工できるのか不安は消えなかった。中島は、近隣住民の理解を得るため、いままで以上に神経を使っていた。

鴨川河畔、桜並木から見え隠れする5階建ての別館「AKATSUKI―暁―」の外観。2階以上のバルコニーはガラス製の手すりになっている。

鴨川河畔、桜並木から見え隠れする5階建ての別館「AKATSUKI―暁―」の外観。2階以上のバルコニーはガラス製の手すりになっている。

折しも、用地の南側に隣接した保育園が建て替えすることになり、マンションの着工まで園庭として貸してほしいと要請があった。中島はすぐさま社に持ち帰り、最大限に敷地を使ってもらえるよう尽力した。
「これをきっかけに、地元の方々とのコミュニケーションがしやすくなりました」
設計の石井は、新しいマンションを周囲の景観に溶け込ませることに心を砕いた。内と外が一体化した“庭屋一如”も意識。外観は、日本建築にならった直線を意識したデザインで、軒庇に見立てたバルコニーの水平線、隔壁の垂直線、そして大きな寄棟屋根で簡潔に表現した。別館は2階以上のバルコニーにガラス製の手すりをつけた開放的なつくりで、部屋にいながらにして鴨川と東山の景観を享受できる。一方、町家側の本館は、街並みに調和する落ち着いた佇まいに仕上げている。

石井と組んで共用部分のデザインを担当したのは、三菱地所グループのメック・デザイン・インターナショナルに在籍していた寺本昌志(現・グリット・デザイン代表取締役)と飯野容子(現・同社取締役デザインディレクター)。寺本は、「京都の都市文化や歴史に照らしてみれば、空間の狭さ、天井の低さといったことは、足元に目がいくようにデザインをすることで、プラスの個性として表現できる」と意を強くした。「京の町家を通り抜ける路地に入っていくようなイメージで、内装プランを考えました」と、飯野も言う。そこで、1階共用部の廊下を京都らしい路地に見立て、表情をつけた石の床を照らすことで足元に視線が集まるよう趣向を凝らした。

極上のもてなしとくつろぎを考えた共用空間のプラン。

1階共用部の廊下を京都の路地に見立てた「小径」でもてなしを演出、くつろげるロビーやラウンジを設けている。

1階共用部の廊下を京都の路地に見立てた「小径」でもてなしを演出、くつろげるロビーやラウンジを設けている。

京都の粋を集めた共用部の魅力。

「京都の正統を受け継ぐ住まいをつくる」という志をひとつにしたスペシャリストたちが集結。京都出身のライティングデザイナー、内原智史氏が、時間帯によってうつろう光を繊細に表現した。物件のためにデザインされた家具をつくりあげたのは、京都の老舗である宮崎木材工業だ。有名寺社の庭を手掛ける京都の樋口造園は、数十年後も見据えながら細やかに作庭した。さらに、「マンションに京都の文化を取り入れたい」という構想に共感したイムラアートギャラリー代表の井村優三氏の協力を得て、京都ゆかりのアーティストたちによる“小さな現代美術館”が実現する。古都の美意識を見事に昇華させながら、もてなしと品格に満ちた共用空間が完成。そして、鴨川に面した最上階の約287m2の部屋は1995年以降の分譲マンションとしては西日本最高価格となり、話題を集めたのである。

2017年3月、約3年半をかけた『ザ・パークハウス 京都鴨川御所東』が竣工を迎えた頃、杉本は一人で現地をそっと見に行った。「こんな家に住みたいと心から思いました。中に入ると実際以上に広く感じられて、内庭など共用部のつくりもすばらしい。自分の中でもっとも記憶に残る物件になりました」
中島は、「建築、外構、内装、アートなど見どころが多く、完成度の高いものができたという思いがこみあげてきました」と語った。
誰もが、いいチームでつくりあげたという充実感を口にした。ずっと愛されるヴィンテージマンションになるだろうとも。これから、悠久の歴史と美意識を受け継ぐ住まいは、ゆっくりと熟成を重ねていこうとしている。

フォトギャラリー

  • エントランスホールは、ピッチを細やかに変えた格子や斜めの「縁」、御影石の床が情緒豊か。エントランスホールは、ピッチを細やかに変えた格子や斜めの「縁」、御影石の床が情緒豊か。
  • 小径「HIKARI―光―」は、時間帯によって変化する組子障子の明かりが美しい。小径「HIKARI―光―」は、時間帯によって変化する組子障子の明かりが美しい。
  • 奥へと誘う小径から、視線は右手の内庭「SANSUI―山水―」へと向かう。奥へと誘う小径から、視線は右手の内庭「SANSUI―山水―」へと向かう。
  • 京都らしい木格子が効果的に映える、エントランスホール。京都らしい木格子が効果的に映える、エントランスホール。
  • 町並みとゆるやかにつながる格子や植栽が迎える、プライベートエントランス。町並みとゆるやかにつながる格子や植栽が迎える、プライベートエントランス。
  • ラウンジ「YUSUI―幽邃―」の壁を飾るアートは、右の陶板レリーフが樂雅臣氏、左の書「○△□」が辻村史郎氏の作品。ラウンジ「YUSUI―幽邃―」の壁を飾るアートは、右の陶板レリーフが樂雅臣氏、左の書「○△□」が辻村史郎氏の作品。
  • 内と外が一体化した「YUSUI-幽邃-」。深い軒から入る、柔らかな光で満たされる。内と外が一体化した「YUSUI-幽邃-」。深い軒から入る、柔らかな光で満たされる。
  • 本館5階のエレベーターホールから、内庭と大文字山を望む。本館5階のエレベーターホールから、内庭と大文字山を望む。
  • 壁を竹で縁取ったり、格子を実際よりも細く見えるように工夫したりと、繊細な仕事が随所に。壁を竹で縁取ったり、格子を実際よりも細く見えるように工夫したりと、繊細な仕事が随所に。

  • エントランスホールは、ピッチを細やかに変えた格子や斜めの「縁」、御影石の床が情緒豊か。
  • 小径「HIKARI―光―」は、時間帯によって変化する組子障子の明かりが美しい。
  • 奥へと誘う小径から、視線は右手の内庭「SANSUI―山水―」へと向かう。
  • 京都らしい木格子が効果的に映える、エントランスホール。
  • 町並みとゆるやかにつながる格子や植栽が迎える、プライベートエントランス。
  • ラウンジ「YUSUI―幽邃―」の壁を飾るアートは、右の陶板レリーフが樂雅臣氏、左の書「○△□」が辻村史郎氏の作品。
  • 内と外が一体化した「YUSUI-幽邃-」。深い軒から入る、柔らかな光で満たされる。
  • 本館5階のエレベーターホールから、内庭と大文字山を望む。
  • 壁を竹で縁取ったり、格子を実際よりも細く見えるように工夫したりと、繊細な仕事が随所に。

ザ・パークハウス 京都鴨川御所東(販売済)

東山と向かい合う鴨川のほとり、京都御所にも近い立地。京阪鴨東線「神宮丸太町」駅(3番出入口)より徒歩6分と、利便性にも恵まれている。町並みに溶け込む落ち着きのある外観、京都の粋を取り入れた共用部など、悠久の住まいを実現。

● 所在地/京都府京都市上京区河原町通荒神口下る上生洲町197番11(地番) ● 構造・規模/鉄筋コンクリート造・地上5階地下1階 ● 総戸数/85戸 ●事業主/三菱地所レジデンス(株) ●設計・監理/(株)三菱地所設計 ●設計協力(共用部内装・FFE)/(株)メック・デザイン・インターナショナル ● 管理会社/三菱地所コミュニティ(株) ● 施工/(株)熊谷組 ● 竣工/2017年3月

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