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前編「愛着を記憶する家具」という選択
Ritzwellに聞く、長く使いたくなる家具の魅力
- #国産家具
- #廃棄物削減
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長く使うほど素材の表情が深まり、傷や艶さえも、その人だけの暮らしの記憶になっていく。そんな家具との付き合い方も、サステナブルな暮らしにつながる選択の一つです。
そこで今回は、現在販売中の「ザ・パークハウス 大阪上本町タワー」のモデルルームで採用されている国産家具メーカー・Ritzwell(リッツウェル)に、家具を長く使うことの大切さや、それを支える取り組みについて伺いました。ザ・パークハウス物件のモデルルームコーディネート等に携わる、インテリアプランナー・桑原一樹さんにもご参加いただき、リッツウェルの小南哲太さんと対談を行いました。
PROFILE
株式会社リッツウェル
営業部
小南 哲太さん
自社デザインと国内生産、職人の手仕事にこだわる家具メーカーで営業を担当。家具の魅力や作り手の思いを伝えながら、購入後もお客様とのつながりを育んでいる。
株式会社メック・デザイン・インターナショナル
インテリアプランナー
桑原 一樹さん
住宅やモデルルームをはじめ、さまざまな空間のインテリア提案に携わる。住まう人の暮らしを思い描きながら、家具や素材を選び、空間を組み立てている。
暮らしの道具として、タイムレスな美しさを追求する
小南さん リッツウェルでは、「愛着を記憶する家具」と「有機的モダニズム」という、二つのデザインコンセプトを掲げています。
「愛着を記憶する家具」とは、長く使えば使うほど愛着が湧き、使う方がだんだんと好きになっていくような家具です。素材が次第に美しく変化し、深い味わいになっていく。時が経っても古さを感じさせず、使い手と作り手が、長い時間をかけて一つになっていくような家具をつくりたいと考えています。
もう一つの「有機的モダニズム」は、洗練されたフォルムと素材感を生かしたデザインです。天然素材の経年変化もデザインの一部と捉え、モダンな中に上質な温もりを加えています。
桑原さん 「愛着を記憶する家具」って、いい言葉ですね。
小南さん ありがとうございます。家具のあり方について、当社の代表は「家具はアート作品ではなく、あくまで道具です」と話しています。快適に使っていただいてこそ価値があるので、実用性を磨く。一方で、審美性も追求する。上質な素材と手仕事によって温もりを生み出すことが、リッツウェルらしさにつながると考えています。
リッツウェルでは創業時からオリジナルデザインにこだわり、家具のデザイン・開発を自社で行っています。代表がほとんどの家具デザインとブランド全体のディレクションを担うことで、ブランドとしての一貫性が保たれているのだと思います。
桑原さん 今のお話には、とても共感します。私たちが空間をデザインするときにも、その先には使う方がいます。アート作品ではなく、使う方のことを思って空間をつくるという点には、通じるものがあると感じました。
小南さん 代表がよく使う言葉が、もう一つあります。「佇まい」です。人の佇まい、とくに自分では意識しにくい後ろ姿には、その人らしさが自然と表れるものだと思います。家具も同じように、正面だけでなく後ろ姿まで美しくあることを大切にしています。
桑原さん インテリアを考えるうえでも、後ろ姿は非常に重要です。空間へ入ったとき、最初に目に飛び込んでくるのが、椅子やソファの背であることも多い。空間のポイントになる家具を選ぶときには、背の美しい家具を選ぶこともあります。
家具の「佇まい」へのこだわりが表れている。
(写真提供:Ritzwell)
素材を育て、手をかけながら使う
小南さん 長く使える家具というのは、素材選びの面で言うと、メンテナンスができることがポイントだと思っています。木であれば無垢材、レザーであれば本革を使うことで、手をかけながら長く使っていただけます。
構造の面でも、リッツウェルの家具には、長く使い続けるための工夫があります。ソファや椅子など、製品によってはカバーやクッション材を部分ごとに交換できるため、一部が傷んでも家具全体を買い替える必要がありません。
張り替えのご相談が増えてくるのは、だいたいご購入から10年ほど経った頃ですね。無垢材を使ったテーブルなども色味や染みが気になったタイミングで、メンテナンスのご相談をいただきます。
製品に応じて、カバーやクッション材を部分ごとに交換できる仕様に。必要なところに手を入れながら、長く使い続けられる工夫がされている。
桑原さん テーブルをメンテナンスする場合は、表面を削ることもあるんですか?
小南さん はい、状態によっては削ることもあります。突板※の場合は削ると下地が出てしまうため適しませんが、オイルフィニッシュの無垢材の天板であれば、ご自宅でも削ることができます。無垢材だからこそできる手入れですね。
※突板(つきいた)とは、天然木を0.2~0.6mm程度の薄いシート状にスライスし、合板などの下地材の表面に貼り付けたもの。
オイルフィニッシュの場合は、日頃のお手入れとして、年に1〜2回のオイルメンテナンスが理想です。無垢材は自然のものなので、乾燥しきってしまうと、割れたり反ったりしやすくなります。オイルを入れることで乾燥を抑え、自然な艶が戻ります。
オイルメンテナンス前と後。乾燥して白っぽくなった天板にオイルをなじませることで、木目の表情と自然な艶が戻る。
もちろん、新品とまったく同じになるわけではありません。使ってきた時間を感じさせる経年変化を楽しめるのは、無垢材ならではの魅力です。
こうした手入れをお客様ご自身にも続けていただけるよう、メンテナンスセミナーも開催しています。自分で家具に手をかけることが、愛着にもつながると思うんです。家具と長く付き合っていくうちに、そのご家庭ならではの時間も重なっていきます。木の家具についた傷も、その瞬間はショックかもしれません。でも、たとえば小さなお子さんがつけた傷なら、何年か経ったあとには、当時の出来事や、お子さんが小さかった頃の姿を思い出すきっかけになります。
時間とともに表情が変わるのは、本革も同じです。手入れをしながら使うことで、その人なりのしわや傷が刻まれ、それが愛着につながっていきます。
桑原さん 無垢の木は、長く使い込むことで独特の艶が出てきますし、革は少しずつ身体になじんでいきます。それは新品にはないよさであり、長く使ったからこそ生まれる付加価値なのだと思います。
小南さん 手入れをしながら家具を長く使うことは、廃棄を減らすことにもつながります。手頃な価格で流行のものがあふれている時代だからこそ、気軽に買い替えるのではなく、気に入ったものを使い続ける。そこは、リッツウェルとしてもサステナビリティに貢献できる部分だと思っています。
桑原さん 家具をコーディネートする側としてサステナブルというと、どうしても環境に配慮した素材かどうかに目が向きがちです。でも今のお話を聞いて、家具を長く使うこと自体もサステナブルになるのだと気づかされました。
細部に宿る、職人の手仕事
(写真提供:Ritzwell)
桑原さん リッツウェルの家具は、細かな部分まで職人さんが手作業で仕上げているんですね。
小南さん そうなんです。たとえば、リッツウェルデザインを支える代表的な素材の一つ「厚革」は、一般的な椅子張り用の革に比べ、3倍以上の厚みがあります。裁断した直後の断面は、そのままだとざらざらしているため、小さな鉋でなめらかに整え、仕上げ剤と乾拭きで艶を出します。力加減が難しい、繊細な手仕事です。
家具に使う本革は、食用として育てられた牛からいただいたものです。だからこそ、家具づくりで出た端材も捨てず、コースターなどの小物やワークショップに活用しています。ワークショップでは、厚革の端材に触れ、職人の作業を体験することで、リッツウェルのものづくりへの思いや姿勢を感じていただければと思っています。
桑原さん 提案する側としても、こうした背景は知っておきたいですね。手間をかけてつくられていると分かれば、価格だけではない家具の価値を、お客様にも感じていただけると思います。
家具を届けたあとも続く、お客様とのつながり
小南さん こうして職人の手によってつくられた家具を購入後も長く使っていただくためには、メンテナンスの仕組みだけでなく、お客様との関係を続けていくことも大切だと考えています。そのために立ち上げたのが、リッツウェルのオーナーズクラブです。
オーナーズクラブを通じて、実際に家具をお使いのお客様の声を直接伺えるようになりました。その声をサービスや商品開発の改善につなげたり、「よかった」という声が自信になったりしています。
購入後のメンテナンスやイベントなどを通じて、
お客様とのつながりを育んでいる。
桑原さん 家具を使い続けるなかで、買い替えるか、修理して使うかを検討する時期が来ると思います。修理して長く使うという選択肢があることは、お客様にとって心強いですし、廃棄を減らすことにもつながりますよね。
小南さん お客様とのやり取りの中で、今も忘れられない出来事があります。
あるお客様からテレビボードの修理についてお問い合わせをいただき、ご自宅へ伺いました。修理を終えたあと、「ほかに何か不具合はありませんか」とお尋ねしたところ、ソファの座面が使っているうちに少しずつ前へずれてくるのが気になっているとお話しくださったんです。
その場では解決できなかったため、社内で改善方法を検討し、お客様にご提案しました。すると後日、お客様がご自身で育てているみかんを箱いっぱいに詰めて送ってくださったんです。
箱には、「テレビボードだけでなく、ソファのことまで考えてもらえるとは思っていなかった」というお手紙も添えられていました。さらに、ソファの対応を終えたあとには、納品後の写真と、改めてお礼のお手紙も送ってくださいました。いただいた二通のお手紙は本当にうれしくて、今も大切に取ってあります。
リッツウェルでは、家具を通してお客様に感動していただくことを大切にしています。喜んでいただけたことが自分の仕事への自信にもなりましたし、家具をお届けしたあとにも、私たちにできることがあると実感しました。今思い出しても、本当にうれしいですね。
桑原さん すごくいいお話ですね。買い替えることもできたと思いますが、小南さんの対応によって、そのソファをもっと長く使えるようになった。お客様の期待を超える対応だったのだと思います。
素材の変化を楽しみ、傷んだところには手を入れる。そして、困ったときに相談できる関係が、家具を届けたあとも続いていく。
家具を長く使うために必要なのは、丈夫な素材や直しやすい構造だけではないのかもしれません。つくる人、届ける人、使う人が、一つの家具を大切にしていく。その時間の積み重ねが愛着となり、家具はやがて暮らしの記憶を宿す存在へと変わっていきます。
後編では、インテリアプランナーである桑原さんの視点から、「ザ・パークハウス 大阪上本町タワー」のモデルルームにリッツウェルの家具が選ばれた背景をひも解きます。「一生もの」の住まいに、長く使いたい家具を選ぶこと。その意味を、空間と暮らしの視点から考えます。
Ritzwellオーナーの声をもっと読む
リッツウェルでは、オーナーとのつながりを大切にし、実際に家具を愛用されている方の声を紹介しています。
こちらでは、20年以上リッツウェルの家具を愛用されているY様ご家族の声をご覧いただけます。
※リッツウェル公式サイトに遷移します。
※この記事の内容は2026年10月掲載時のものです。
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