2015年度グッドデザイン賞受賞築古ビルのバリューアップ転貸事業 [Reビル]
2015年09月29日
新たな風を、築年数の経過した中小ビルに。
三菱地所レジデンスでは、50年にわたり新築物件を供給してきました。その実績とノウハウ、グループリソースを活かして、リノベーション事業に取り組んでいます。その中でも、築年数の経過等により競争力が低下し運営が難しくなっている中小規模のビルを当社が一定期間賃借し、リノベーションや耐震補強を実施し、ビルを再生しているのが「Reビル」。貸借期間の終了後、生まれ変わって安心と価値が加わったビルを、オーナー様は最小限のリスクと投資で取得することが可能になります。子会社である株式会社メックecoライフの協力のもと、ニーズを的確にとらえた物件を供給しています。
有効なストックとして再生し、物件も街も魅力を高める。
古いビルのスクラップ&ビルド(解体後の新築)は、環境負荷が大きいと言われます。「Reビル」なら有効なストックとして、再生することが可能。しかも、資金面などの理由により改修工事が進んでいないビルも、当社の投資によるリノベーション工事や周辺のニーズに合わせたコンバージョン(用途変更)を実施することでバリューアップされます。さらに、築年数が経過したビルの再生は、街づくりも担っていくと考えます。ビルの外観は、街の大切な景観のひとつ。街に集う人に安心や快適を提供して、街の魅力を増していく事業です。
審査員の評価コメント
築古中小ビルの空室率が上昇し、特に耐震性に問題のある築古ビルの経済価値は急速に低下している。
一方ビルオーナーの巨額投資による修復・スクラップ&ビルトは容易に行えないのが実情であった。この課題の解決には、信頼性の高い築古中小ビルの有効活用法が必要であると考え、三菱地所レジデンスが『Reビル』という事業モデルを創出した。
始めに、ビルの耐震補強工事・デザインされた内装工事等リノベーションを行う。当該改修工事の投資費用はオーナー負担ではなく、100%同社が負担する。再生後のビルは、同社にて賃貸管理を行いつつビルオーナーへ空室保証型の賃貸料を支払い、その転貸差益にて投資回収を行う。10年程度経過した後、ビルはバリューアップした状態のままビルオーナーへ返還される。
これにより無人の築古ビルを所有し収入を得られなかったビルオーナーがリスク・不安を抱えることなく、再び賃貸収益を得ることができ、最終的にリノベーションしたビルを手にいれることが可能となる。理想的な当該ビジネスモデルには既に実績があり、スクラップ&ビルドに替わる新たな選択肢の登場は、都市再生に寄与することが期待される。
革新的なビジネスモデルとして高く評価した。