ザ・パークハウス ストーリー新宿御苑に寄り添い、新たな街の景観を創造する一邸
2018年09月19日
つねに変わり続ける東京の街。幾多の再開発が断続的に行われている都心をみると、10年後、20年後と街の風景がどのように変っていくのか、想像するのも難しいほど、街の変化には著しいものがあります。その中にあって、場所も風景も変わらず、東京という街を形成している要素ともなっているのは、都内に点在する大型公園かもしれません。約58万m2という広大な緑を借景とする地に誕生した「ザ・パークハウス 新宿御苑」をご紹介します。
都市における自然と街をつなぐ、新たな住宅の在り方として
丸ノ内線新宿御苑前駅へ徒歩1分。JR新宿駅へ徒歩11分。日本を代表する大型百貨店を日常使いでき、まさに都心ライフを満喫する場所。煌びやかな毎日を想像してしまうことでしょう。もちろんそれは、新宿アドレスというこのマンションがもつ一方の側面ですが、もう一方は広大な新宿御苑という国民公園が目の前に広がる「都市と自然の境界に立地する」ということ。これが「ザ・パークハウス 新宿御苑」の大きな特長でもあります。新宿駅周辺の高層ビル群とは違い、現地周辺は高度成長期時代に建てられたビルも多く、今後住宅・商業ビル・オフィスビルなどに建て替えられていくことが予想されます。「ザ・パークハウス 新宿御苑」はその先駆として、自然に寄り添い、街並みに調和した「建築と景観」の在り方を念頭に「意匠性」「関係性」「居住性」の3点から計画が進められました。
「意匠性」…街の価値と呼応するデザインとマテリアル
新宿御苑に面し、角地に建つ「ザ・パークハウス 新宿御苑」は、都会的でスタイリッシュな外観です。壁面は、ファサード全面に新宿御苑の緑と空が映し出されるよう、ガラスで覆いました。そこに縦と横のアルミのフィンが重なり合う格子のデザインとし、洗練された日本の美を象徴的に表現しています。
そして、街並みの起点となる角地ということ、大型ガラスで構成されたデザインであることから、人が暮らした後でも外から見た美しさが継承できるよう、窓際にダウンライトとバーチカルブラインドを実装しました。窓際の照明やブラインドを同一にすることで、開口部から漏れる住戸ごとの明かりや景色が、美しい統一感とともに街並みを形成することができます。
また、ガラス・アルミ(フィン)といった空や緑を映し出す外壁素材を採用したり、ファサードを文節することで、14階建ての建物からくる圧迫感を軽減させる工夫もしています。
「関係性」…緑を取り込むランドプランと共用スペース
新しく街並みを形成するという考えから、新宿御苑の緑を眺めるだけでなく、取り込む空間・景観設計も施しています。
エントランス外周には、相木石の石積みとヤマボウシやアオダモなどの淡彩の植樹を、周囲の緑にとけ込むように配置。アプローチ両側には、風合い豊かな無垢石の景石を置きました。これにより、新宿御苑の緑から街路樹、敷地内の植栽帯という流れができ、緑の連続性が生まれます。
新宿御苑に向けて大きく開かれたエントランスホールは、天井まで届く大きな窓を採用し、溢れんばかりの緑と陽光を室内に取り込めるようにしています。ホールの天井には照明などを設けず外からの光と緑が天井や床、壁に映し出され、屋外と一体感のある空間となっています。
「居住性」…新宿御苑をダイレクトに感じる居住空間の工夫
あたかも新宿御苑に住まうような住宅を創造する上で、御苑の緑をダイレクトに感じられる室内空間を創出しました。
公園側にはバルコニーを置かず、天井から足元に伸びる大きな窓によるガラスウォールにしたのもそのひとつ。張り出したバルコニーは一見、新宿御苑の眺望を愉しむことができるように思いますが、室内から見るとバルコニーの壁と奥行きが眺望を遮ってしまいます。さらに、順梁アウトフレームを採用したことで、足元からガラス面となり、開放的かつ眺望がダイレクトに室内に取り込める空間を実現しました。
また、最上階には居住者専用となる屋上テラスを設置。ガラス手すりを用いているので、目の前に広がる緑と近代的なビル群が織りなす、東京の眺望が堪能できます。デッキ貼りで、テーブルや椅子が置かれた屋上テラスは、毎年行われる神宮外苑花火大会の特等席となることは、言うまでもないでしょう。
新宿御苑に寄り添う住居としての居心地の良さは、プランニングにも反映されています。プライベートに配慮した厳重なセキュリティはもちろん、玄関から室内が見えない間取りの工夫、そしてキッチンなど水回りに天然素材や先進設備を採用。LDに天井カセット型エアコン(C・Dタイプは洋室(1)にも標準装備)も全邸に入れるなど、タイプを問わず上質な居住空間に仕上げています。
都心・駅近・大型公園前という恵まれた立地に、集合住宅を建設するにとどまらず、「都市と自然の境界」にあるべき“街並み”を創り出すことを目指した「ザ・パークハウス 新宿御苑」。国民公園といういつの時でも変わらぬ自然と、新宿という変化が続く街をつなげることで、普遍的な美しさを創り出す一邸となりました。
その他の写真
企画担当からのメッセージ
「ザ・パークハウス 新宿御苑」を手がけるにあたり、三菱地所レジデンスとして、今までにない様々な取り組みを行うことができました。そのひとつが窓によるガラスウォールの採用です。一見して住宅だとは気付かない、都心に馴染むオフィスビルのような外観にしました。当社としては住宅において、断熱性能などの観点から外壁にガラスを多用することはあまりなかったのですが、断熱効果の高い新しいガラス素材を使用することで問題を解決し、また室内部分もガラス下部に立ち上がりを設けて安全に配慮するなど、居住性の高さにも気を配りました。これからのマンションにおいて、新たな指針となる物件になったと思います。