庭園のほとりに建つ自然との共生邸宅。【ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣】

プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣」庭園のほとりに建つ自然との共生邸宅。

[ザ・パークハウス ストーリー]

総延長、約1.9kmの横十間川親水公園は、水と緑にあふれる江東区民の憩いの場。その帯状につながる緑の一角に、新たな「ザ・パークハウス」が誕生した。周囲の自然と調和するように、風景に新たな造形美を加えるように。
間近に四季を感じる、全117邸の暮らしが、いま始まる。

photos by Teruhisa Kobayashi
text by Norihiko Morita

都心から東京メトロ東西線で東に向かうと、ほどなくして門前仲町、木場、東陽町と駅が続く。この界隈は徳川家により開削された運河が縦横に流れる、江戸情緒の残る街として知られる。横十間川、大横川、小名木川と、江戸の中心地に物資を運んだ水路は、現在も水の都を彷彿とさせ、その一部は親水公園に姿を変えて多くの人に憩いの場を提供している。かつて貯木場であった木場公園を中心とした、緑と水の豊かなエリアと言えるだろう。
『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』は、そんな運河の記憶を残す親水公園のほとりに建つ。公園の緑と交わるように、歴史ある土地の新たな風景となるように。

緑と調和し、引き立て合う建築

緑と調和し、引き立て合う建築

横十間川親水公園のL字に曲がる角地に立地する『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』は、周囲の自然との調和を追求したデザインを採用。
どっしりと大地に根を下ろす基壇部の上に伸びるマリオンを「幹」に見立て、木目を意識した縦格子の手摺りは「枝葉」を表現している。
建築としての重厚感と住まいとしての安らぎをあわせ持つ外観の美しさを求めた。

親水公園に合わせた植栽計画。公園と敷地をひとつの緑景に。

かつて木材を運搬する水路として利用された横十間川へのオマージュとして、風除室にはレッドシダーのデザインウォールをあしらっている。

かつて木材を運搬する水路として利用された横十間川へのオマージュとして、風除室にはレッドシダーのデザインウォールをあしらっている。

東陽町駅から徒歩8分ほど。東西に走る永代通りから北に折れ、街路樹の続く一本道を進んでいくと、正面に現れるのが『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』だ。
角地に建設されており、目の前は庭園と池の広がる豊かな自然環境。緑に癒やされる住まい、それが第一印象だ。
「ずいぶんと贅沢な敷地計画」と思いがちだが、実はこの広々とした庭園エリアは物件の敷地ではなく、元々ある「横十間川親水公園」。親水公園に面した立地環境を最大限に生かし、公園の緑と一体化するようなプランを立てたのだ。
「公園と調和するようなデザイン、外壁素材を採用すると同時に、敷地内の植栽も公園と連続するイメージにしました。『境界』を視覚的に曖昧にすることで、公園と一体となった新しい景観を創出しています」

『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』の建設とともに整備した、隣接する横十間側親水公園の植栽。

『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』の建設とともに整備した、隣接する横十間側親水公園の植栽。

三菱地所レジデンスの堀込沙也加は、設計から竣工まで開発に携わった中心人物のひとり。「木の幹」をイメージした垂直ラインのマリオンや木目調の縦格子手摺りなどを採用し、公園との調和を図った。とくに外壁タイルは葉の緑と色調を合わせるために「何度も試作を重ね、最適な色を追求しました」と言うほどこだわった自信作。基壇部のダークブラウンのタイル、上層部のベージュ系タイルなど、複数のタイルを組み合わせることで、外観に深みを与えている。空を映し込む大開口のガラス窓やバルコニーのガラス手摺りを含め、有機的に公園の樹木と融合するイメージを持たせた。重厚な建築物としての佇まいと、自然とともに暮らす安らぎを、外観デザインに込めている。
「実は境界と接する親水公園側の植栽も三菱地所レジデンスが整備しました。公園の護岸再整備に合わせて行政と協議し、高木を再生。その公園側の樹種と物件敷地内の樹種との調和を考えた植栽を計画しています」

そう話すのは、開発のリーダーを務めた吉田智博。なんと、物件の外観、デザインや敷地内の植栽を公園に合わせるだけではなく、公園の境界に接するエリアまでを三菱地所レジデンスが主体となり整備したと言う。

確かに、冒頭で述べたように、訪れたときは物件と公園が同じ敷地内にあるかのような印象を受けた。その理由は物件敷地内の植栽と公園側の植栽の調和を考え、ひとつの緑地帯として整備したからだったのだ。
「これまであまり前例のない試みだったので、行政との協議、折衝は大変でしたが、公園の再整備なくして緑地空間の一体化は望めなかったかもしれません」
親水公園と物件の双方の価値を高める、10年後、20年後にも誇れるような、美しいランドスケープをつくり出す。それが、吉田たちが求めた住まいのかたちだった。

自然のつながりを屋上緑化で表現。借景を楽しむ、日々の暮らし。

横十間川親水公園との調和、共生がコンセプトである『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』だが、外観や植栽以外、住まいそのものはどのように"自然との共生"を表しているのだろうか。
まず注目したいのは、横十間川の流れをモチーフとしたいくつもの屋上緑化(スカイグリーン)だ。空から眺めると一枚の絵になるように配され、親水公園との緑のつながりもイメージしている。

公園と連続する植栽計画と屋上緑化

ひな壇状の北面を利用した屋上緑化。高層階の窓外にも豊かな緑景を設けている。奥に見える地上の緑が横十間川親水公園。

ひな壇状の北面を利用した屋上緑化。高層階の窓外にも豊かな緑景を設けている。奥に見える地上の緑が横十間川親水公園。

公園の南入口広場に面する南面、花菖蒲園が広がる南東角、深い緑や水景を望む東面との連なりを意識し、横十間川親水公園と一体となるような植栽を計画。
住まいの陽当たりやプライバシーに配慮するとともに公園の樹木との調和を図っている。
また、屋上には横十間川の流れをモチーフとした流麗な模様を描く植栽を配置している。空から眺めなければ気付かない、隠された"名画"ももてなしのひとつとして計画した。

絵画としての庭園

屋上は多彩な花々やカラーリーフを丁寧に植え込み、自然の風景とつながる一枚の絵画として趣向を凝らした庭園空間。コニファーやラベンダー、ヒラドツツジなど、たくさんの自然の色彩で構成されている。

絵画としての庭園
南東角SLタイプのモデルルームから横十間川親水公園を見下ろす。

南東角SLタイプのモデルルームから横十間川親水公園を見下ろす。

「北面、西面にルーフバルコニーを設けた住戸では屋上緑化を目の前に楽しめる戸建感覚のプランもあります。南面、東面の高層階住戸からは親水公園を見下ろす風景、低層階なら、親水公園の緑を借景のように楽しめます。いつも自然を感じられるライフスタイルを提案しています」

堀込の言う「自然を感じるライフスタイル」こそ、この住まいの魅力のひとつだ。借景として、日々四季を感じる暮らしーー。
それは、東向き住戸の「コンサバトリー」と名付けた、リビング・ダイニングと一体でありながらサンルームのように陽光や眺望を楽しめる空間に顕著に現れている。コンサバトリーでは、バルコニー手摺りが窓外にないため、視界を遮ることなく親水公園の景観を眺められるのが特徴だ。コンサバトリーのある東向き住戸以外も、全117戸のうち、98戸がガーデンビュー住戸となっており、より多くの居住者が緑景を楽しめる設計となっている。
公園のなかに暮らすかのような心地よさが、ここに住まう喜びであると言っても、過言ではないだろう。

いつも緑のそばで暮らす贅沢

住まいに居ながらに自然の豊かさや美しさを感じられるよう、横十間川親水公園に2面で隣接するメリットを最大限に生かし、全住戸中83%にあたる98戸をガーデンビュー住戸に。また一部の住戸ではリビング・ダイニングと一体でありながら洋館のサンルームのように陽光や眺望を楽しめる「コンサバトリー」を採用。ガーデニングコーナーやキッズコーナーとしても活用できる自由な空間を用意している。

2面から明るい光が射し込むリビング・ダイニング・キッチン(SLタイプ)。

2面から明るい光が射し込むリビング・ダイニング・キッチン(SLタイプ)。

「コンサバトリー」を採用したモデルルームEDタイプ。

「コンサバトリー」を採用したモデルルームEDタイプ。

優雅さを求めた、もてなしの場所。自然素材とアートが彩る迎賓空間。

共用部へと足を踏み入れると、自然素材を多用した上質な空間が一際目を引く。風除室ではレッドシダーのデザインウォールが、訪れる人に温もりを感じさせる。横十間川を通じて貯木場へ多くの木材が運搬されていた過去へのオマージュにも感じられる。その風除室を抜ければ広々としたエントランスホールだ。床や壁に用いた濃淡の異なる花崗岩が優雅さと重厚感を醸し出している。大開口の窓の外は植栽を立ち上げ、壁面緑化としたラウンジガーデン。外周の植栽と一体化するように、四季の彩りを楽しませてくれる。

エントランスから2段下がったテラスラウンジ、そしてその先のテラスを眺める。

エントランスから2段下がったテラスラウンジ、そしてその先のテラスを眺める。

エントランスホールからフロアを下げたテラスラウンジ

そのラウンジガーデンを愛でるためのスペースが、エントランスホールからフロアを下げたテラスラウンジだ。
エントランスホール奥のデンラウンジとともに、調度はカッシーナ・イクスシーがセレクトしたフィリップ・ユーレルの手によるもの。シンプルでオーセンティックな美しさが、さらに落ち着きのある空間へと高めている。
また、東壁面のギャラリーを飾るのは、ふたつのラウンジアート。不要な彩色を排したシルバーのキャンバスが、凜とした空気を生み出しているように感じられる。

デンラウンジおよびテラスラウンジの調度は、クラシックかつシンプルなライン、フォルムを生かしたデザイン。

デンラウンジおよびテラスラウンジの調度は、クラシックかつシンプルなライン、フォルムを生かしたデザイン。

堀込は、このエントランスホールに立つと、身が引き締まる思いがするそうだ。新卒入社で携わり、竣工を迎えた今春までの3年間を回想し、「この物件が私を育ててくれたのかもしれませんね」と懐かしむ。

環境と調和する住まい。木々の緑を感じる暮らし。自然と共生するマンションの在り方を考えぬいた『ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣』は、堀込たちが目指した新たなマンション像の新機軸として、運河の流れる水彩都市の一角に誕生した。

もてなしのシーンを彩る迎賓空間

エントランスホールは開口部を公園向きに設け、屋内からも外周の緑を楽しめる。さらに、さまざまな花やカラーリーフで流麗な模様を描いたラウンジガーデンが癒やしを与えてくれる。書棚を設けたデンラウンジは、ゆっくりと思い思いの時間を過ごすくつろぎの場所。ギャラリーのラウンジアートとともに、上質な迎賓空間を形づくっている。

エントランスとテラスラウンジ、それぞれの象徴のように配されたラウンジアート。

エントランスとテラスラウンジ、それぞれの象徴のように配されたラウンジアート。

ラウンジアート

ラウンジアート

ギャラリーを飾るのはニューヨークを拠点に活動するアーティスト、市村しげのによる『Silver mono-chrome』シリーズ。
冷たく重厚感があるシルバーのキャンバスに凹凸のみで描かれている。どこか"年輪"を想わせるその表情に江戸時代から水辺の緑が豊かであったこの界隈の歴史を重ね、土地へのトリビュートとしている。

ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣(販売済)

ザ・パークハウス 東陽町翠賓閣(販売済)

東京メトロ東西線東陽町駅から徒歩8分。地上11階建て、総戸数は117戸。横十間川親水公園に面した緑豊かな環境を生かし、公園の再整備に合わせたランドスケープを計画した。その自然環境を存分に楽しめるよう、98戸がガーデンビューとなる住棟レイアウトを採用している。

● 所在地/東京都江東区東陽7丁目6番9(地番)
● 構造・規模/鉄筋コンクリート造・地上11階建
● 総戸数/117戸
● 竣工/2019年3月
● 売主/三菱地所レジデンス(株)、三菱倉庫(株)
● 施工/木内建設(株)

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