大人も子どもも楽しめる!ホームパーティの秘訣は “参加型”

大人も子どもも楽しめる!ホームパーティの秘訣は “参加型”

[暮らしのアイデア]

2019年04月05日

卒業、卒園、入学など祝いごとが増える春のシーズンは、家族や友人とマンションの共用施設でホームパーティを開くのも楽しいはず。日本ホームパーティー協会の高橋ひでつうさんに、大人も子どもも楽しめるホームパーティのコツや最新のトレンド、より楽しくなる秘訣について、お話をうかがいました。

 

パーティルームはメリットがたくさん

撮影:塙薫子

2012年に創立した一般社団法人日本ホームパーティー協会の代表理事を務め、「ホームパーティー検定」の監修や企業とのコラボなどでホームパーティの楽しさを発信しているひでつうさん。マンションのパーティルームなど共用施設で開くホームパーティには、多くのメリットがあるといいます。

「マンション内を少し移動するだけで出来ますし、料理を楽に運べますよね。誰かの家でパーティをするときのように、『部屋を散らかしたり、汚したりしないように』と気をつかわなくて済むのも、共用施設ならではだと思います」。

マンション内のパーティに参加すると、家族ぐるみのお付き合いも増えそうですね。

「そうですね。同じマンションに住む人たちでコミュケーションを深めていけるのも、とても大きなメリットです。これまで、顔見知りでしかなかった人たちがパーティを通して親しい友人に変わることがあります。また、今は同じマンションに住んでいても、子どもの通う学校が異なる場合が多いです。ホームパーティで一緒に遊んだ子ども同士が仲よしになることもあります。コミュニティを作っていくという面で、ホームパーティを開くのはとてもよいきっかけになるようです」。

 

子どもも大人も楽しめるホームパーティのポイントとは

ホームパーティを開く際は、どんな工夫が必要なのでしょうか。楽しいパーティにするうえで大切なポイントを、ひでつうさんが教えてくれました。

「まずは部屋の飾りつけ。おすすめは、『季節の色』をテーマにすることです。卒業・入学といった春なら桜色など、季節に合ったテーマカラーで部屋を彩るとよいでしょう」。

飾りつけのために、これだけは必ず用意しておいたほうがいいアイテムはありますか。

「それはクロス(布)ですね。テーブルにかけるだけで部屋が華やかになり、食べ物や飲み物をこぼして、テーブルに直接シミなどがついてしまうのを防ぐことができます。他にも、部屋の中で隠しておきたいものにかけておくなど、さまざまな活用ができるアイテムです」。

「春」をテーマカラーに飾りつけし、パーティの雰囲気に季節感をプラス。白いお皿と透明のグラスを活用することでまとまりよく。
ホームパーティー検定認定講師minasdiningtable様ご提供。

せっかくのパーティ、大人も子どもも一緒に楽しみたいものです。飾りつけをみんなで楽しむには、どうすればいいでしょうか。

「たとえば、最初の30分間をあえてワークショップのようにして、動画などを見ながら一緒にデコレーションを作っていくとよいですね」。

最近の飾りつけのトレンドでは、メキシコで子どもの誕生日などに行う、お菓子をいっぱい入れたくす玉を割る「ピニャータ」が人気。お菓子の詰まったくす玉は作るのも楽しく、割っていくのも楽しく、子どもたちに大好評です。

 

ピニャータはくす玉のような型枠の中に、キャンディなどのお菓子を入れ、吊して棒で叩いて割るゲーム。メキシコの祝事によく使われる。
(イメージ写真)Getty Images

テーブルウェアはどういったものがおすすめでしょうか。

「パーティルームなどの共用施設ではあらかじめ食器やカトラリーが備えられている場合もありますが、自分たちで用意するならば、どんな飾りつけをしても邪魔せずに映える白い皿と透明のグラスが無難。あわせて料理を盛る器としては、鍋やフライパンもぜひ使ってみてほしいですね。最近はテーブルにそのまま置いて十分映えるデザイン性の高いものがたくさんあり、メインディッシュをカラフルな鍋に入れるのも素敵です」。

「それから、大人も子どもも楽しめる演出方法のひとつに、ドレスコードを作るというのがあります。ハロウィンならば『大人はオレンジ。子どもは紫』など、季節に合わせたテーマカラーを着てくるといった簡単なものなら、参加者も無理をせず取り入れられるはず。春のシーズンならば、桜にちなんだピンク色のアイテムを必ずひとつ身に着けてくるとよいかもしれません」。

フィンガーフードや料理の小分けで食べやすさと取りやすさを両立。
ホームパーティー検定認定講師kirakira.spoon様提供。

パーティといえば料理が楽しみですが、大人も子どもも楽しむため、気をつけたほうがいいことはありますか。

「基本的には指でつまんで食べられる『フィンガーフード』にすること。小さくすることでお子さんも食べやすくなります。メインディッシュのお肉などは大皿でドカンと大きく盛りつけて、みんなの前で切り分けたりすると盛り上がるでしょう」。

<おすすめフィンガーフード・パーティーにぴったりのミニバーガーバンズ>


チーズ、トマト、ハンバーグなど、定番の具材はもちろん、ポテトサラダやスパゲティなど、意外な具材を用意し、子どもたちに思い思いに小さな具をあふれるようにもると美味しそう&盛り上がること間違いなし。ソースなどは小さな瓶に詰め替えて持ち運ぶと楽。おしゃれなピックや、ワックスペーパーで雰囲気UPに。

①材料(強力粉180g、薄力粉70g、砂糖小さじ1、インスタントドライイースト小さじ3/4 、塩小さじ3/4、オリーブオイル大さじ1、ぬるま湯155g)をホームベーカリーもしくは手でこねて、耳たぶくらいの柔らかさになったら、丸めてボウルに入れてラップをする。
②温かいところに置いて、ひとまわり大きくなったら、全体を手のひらで押さえてガス抜きをし、16等分する。
③丸めなおして濡れ布巾をして10分待つ。
④もう一度丸めなおして、油を塗った6センチのマフィン型(6センチのマフィン型がない場合、紙のベーキングカップでも可)に入れてふっくらと高さが出るまで温かいところに置く。
⑤200度のオーブンで12分ほど焼く。
⑥カットしてお好みの具を挟み、爪楊枝にマスキングテープを巻いたフラッグを作ってさしてできあがり。

写真、レシピともにホームパーティー検定認定講師hamakumabread様ご提供。

「また、他の料理については小さい器に小分けにして並べたほうがテーブルでかわいらしく映えます。特にお米やパスタなどの炭水化物は、大皿に盛ると取り分けるうちに盛りつけが崩れてしまうので、小分けにするのがベターです」。

<前日から準備OK・シーフードの宝石ジュレ仕立て> 

子どもが好きなエビなどの具材をサラダと合わせて、小さくカットして食べやすく。前日から作り冷やしておくことで、味なじみがよくなり、当日は準備で慌てる必要がありません。テーブルに並べたときの見栄え、一人ひとりの食べやすさ、食べ終わったら容器ごと捨ててしまえる手軽さは、100円ショップで売っているようなプラスチック素材の容器を小分けに活用することで実現できます。

①オリーブオイルとにんにくをフライパンに入れ、香りが出たら、塩を少々振りかけたシーフードをさっと炒める。
②①に白ワインを入れ、アルコールを飛ばしたら火を止める。
③野菜を3mm角にカットし、オリーブオイルと塩で合える。
④コンソメまたはブイヨンを熱湯に溶かし、ゼラチンを入れてジュレを作る。
⑤④を冷蔵庫に入れ、固まったらフォークで崩す。
⑥お皿にシーフード、野菜を盛り付け、レモンとジュレをかける。
⑦ハーブを添えて完成。

写真、レシピともにホームパーティー検定認定講師naoko_hashimoto様ご提供。

最近のホームパーティでは、SNSにアップするために飾りつけや料理の撮影をしたい人も多く、それだけに撮影会のようになってしまうこともありますよね。せっかく多くの人を交流できるチャンスなのに、もったいないと思いますが……。

「撮影専用のブースを決めておくという方法があります。料理をきれいに並べた小さいテーブルを一つ別に作ってそこで撮影できるようにしておけば、好きなときに写真を撮れますし、なおかつパーティの交流がおろそかにならずに済むはずです」。

残ったお菓子や料理はラッピングしてお土産。一言メッセージカードを添えるのもおすすめ。
ホームパーティー検定認定講師 okachimai様提供。

「盛り上がるパーティは、おしゃべりに忙しくて食事を思ったほど食べない場合が多いんです。そこで僕がおすすめしているのが、残ったお菓子や料理を持ち帰ってもらうこと。ケーキボックスやパックに小分けしたお土産ボックスを作って、『今日はありがとう』など、ちょっとしたメッセージを添えて帰り際に渡せば、きっとみな喜んでくれるはずです」。

 

ホームパーティは参加型で相互におもてなしを 

撮影:塙薫子

ホームパーティは、会場の準備や料理作りなどが大変なのでは……と思ってしまいがちですが、ひでつうさんいわく、準備からみんなで一緒にやる“参加型”スタイルがトレンドなのだとか。主催者が料理も飾りつけもすべて行うなど頑張りすぎる必要はないと言います。

「ホストがすべて準備するパーティは、参加する側としては意外と楽しくないときがあります。パーティはみんなで作るもので、一方的にもてなすのではなく、みんなが相互におもてなしする気持ちでいると楽しい時間を過ごせます。お子さんたちも『パーティをやるから準備しよう』と言えば喜んで手伝ってくれるはずですし、参加者全員で一緒に作っていくほうが楽しいと思います」。

料理も「7割くらい準備しておいて、最後の3割は一緒に作る」のがいいとひでつうさん。たとえば、パンと切った材料を用意してサンドイッチを作ったり、酢飯を作っておいて手巻き寿司をみんなで巻いたりと、みんなで作る参加型が絶対に盛り上がるのだそうです。

ホームパーティでは、話す人が見つからずに手持無沙汰になってしまう人が出ないようにというところも気をつけたいところ。参加型のホームパーティでは、料理を盛りつけたり、ジュースを注いだりと、何かしら役割を持っていると、孤独感を感じる人が少なくなり、料理や飲み物の提供をきっかけに会話が始まります。

全員で参加して一緒にパーティを作り上げていくことが、楽しいパーティの何よりの秘訣だといえそうです。

<プロフィール>
高橋ひでつう
一般社団法人日本ホームパーティー協会会長、ホームパーティー研究家。ホームパーティー検定®︎の監修や各種ホームパーティー関連商品の開発やマーケティングを通し「ホームパーティーが生む楽しいコミュニケーション」を研究しメディア出演多数。「ホームパーティーをアウトドアへ」と、最近はピクニック研究家の活動も。
一般社団法人日本ホームパーティー協会

(テキスト)田下愛
(TOP画像)Getty Images

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