image photo
- 木質化
暮らしの真ん中に、木のぬくもりを
木質化カラースキーム「サステナカラー」を開発・導入
- #木材活用
- #認証木材
- #木のある暮らし
「木のある暮らし」を通じて、環境にも人にも心地よい空間を提供したい。そんな想いのもと、新たに生まれたのが、木質化カラースキーム「サステナカラー」(商標出願中)です。
カラースキームとは、住まいの床や建具、キッチンなどの色合いを統一してコーディネートするための色彩設計のこと。一般的に、複数のパターンが用意されており、今回の「サステナカラー」は、そのカラースキームに“環境への配慮”という視点を取り入れた特別仕様。
関西で活動している社内の木質化ワーキングチームが中心となって開発を進め、全国に先駆けて関西エリアの新築賃貸マンションでの導入が決定しました。
なぜ、「サステナカラー」を開発したのか
これまで関西エリアの賃貸マンションブランド「ザ・パークハビオ」シリーズでは、エントランスなどの共用部に木材利用を積極的に検討してきました。しかし、住まい手が最も長く時間を過ごすのはお部屋の中。だからこそ、「もっと暮らしの近くに、木のぬくもりを届けたい」という想いから、住戸内でも環境に配慮した素材や木材を活用できないかと考えました。そして生まれたのが、木の質感と環境にやさしい素材を組み合わせた新しいカラースキーム「サステナカラー」。
床・建具・巾木・壁紙といった住宅の基本構成において、サステナブルかつ規格化された素材を用いることで、導入コストを抑えながらも質の高い木質化を実現。木を“使うだけ”で終わらない、新しいスタンダードを目指しています。
「木を使う意味」を、もっと深く考える
開発当初、「木質化」というキーワードは、社内にあまり浸透していない状況でした。そこでまずは、木のノベルティを制作して多くの社員が木に直接触れる機会をつくったほか、「なぜ木を使うのか」「森林サイクルとは何か」といったテーマで勉強会を実施。少しずつ社内理解を広げながら、プロジェクトをかたちにしていきました。
開発をリードした木質化ワーキングチームの担当者は、こう語ります。
「ただ木を使えば“木質化”と言えるのか?——そこを問い直したかったんです。」
本当に環境配慮と言える素材なのか。トレーサビリティは確保されているのか。サステナカラーの開発にあたっては、採用候補のメーカーへ足を運び、実際に工場を見学しながら、素材の背景や工程にまで目を向けました。
フローリング工場見学背景
「木質化」は、単に木を使うことではなく、その木がどこから来たのか、どう使われるのか、そして次の世代に何を残せるのかを考えるプロセスでもある。そんな想いが、このスキームには込められています。
サステナブル素材をふんだんに使用した空間づくり
この取り組みは、三菱地所グループ各社の協業により実現しました。木材の生産・加工はMEC Industry(メックインダストリー)が、マテリアルの選定とデザインはメック・デザイン・インターナショナルが担い、グループが持つ専門性を結集することで、上質な木質化空間をかたちにしています。
-
木材加工品の製造・販売を手がける
総合林業事業会社
-
空間の設計・施工・デザインを担う
インテリアデザイン会社
その第一歩として、「サステナカラー」の導入が決定したのは、大阪市北区堂山町で進行中の職住一体型賃貸マンションシリーズ「The Parkhabio SOHO(ザ・パークハビオ ソーホー)」の関西第1号物件です 。
-
外観完成予想CG
-
エントランス完成予想CG
サステナカラーでは、以下のようなサステナブル素材を取り入れ、環境配慮とデザイン性の両立を図っています。
-
森林認証の合板を基材にしたフローリング
面積の大きいフローリングは、森林認証合板を基材として採用。炭素固定と炭素吸収を図り、CO₂排出量の削減につなげます。また、表面は天然木らしさが感じられる突板仕上げ。
image photo -
無垢の建具
ニュージーランドの森林で管理された木材を用い、CO₂固定量を住戸ごとに見える化した無垢建具を採用。
image photo -
森林認証を受けた自然由来の壁紙
日本では数少ない森林認証を受けた壁紙を使用。パルプなどの自然素材を主原料とし、人や環境にもやさしく、安全性が高いのが特徴です。
image photo -
無垢の巾木
木材の製造・販売を担うグループ会社・MEC Industryの無垢巾木を部屋の一部に採用。木材の風合いが引き立つ凹凸加工を施しています。
image photo
木の質感や香りを感じられる住まいであると同時に、地球環境にも配慮された空間が、ここから広がっていきます。
木を使うという選択が、未来につながる
「サステナカラー」は今後、賃貸物件でのさらなる展開を進めながら、分譲物件への導入に向けて協議を重ねています。
image photo
木のある暮らしを、もっと当たり前に。カラースキームとして規格化することで、住まいづくりの選択肢を広げ、持続可能な住宅を未来につなげていく——そんな想いがこの取り組みに込められています。
木を選ぶということ。それは単なるデザインではなく、環境や社会、次の世代への責任ある選択です。「サステナカラー」は、そんな価値観を住まいに自然に取り込む、新たな提案といえるでしょう 。
MEC Industry社での作業風景
※この記事の内容は2025年6月30日掲載時のものです。