蘆花公園 ザ・レジデンス

2018年度グッドデザイン賞受賞蘆花公園 ザ・レジデンス

[グッドデザイン賞]

「緑の地域資産」をつなぎ、グリーンネットワークを広げていく「ガーデンシティ」を形成する”要の存在”。

「緑の地域資産」をつなぎ、グリーンネットワークを広げていく「ガーデンシティ」を形成する”要の存在”。

このエリア固有の「ガーデンシティ」誕生のための、「地域をつなぐ」デザイン。公共の旧水路を挟んだ二つの敷地を、周辺沿道全域において、公共緑道の整備も含めた一体開発とした。その結果、官有・民有地をつなぐボーダレスな沿道景観をつくりだしている。周辺は公共緑地に加えて、屋敷林や点在する竹林など、民有地の緑も豊富なエリアである。戦後の都市化地域にもかかわらず受け継がれてきたそれらの「緑の地域資産」をつなぎ、グリーンネットワークを広げていく。そうすることで、自らの敷地をこえて、理想的な「ガーデンシティ」を形成する“ 要の存在”となることを目指した計画である。

2列並木の歩道状空地が南北の緑道をつなぎ、緑がまちへと広がる。

2列並木の歩道状空地が南北の緑道をつなぎ、緑がまちへと広がる。

本計画は、地域をつなげることを目的に、特に沿道空間に注力した。条例で求められる歩道状空地の幅員内には並木は植えられなかったが、北側の緑を南側のエリアにつなぐことを目的に行政と協議し、通常の1.5倍の幅員とすることで、2列の並木を通り抜ける緑道のような歩道状空地を実現した。

行政との協議の結果、まちの一画が変化を遂げた。 この計画の手法が周辺の開発姿勢へとつながっていく。

行政との協議の結果、まちの一画が変化を遂げた。 この計画の手法が周辺の開発姿勢へとつながっていく。

南北の敷地間の緑道の通路幅は交通量に比べて狭かった。この緑道に面しては敷地内に元の緑地幅以上の緑地帯や小広場をもうけることで、公共緑道側の舗装範囲をひろげ、快適な歩行環境を生み出した。緑道と敷地境界をまたいで成長していた既存樹木は、管理を行政と分担することで保全に成功した。このように、行政との度菫なる協議の結果、まちの一画が変化を遂げた。こうした事例の積み重ねが、今後の周辺の開発姿勢へとつながっていくだろう。

まちの次代を担う世代が、緑化や生物多様性の取り組みに興味をもち、共に育てていくための計画として。

緑景の庭

緑景の庭
住棟間に設けられた小さなテラス。

水景の庭

水景の庭
カスケードの水音を感じるプライベートガーデン。

陽光の庭

陽光の庭
住戸をつなぐガーデンプロムナードも緑と光で憩いを演出。

風樹の庭

風樹の庭
緑道からつながる地域に開放された広場。

審査員の評価コメント

計画で生まれた緑のほとんどを住民だけでなく、地域の人々が生活の中で自由に味わうことができる計画にしている点がすばらしい。
緑が多い計画は今回でも数多く見られたが、セキュリティ内に緑があっても見るだけのものにしかならないばかりか、ともすると敷地内外で格差をつくりだしてしまう。この計画は緑を程よく周囲に開き、新しい居場所を地域に増やしている。
こうした取り組みは、マンション住人と地域との関係づくりにも役立つだろう。

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