目覚めの良い部屋〜最高な目覚めを創り出す寝室の整え方

目覚めの良い部屋〜最高な目覚めを創り出す寝室の整え方

[暮らしのアイデア]

大リーガーの大谷翔平選手は、1日12時間も睡眠をとると言われています。
睡眠力なる言葉も生まれていますが、彼にとって100%のパフォーマンスを出すために、それだけの睡眠時間が必要だとインタビューで答えています。そこまでの時間は取れなくても、睡眠不足がどれだけ身体に負担が掛かっているか、誰しも知っていることでしょう。
では身体や脳を休め、最高の目覚めを創り出す寝室空間とは、どのような部屋なのでしょうか。
睡眠コンサルタント 友野なおさんに教えて頂きました。

 

良い睡眠のリズム。体温とホルモン分泌の変化が鍵

「住宅メーカーやホテルなど、「眠れる部屋」の開発が盛んとなり、この10年間で睡眠への注目度はアップしています。睡眠時間や寝具、快眠グッズなどはかなり充実しており、今は寝室という空間自体を整える方へ目が向けられています。」

そもそも睡眠のメカニズムとは、どのようなものなのでしょう。簡単にご説明頂きました。

「睡眠は、体温とホルモンのリズムによって起こります。人は眠りに入るときに、まず身体(内臓)の温度が下がることで、睡眠を促すホルモンであるメラトニンが分泌されて眠くなります。その後徐々に分泌が下がって、明け方に体温が高まり、脳を覚醒させてくれるコルチゾールが分泌され、起床の準備を始めます。
この時に十分な睡眠時間が取れていなかったり、自律神経のバランスが乱れていたり、寝室が暑すぎたり寒すぎるたりすると、綺麗なリズムが作れず朝になっても体温が上がり切らないためにスッキリ起きれない、という現象が起こります。快適な目覚めのためには、心を落ち着かせ快適な温度を保てる寝室空間が大切だということです。」

睡眠コンサルタント 友野なおさん

睡眠コンサルタント 友野なおさん

 

室温が安定した静かな空間。ベッドの位置も重要ポイント

寝室の広さや間取りなど、具体的にどのような寝室が理想なのでしょうか。
「広さなどはあまり関係ありませんが、道路沿いの部屋など、騒音が多い場所は寝室には向きません。
大きな窓がついている方が良いのですが、音の問題とともに、寒暖差の関係から、できれば温度調整がしやすい二重窓がある部屋が理想です。
部屋の温度は主に外気温が影響します。壁に日中の熱が壁に堆積される、窓から冷気が入ってくるなど、外気温に影響されやすい環境にあると寝室の温度も一定に保つことが難しくなります。そのため外気温の影響が少ない室内空間にすることが重要です。
マンションは初めから間取りが決まっているものが多いと思いますが、その場合カーテンで調整することも可能です。
夏は簾、冬は床まで長い厚めのカーテンにするなど、服だけでなくカーテンも“衣替え”することを推奨しています。」

またベッドなどの位置も重要だといいます。

「部屋を広く使おうとベッドや家具を部屋の隅に寄せがちなのですが、ベッドに関しては真ん中に置くのがベストです。先ほどの温度や音の関係から、なるべく壁や窓から離した方が良いのです。真ん中は難しいということでしたら、壁から10cm〜15cm離すのが良いでしょう。ベッドの周りを歩けるくらいのスペースが欲しいところです。」

ベッドの両サイドは人が歩けるくらい空いており、且つ窓からも一定距離離れている理想的なベッドルーム(イメージ)

ベッドの両サイドは人が歩けるくらい空いており、且つ窓からも一定距離離れている理想的なベッドルーム(イメージ)

 

眠れるカラーは青。真っ白な部屋は疲れが取れにくいので要注意

目覚めの良さや睡眠の質に、室内の色は関係してくるのでしょうか。

「イギリスのホテルが壁の色について、どの色が一番眠ることができるかという調査をしております。結果として、ブルーの部屋が一番眠りが深く落ち着く部屋ということがわかっています。逆に紫の部屋が一番眠れず、その差は1時間以上にもなったそうです。柔らかいピンクやベージュ、グリーンなどもお勧めの色です。壁紙はもちろん、面積の大きなカーテンやベッドカバーなどは、快眠を意識した色でまとめた方が良いでしょう。
ご自分の好きなカラーで室内を整えたいと思われる方は、クッションなど小物でアクセントにすることをお勧めします。」

グリーンの壁紙とナチュラルテイストの素材や観葉植物など、快眠を意識した色合いでまとめられたベッドルーム(イメージ)

グリーンの壁紙とナチュラルテイストの素材や観葉植物など、快眠を意識した色合いでまとめられたベッドルーム(イメージ)

「また、日本の住戸の場合、ホワイト系の壁紙が多いと思いますが、真っ白なのは逆に疲れが取れにくい部屋になってしまいます。間接照明でオレンジ色などの温かみのある空間にすると良いでしょう。」

 

できる限り真っ暗な寝室がベストだけれど…

本来、入眠時は真っ暗な方が眠りに入りやすいとのこと。
照明のトーンを落とすなど、もう一工夫あれば最良だといいます。
「どうしても真っ暗なところでは眠れないという方は、ベッドの下から灯るような、足元だけの照明にしてみるのも良いでしょう。また夜中にトイレに起きるなど、小さな電気を付けておきたいという方には、人感センサー式の照明がお勧めです。取り付ける位置もそうですが、防災の観点から、照明器具はシリコン製のカバーなど落ちても割れないものがお勧めです。」

 

すっきりした目覚めのために、太陽を味方につけよう

私たちの生活の中のいろんな場面で感じる太陽の恵み。もちろん朝目覚めるのも太陽の光があってこそ。
それならば、太陽の光を部屋の中でコントロールする工夫も取り入れてみましょう。

「朝の目覚めを良くするために、太陽光はとても重要です。寝るときはなるべく真っ暗にして、朝は太陽の光を徐々に浴びて起きるというのが理想ですが、遮光カーテンは部屋が真っ暗になりすぎて、朝になったのがわからなくなることもあります。そのため昼夜逆転の暮らしをされている方以外はあまりお勧め致しません。
外国のようにカーテンを閉めず暮らす方は多くないと思いますが、朝の光がわかるようカーテンを10cm程度空けて寝たり、時間になると自動でカーテンが開くスマート家電を取り付けるなど、太陽の光を最大限活用するのが良いでしょう。」

朝の光を浴びることは人間にとってとても重要。カーテンの素材や使い方で、目覚めに違いが出てきます(イメージ)

朝の光を浴びることは人間にとってとても重要。カーテンの素材や使い方で、目覚めに違いが出てきます(イメージ)

天候に関係なく、朝カーテンと窓を開けて、15秒、空を見上げるだけで、人はスッキリと目覚めることができるそう。メンタルにも良さそうなので、ぜひ実践してみたいところです。

 

睡眠の質を上げる部屋づくり。快適な目覚めは素敵な1日の始まり

友野さんは、睡眠の質を上げることは、未来の健康を左右するほど重要なことだといいます。

「家において多くの時間、人が過ごす場所といえばリビングルームと寝室ではないでしょうか。日中仕事などで家にいない人に限ると、寝室にいる時間の方が多い方もいらっしゃると思います。睡眠の大切さは皆さんご存知の通り。小さな子どもですら睡眠障害になっている例も少なくありません。快眠は、寝入りばなの3時間にどれだけ深い眠りが取れるかがポイント。快適な目覚めに導くために、睡眠の量より質をあげる室内空間を造ることで、身体が健やかになっていきます。リビングルームと同じくらい、目を向けて欲しい空間だと思います。」

ご自身の経験を踏まえて、睡眠の大切さを実感しているという友野さん。
快眠グッズは多種多彩ありますが、まずは自分の部屋を見つめ直してみてはいかがでしょう。
明日はきっと、最高の朝を迎えることができそうです。

(テキスト)山田江理子
(インタビュー写真)清水タケシ

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