将来を見据えた暮らしやすい住まいの整え方~美しく快適に暮らす家具選びは住む人に合わせたカスタマイズがおすすめ~

将来を見据えた暮らしやすい住まいの整え方~美しく快適に暮らす家具選びは住む人に合わせたカスタマイズがおすすめ~

[暮らしのアイデア]

2020年01月31日

将来の暮らしや住まいについて考えることが多くなる40・50代。この先、ずっと暮らしやすい住まいにとって、家具選びがポイントになります。理想は、機能性とインテリア性を兼ね備えた家具。しかし、あらためて家具を買い替えるのは大変です。そこで、今あるお気に入りの家具に手を加えてカスタマイズしたり、ライフスタイルに合わせた家具をオーダーすることで、生活の快適性と満足感を高めてみてはいかがでしょうか。

今回は、暮らしに寄り添い、自分らしさを演出する家具やお気に入りの家具について、一級建築士・水越美枝子さんにうかがいました。

 

ソファをなくし広い空間をつくる

40・50代は、子どもが家を離れたり、近い将来、仕事をリタイヤして夫婦が家で過ごす時間について考え始める人も増えてくる時期なのではないでしょうか。そうなると、これまで家族が集まるにぎやかな場所だったリビング・ダイニングは、夫婦2人が長い時間を過ごす場所になり、今までの使い方とは異なる新しい空間のあり方を見直す必要が出てきます。

広めのテーブルなら、食事もゆったりでき、同じ空間でもお互いに思い思いに過ごすことができる。

「リビングというパブリックスペースで、夫婦がともにいても気にならないためには、ある程度の空間の広さが必要です。例えば大きなテーブルで、はす向かいに座り、思い思いのことをする。お互いの気配を感じながら、それぞれのやりたいことを尊重できるゆとりが理想なのではないでしょうか」。

夫婦が「つかず離れずの関係」を実現するために水越さんが提案しているのが、リビングに置いてある大きなソファを取り除き、広くなった空間に大きめのダイニングテーブルを配置するというものです。

「ソファは体が沈み、立ち上がる時に足腰など体に負担がかかることがあります。また、お客様と一緒にTVを見るというシチュエーションはあまり多くはないでしょう。ソファの代わりにパーソナルチェアを2つ置くという提案をすることもあります。オットマンも合わせて置くと、足をのせてくつろげるなど、ソファよりも快適だったりします」。

ソファを取り除くことでスペースが広がり、つまずいて転ぶ、ぶつかるなどの危険が少なくなります。

大きなダイニングテーブルは子どもたちが家族を連れて来た時に一緒にご飯を食べるというシーンにも使える。

 

家具選びが快適な暮らしの鍵になる理由

好きなデザインの家具があれば、気分が上がることは間違いありません。しかし、家具選びで大事なのは、デザインだけではないのです。とくに、家でゆっくり快適な時間を過ごしたいとき、テーブルや椅子のサイズは重要。ゆとりのある大きさと合わせて考えたいのが、テーブルと椅子の高さです。ダイニングテーブルでさまざまな作業をする方は多いのではないでしょうか。ダイニングで過ごす時間が長くなるほど、自分の体に合うサイズにすることが大事です。

「体にフィットする椅子は背板が体にそっているので、長時間座っても疲れません。椅子に座った時に足が床につく高さが良いと言われるのは、足が床につかずブラブラすると、太腿が圧迫され血流が悪くなる原因になることがあるからです。毎日座るものですし、家族それぞれ違う高さの椅子になっても良いと思います」。

日本人の体格に合う平均的な座面の高さは40〜45cm。小柄な人や年配の方はさらに3〜5cm低くすると疲れにくくなります。テーブルと椅子の座面の高さの差(差尺)は30cmくらいが理想。椅子の高さが決まったら、テーブルの高さも合わせます。

ダイニングテーブルは広いほうが使いやすい。椅子の背は、体の丸みに沿った形のものを選ぶのがおすすめ。

「欧米スタイルの食事は少しかがみ込む感じですが、和食は基本的には姿勢を良くして食べます。食生活の違いによっても、それぞれ適した差尺があります。インテリアショップや家具メーカーでは、椅子を低くするために脚を無料でカットしてくれたり、座面の貼り直しなどをしてくれるところもあります。身長に合う高さをアドバイスしてもらえれば、より体に合った家具を見つけやすくなります」。

既成品の椅子がなんとなく体に合わない、心地良くないと感じながら生活するのではなく、使う人に合わせ椅子の高さを調整したいですね。体のためにも椅子選びは大事と言われていますが、自分の体に椅子を合わせるという視点も持ちたいもの。毎日使う物だからこそ、こだわりを追求することで生まれる快適性が大きくなります。

 

ちょっとしたカスタマイズで収納改善が向上

椅子やテーブルの高さを合わせるように、チェストやたんすも使い勝手が良いようにオーダーすることができます。オーダーと聞くと高価とか、大変そうと思ってしまいがちですが、椅子の脚をカットするのと同じ感覚で、オーダーにも対応してくれる家具屋に相談すれば、簡単に使い勝手をプラスできるそう。

「お気に入りのキャビネットやチェスト、テーブルを、使いやすいように手を加えられる事をご存知ない方が意外と多いです。手持ちの家具を購入したメーカーやデパートなどの家具売り場、ショールームなどに問い合わせるのが良いと思います。愛着がある家具に使い勝手の良さをプラスして、なおかつ、お気に入りのデザインであれば、そこに視線がいくように配置すれば一石二鳥。インテリアと収納の改善を兼ね備えることができますよ」。

水越さんのご自宅にある、もともとご両親が所有していたキャビネット。棚は、CDを収納しやすい高さにしたほか、取手の部分を新しく付け替えた。愛着のある家具を日々の生活で楽しむことができ、アンティークな雰囲気が部屋のインテリアのアクセントにもなっている。

自分が納得する家具が見つからなければ、棚をつけるなど、使いやすいようにカスタマイズすることで機能性を高めることができます。昔から使っている家具も、棚の数を増やすことで、使い勝手が良くなり、より長い間使い続けることができます。水越さんが教えてくれたのは、自分らしさを大切に住む人が主役となる家具選び。人生をともに歩むパートナーのように、暮らしを快適に豊かにしてくれる家具を置きたいですね。

マンションに住んでいたときに収納に困って、オーダーしたテーブル。テーブルの下などに収納を設けてあるので、雑誌や子どもの宿題をサッとしまうことができる。横には引き出しがあり、リモコンなどを収納している。

水越美枝子さんプロフィール
一級建築士。キッチンスペシャリスト。日本女子大学住居学科卒業後、 清水建設(株)に入社。 商業施設、マンション等の設計業務に携わる。現在は主に住宅設計の分野で、建築デザインから インテリアコーディネイトまで、トータルで住まい作りを提案。日本女子大学非常勤講師、NHK文化センター講師。 『人生が変わるリフォームの教科書』(講談社)、『いつまでも美しく暮らす収納のルール』、『美しく暮らす住まいの条件』(エクスナレッジ)、『40代からの住まいリセット術―人生が変わる家、3つの法則』(日本放送出版協会)など著書多数。

(画像提供)アトリエサラ 撮影/永野佳世
(テキスト)小林純子
(テーブル・キャビネット・プロフィール画像)塙薫子

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