ザ・パークハウスストーリー

ザ・パークハウス誕生までの物語をご紹介。テーマは、「一生ものに、住む。」そこに込めた住まいづくりの想いをお届けします。

新たなるランドマークへ。〜国内初、隣接する国有地との一体化による建替え事業〜【ザ・パークハウス 早稲田】

プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 早稲田」新たなるランドマークへ。
〜国内初、隣接する国有地との一体化による建替え事業〜

その昔、尾張徳川家の下屋敷であった戸山公園。
そのほとりに建つマンション居住者たちは、老朽化していく今後を見すえ修繕して住み続けるよりも「建替え」に未来を託した。住まいの記憶を残しながら、新たなランドマークとして再生した、その物語。

photos by Shinichiro Nakazato
text by Norihiko Morita

東京都新宿区戸山。一般的には広域地名の「早稲田」の方がわかりやすいかもしれない。早稲田大学や学習院女子大学がキャンパスを置く文教エリアだが、区民に愛される場所といえば、その筆頭に戸山公園が挙げられる。広大な園内は緑にあふれる、あらゆる世代の憩いの場だ。
その戸山公園のほとりに『ザ・パークハウス 早稲田』は誕生した。いや、誕生ではなく「再生」したと言った方が正確だろう。なぜならここにはかつて『メゾンドール早稲田』というマンションが建っていたから。『ザ・パークハウス 早稲田』は『メゾンドール早稲田』の建替えにより2020年、竣工した。

街並みと調和するレトロモダンな外観デザイン

早稲田の歴史や文教地区といったアカデミックなイメージに調和するよう、淡いブラウンの色合いとクラシカルな重厚感を取り入れた外観デザイン。ガラス手摺りに戸山公園の緑や空が映り込み、時間や季節の移り変わりも感じさせる。屋上のルーフガーデンは居住者たちの憩いの場所。ガーデンの植栽と戸山公園の緑が調和し、遠く新宿方面の風景を楽しめる。

『ザ・パークハウス 早稲田』を戸山公園側から眺める。

『ザ・パークハウス 早稲田』を戸山公園側から眺める。

ウッドデッキのルーフガーデン。コミュニティを育む場所でもある。

ウッドデッキのルーフガーデン。コミュニティを育む場所でもある。

耐震性や老朽化を見すえ決断された建替え事業。

『メゾンドール早稲田』では、築34年が経った2005年に建替えすべきか修繕・改修すべきかを本格的に検討し始めた。耐震性能不足や老朽化、さらに居住者の高齢化にともなう対策として、この二択を協議。その結果2007年に建替え推進決議が可決。建替えの方向へと大きく舵を切った。三菱地所レジデンスが事業参画したのは2009年のこと。

事業パートナーとして選ばれたのは、管理組合が検討していた隣接地を取得して規模を拡大する再建マンションの具体化プランが評価されたから。新たに生み出された床の売却益を建設費用に充当する計画の実現性が一気に高まった。

『メゾンドール早稲田』 ● 敷地面積/1,090㎡● 規模/RC造地上7階建、35戸● 竣工/1971年(2018年解体)

『メゾンドール早稲田』
● 敷地面積/1,090㎡● 規模/RC造地上7階建、35戸● 竣工/1971年(2018年解体)

「戸山公園と『メゾンドール早稲田』の間には国家公務員宿舎がありました。その国有地の払い下げを機に『メゾンドール早稲田』と国有地を一体化する計画は、三菱地所レジデンスが参画すべき新しい取り組みでした。そして権利者の皆さんの『ここに住み続けたい』という想いの実現には、実行性のあるプランが必要でした」

三菱地所レジデンスの貴家雄一が前任者から権利者の想いを託されたのは2012年。そこから建替え事業に携わり、2015年に三菱地所レジデンスが入札で隣接する国有地を取得すると、加速度的に建替え事業が動き出す。

隣接国有地(国家公務員宿舎) ● 敷地面積/l,637㎡● 規模/RC造地上7階建、35戸● 竣工/1970年(2017年解体)

隣接国有地(国家公務員宿舎)
● 敷地面積/l,637㎡● 規模/RC造地上7階建、35戸● 竣工/1970年(2017年解体)

2016年に『メゾンドール早稲田』の建替組合設立認可、2017年・解体工事着手、2018年・本体着工、2020年・竣工を迎えた。2017年に入社した髙田涼平は、自らのキャリアがこの建替え事業でスタートした。

「権利者の皆さんと建替えプランの詳細を考えていくことはとても勉強になりました。建替えるとはいえ、皆さんが『メゾンドール早稲田』に愛着を感じています。その面影を残しながら、安全性や快適性を備えた最新のレジデンスを求めました」

『ザ・パークハウス 早稲田』 ● 敷地面積/2,726㎡ ● 規模/RC造地上10階 地下1階建、115戸

『ザ・パークハウス 早稲田』
● 敷地面積/2,726㎡ ● 規模/RC造地上10階 地下1階建、115戸

「権利者の皆さんと建替えプランの詳細を考えていくことはとても勉強になりました。建替えるとはいえ、皆さんが『メゾンドール早稲田』に愛着を感じています。その面影を残しながら、安全性や快適性を備えた最新のレジデンスを求めました」

国有地の有効活用により老朽マンションを再生

高経年化するマンションは増加傾向にあっても、建替え事例は圧倒的に少ないのが実情。
『ザ・パークハウス 早稲田』は隣接する国有地との一体化による建築法に基づく建替え事業であり、国内初の試み。建替えが急務となっている状況に一石を投じる再生促進手法として、今後のマンション建替えの有用なモデルケースとなる。

【課題】

①建物の老朽化・耐震性能への不安
②土地の価値を活かせていない(メゾンドール早稲田=日当たり・眺望の懸念、国有地=旗竿形状のため土地の有効利用がしにくい)
③『メゾンドール早稲田』の権利者の高齢化
④地域の防災性・安全性に対する不安

【課題の解決】

①建物の安全・安心の実現
②土地の価値を最大化(旗竿形状を解消するとともに、公園に隣接する計画を実現)
③多世代が共生・交流する住まい
④地域の防災性・安全性の向上

地権者と三菱地所レジデンスの想いがひとつに

三菱地所レジデンスが『メゾンドール早稲田』の建替え事業に参画することで具体化した建替え計画。計画検討時は説明会・勉強会を開催して、管理組合・建替組合と三菱地所レジデンスの意思疎通を図った。また、修繕積立金については、多くのマンションが段階増額積立方式のなか『ザ・パークハウス 早稲田』では均等積立方式を採用。将来にわたり安定的に修繕資金を蓄える方法を選択した。

建物計画の勉強会風景。

建物計画の勉強会風景。

建物解体前のパーティー風景。

建物解体前のパーティー風景。

『ザ・パークハウス 早稲田』はデザインの一部を『メゾンドール早稲田』から継承している。それが北側のファサードデザインだ。せり出すバルコニーや雁行型の設計に、かつての意匠を取り込んでいる。

さらに居住者たちの「庭」とも言える戸山公園をマンションからも眺められるよう、屋上にルーフガーデンを設置。公園に面していない住戸の居住者も、ルーフガーデンから戸山公園の風景を堪能できる。ここに住み続けたい。その想いは『ザ・パークハウス 早稲田』に姿を変え、実現した。

かつての住まいの記憶を継承するデザイン

『メゾンドール早稲田』の変化に富んだデザインの記憶を、建物の雁行やバルコニーの突出形状へ継承。街のランドマークを担ってきた外観デザインに、現代的要素をプラスすることで新たなランドマークへと発展させている。

『メゾンドール早稲田』の北側外観。

『メゾンドール早稲田』の北側外観。

『ザ・パークハウス 早稲田』の北側外観。

『ザ・パークハウス 早稲田』の北側外観。

戸山公園の一部のようなシチュエーション

戸山公園(箱根山地区)に隣接する『ザ・パークハウス 早稲田』。『メゾンドール早稲田』と国有地を一体化した建替え事業だからこそ、このシチュエーションが実現した。公園を自分の庭のように感じられるこの距離感は何ものにも代えがたい魅力と言えるだろう。なお、戸山公園一帯は尾張徳川家の下屋敷があった場所で、寛政年間には有数の大名庭園として知られた。

戸山公園のほとりに佇む『ザ・パークハウス 早稲田』。まさに緑に包まれた住まいと言える。

戸山公園のほとりに佇む『ザ・パークハウス 早稲田』。まさに緑に包まれた住まいと言える。

落ち着いた自然の風合い、帰る場所としての静かな住まい。

共用スペースは自然を感じられる佇まいが特徴だ。エントランスホールへと向かうアプローチには、土地の記憶を表現した空間(インナーコート)を設け、居住者がオン・オフを切り替えられる仕掛けに。

格子や石のオブジェを配したインナーコート。和の趣が居住者の気持ちをリラックスさせる。

格子や石のオブジェを配したインナーコート。和の趣が居住者の気持ちをリラックスさせる。

エントランスホールとラウンジは、オフホワイトを基調にした安らぎ空間。木調の壁、書架がぬくもりを感じさせる。このぬくもりあるしつらえは、各住戸へと向かう外廊下でも感じられる。通常は塗装であることが多い廊下壁面をタイル張りに、エレベーター前は土壁風にすることで上質感と自然の風合いを加えた。
髙田曰く「エントランスから住戸まで、上質感と安らぎを感じていただけるような、連続性のあるデザインを採用しました」とのこと。安らぎの住まいを細やかに想定し、設計に活かしている。

窓からの光、オフホワイトと木調の色彩が調和するラウンジ。

窓からの光、オフホワイトと木調の色彩が調和するラウンジ。

晴れて2020年6月に竣工した『ザ・パークハウス 早稲田』だが、『メゾンドール早稲田』の居住者たちにはその姿がどのように映ったのだろうか。引き渡しを担当した伊藤純彦は、その喜びの笑顔に触れたひとり。
「この場所に住み続けたいという想いが、上質な住まいとなって実現したこと、再スタートが切れることに感動されているようでした。そしてその想いは新たに入居する方も同様です」

建替えを決断した居住者と、新たに移り住む居住者がラウンジで挨拶を交わす場景、ルーフガーデンでともに憩う情景。『ザ・パークハウス 早稲田』は、ただ住まいを建替えただけではなく、次の時代のコミュニティを育んでいく場所として再生した。土地の歴史、住まいの記憶を大切にしながら、新しい物語が紡がれていく。

自然を感じさせる落ち着いた空間演出

『ザ・パークハウス 早稲田』の共用スペースは、日本の伝統的な美意識をモチーフに安堵感をもたらすような設計・デザインを採用。陰影を感じられるインナーコートや柔らかな日差しが届くラウンジが、居住者の心をほぐしてくれる。

  • 外廊下壁面も素材感のあるタイル張り。 外廊下壁面も素材感のあるタイル張り。
  • エレベーター前の壁面は土壁をイメージしたしつらえに。 エレベーター前の壁面は土壁をイメージしたしつらえに。
  • 風除室のカウンターを飾るアート作品。穏やかな暮らしのイメージをさりげなく配置している。 風除室のカウンターを飾るアート作品。穏やかな暮らしのイメージをさりげなく配置している。
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  • 外廊下壁面も素材感のあるタイル張り。
  • エレベーター前の壁面は土壁をイメージしたしつらえに。
  • 風除室のカウンターを飾るアート作品。穏やかな暮らしのイメージをさりげなく配置している。
ザ・パークハウス 早稲田(分譲済)

ザ・パークハウス 早稲田(分譲済)

● 所在地/東京都新宿区戸山三丁目43番363ほか2筆(地番)
● 構造・規模/鉄筋コンクリート造・地上10階地下1階建
● 総戸数/115戸(事業協力者住戸33戸含む)
● 竣工/2020年6月
● 売主/三菱地所レジデンス(株)
● 施工/不二建設(株)

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