なぜ今、シングル・DINKSが

なぜ今、シングル・DINKSが "コンパクトマンション"を選ぶのか?

[住まい選びの基礎知識]

2018年12月11日

シングルやDINKSの間では「会社に近くて、便利で程よい広さ」のマンションを求めるニーズが高まっています。ちょうどそれに当てはまるのが「コンパクトマンション」です。一般的なマンションと、どう違うのでしょうか。マーケット、プランの特長、購入者の声、将来性などを併せて紹介します。

1.30~40代シングル層、共働き世帯の増加がコンパクト志向にマッチ

『ザ・パークハウス アーバンス 白金』のリビングルーム

『ザ・パークハウス アーバンス 白金』のリビングルーム

マンション市場は、少し前まで2つの領域に色分けされていました。専有面積20m2台までが多い賃貸運用を目的とした投資用ワンルームマンションと、60~70m2以上の3LDKが中心のファミリー向けマンションです。その中間の面積帯に、第三のジャンルとして「コンパクトマンション」が登場し、少しずつ定着し始めています。

実は、コンパクトマンションに明確な定義はありません。ある調査機関では「30m2以上50m2未満」、ある研究者は「20m2以上60m2未満」としています。この記事では、これらの考え方を踏まえつつ、実際に分譲されている物件に多い「30m2以上60m2未満」を、コンパクトマンションとします。

では、以前は「すっぽり抜けていた面積帯」といわれるコンパクトマンションが登場したのは何故でしょうか。マンション市場調査の専門家、東京カンテイの井出武さんは次のように解説します。

「晩婚化や生涯未婚率の上昇が1990年前後から顕著となり、30~40代の単身者の人口が増加してきたことが大きいでしょう。2005~06年には、単身世帯がファミリー世帯の数を上回りました。こうした単身者の間で、初めは賃貸マンションに対して広さや設備・仕様のグレードアップを求める声が高まりました。さらに、ずっと賃貸でいることへの不安、賃貸の住み心地やセキュリティ面への不満から、購入ニーズが高まってきたわけです。

将来、家族構成の変化にともなって住み替えた場合に、賃貸にして家賃収入を得たり売却して現金化するなど、多様な選択肢を持てる資産として所有しておきたいという考えを持つ人も多くなっています。また、90年代後半には専業主婦世帯より共働き世帯のほうが多くなり、広さより利便性を重視したマンションを選ぶ意向が高まってきたことも挙げられます」

なお、シングル向けの投資用マンションでも、20m2台後半の広めのタイプで設備仕様のグレードを高めたタイプも登場しています(三菱地所レジデンスでは、資産形成コンパクトマンション「ザ・パークワンズ」を提供しています)。
今回は主に居住用のコンパクトマンションについて紹介しましょう。

2.東京23区内中心に供給。ファミリータイプより省スペースな分だけ価格も低めで選択肢も広い

コンパクトマンションは、1990年代半ば頃から中堅デベロッパーが手掛け始めました。2000年代前半からは、大手デベロッパーもコンパクトマンションの開発に進出。タワーマンションの一部に混在させたり、一棟丸ごとコンパクト専用にしたり、ブランド化も始まりました。最近のコンパクトマンション市場はどうなっているのでしょうか。

図1.コンパクトマンションの供給動向

出典:東京カンテイ提供のデータを基に作成。以下図2~4のコンパクトマンションは、いずれも専有面積30m2以上60m2以下のマンションを指す。

首都圏で新規供給されたコンパクトマンションの供給戸数の推移を示したのが図1です(2018年のみ1~9月)。首都圏全体の供給戸数に占める東京23区のシェアは80~90%に達します。つまり、コンパクトマンションは、東京23区内を中心にしたマーケットということです。

ピーク時の2011年に比べると供給戸数は減っていますが、これは首都圏全体の供給が縮小していることを反映しています。コンパクトマンションの比重はむしろ高まっているのです。それは図2からもわかります。

図2.コンパクトマンションのシェア

出典:図1と同様。全新築マンションとは、各エリアにおける全面積帯のマンションのこと

東京23区内で供給される全マンションのうちコンパクトマンションのシェアは、2014年を底に上昇に転じ、直近の2018年では31.5%に達しています。3戸に1戸近くはコンパクトマンションというわけです。利便性の高い東京23区内での選択肢が広いといえるでしょう。

図3.東京23区マンションの価格推移

出典と全新築マンション、ともに図1と同様。

1戸当たりの平均価格については、東京23区内の全マンション供給よりコンパクトマンションのほうが1,000万円以上も低く、手の届きやすい価格帯といえるでしょう(図3参照)。過去10年間の平均面積は全マンションが約62m2、コンパクトマンションは約48m2と10m2以上小さいからです。「60m2以上の広さはいらないから、もう少し予算を抑えたい」という人にとって、程よい水準といえるかもしれません。

ところで、図3をよく見ると、平均価格の動き方が異なっています。全マンション供給は2013年から右肩上がりで上昇しているのに対して、コンパクトマンションは2015年から横ばいになっているのです。コンパクトマンションの価格は上昇していないということでしょうか。実は、同じエリアの同じ広さの物件で見るとやはり少し上昇しています。平均値では上昇していないデータが表れる理由として、井出さんは、次の2点を指摘しています。

  • 1.東京23区内の中でも、相対的に単価の低い城東・城北エリアでの供給が増えているため。
  • 2.1戸当たりの平均面積がやや小さくなっているため(東京23区平均で、2015年は約51m2、2018年は約46m2)。

これによって総額が大きく上昇するのが抑えられているといえるでしょう。供給エリアが違っても、都心部への利便性が高いというメリットは変わりません。「広さより近さ」を優先する人にとっては、コンパクトマンションは、まだまだ選びやすい状況といえるのではないでしょうか。

3.ハイグレードな設備仕様はそのままに、すべてを機能的にまとめたプラン

次に、コンパクトマンションのプランの特長について、「ザ・パークハウス アーバンス白金」を例に見てみましょう。

この物件の標準仕様を基準に紹介します。すべての物件に共通するわけではありません。

<共用スペース>

小規模なマンションの場合、敷地に余裕がないのが一般的なため、エントランスホールなどの共用スペースは最小限に削られがち。このコンパクトマンションでは、エントランスを入ってからエレベーターホールに至るまでに、ゆったりしたラウンジが設けられています。

都会的ライフスタイルに慣れたシングル、DINKS層にマッチしたカフェ調のラウンジ。海外デザイナーの手掛けたファニチャー、絵画や調度品があしらわれ、自宅住戸プラスαの空間として利用できる。

都会的ライフスタイルに慣れたシングル、DINKS層にマッチしたカフェ調のラウンジ。海外デザイナーの手掛けたファニチャー、絵画や調度品があしらわれ、自宅住戸プラスαの空間として利用できる。

<間取り・設備>

このマンションの間取りは、20m2台後半の1Kから50m2台の2LDKまで多彩なバリエーションがあります。どのタイプも、廊下などの移動に使うデッドスペースをなるべく省いて、居住スペースや水回り空間にゆとりを持たせています。特に女性からの要望が強い収納スペースがたっぷり取られてるのも大きな特長です。以下はDタイプ/2LDKの例です。

D-typeの間取り図/2LDK+WIC+SIC、専有面積/53.63m<sup>2</sup>。洋室2の引き戸を開け放すとLDKと一体の広い空間になる。

D-typeの間取り図/2LDK+WIC+SIC、専有面積/53.63m2。洋室2の引き戸を開け放すとLDKと一体の広い空間になる。

左/ゴルフバッグやスーツケースなどの大型アイテムを置けるシューズインクローゼット(SIC)。右/洋室にはウォークインクローゼット(WIC)。その他、廊下の物入、トイレや洗濯機置場上の吊戸棚、洗面室のリネン庫など、要所要所に十分な収納スペースを設置。共用部分には全18区画のトランクルームもある(利用料別途)。

左/ゴルフバッグやスーツケースなどの大型アイテムを置けるシューズインクローゼット(SIC)。右/洋室にはウォークインクローゼット(WIC)。その他、廊下の物入、トイレや洗濯機置場上の吊戸棚、洗面室のリネン庫など、要所要所に十分な収納スペースを設置。共用部分には全18区画のトランクルームもある(利用料別途)。

3LDKのファミリータイプと比べてもそん色ない充実したキッチン。背面に棚とゴミ箱スペースを確保したハイカウンター、食器洗い乾燥機とディスポーザーなど家事の“時短アイテム”も標準装備されている。ミストサウナが標準で付いた浴室やスタイリッシュなデザインの洗面室などの水回りも充実。

3LDKのファミリータイプと比べてもそん色ない充実したキッチン。調理台の目隠しにもなるハイカウンターは、飲食スペースやワークデスクとして使える上に、キッチン側には棚とゴミ箱の収納スペースを確保した多機能仕様。食器洗い乾燥機とディスポーザーなど家事の"時短アイテム"も標準装備されている。ミストサウナが標準で付いた浴室やスタイリッシュなデザインの洗面室などの水回りも充実。

モザイクタイル張りなどの高級仕様はオプションになることが多いが、この物件の洗面台には標準装備

モザイクタイル張りなどの高級仕様はオプションになることが多いが、この物件の洗面台には標準装備

この「ザ・パークハウス アーバンス」のシリーズは、自分たちのライフスタイルにこだわりを持ち、仕事もプライベートも充実させたい人々のニーズに応えるために企画されたものです。「都心の利便性と充実した設備仕様を同時に備えることで、質の高い暮らしを実現できるマンション」がコンセプトになっています(※)。

単に建物規模や住戸面積を小規模にしたものではなく、好立地にふさわしいグレード感を保ちながら、必要な設備やスペースを機能的にまとめ、魅力がぎゅっと凝縮されたプランであることを感じられたでしょうか。モデルルームを実際に見学してみると、その違いを実感できます。

このコンパクトマンションにも、三菱地所レジデンスのマンション・ブランドを支える「5つのアイズ」が取り入れられている。これは「チェックアイズ、エコアイズ、カスタムアイズ、ライフアイズ、コミュニティアイズ」という5つのカテゴリーに渡り、高い品質を作りだす仕組みのこと。

4.先輩購入者に聞く、コンパクトマンションの住み心地――やっぱり都心で駅近が一番。機能的で目が届きやすい広さは、幼少期の子育てにもおすすめ。売却や賃貸にも有利という声も!

既にコンパクトマンションを購入して、住みこなしている先輩に住み心地を含めた暮らしぶりを聞いてみました。

●シングル・Kさんの場合(目黒区、40代女性)
物件概要:最寄り駅徒歩4分 1LDK/46m2

「賃貸で住み慣れた街で購入した新築マンションです。40m2台から80m2台までバリエーションが多かったのですが、その中で無理なく買える40m2台の1LDKに決めました。頭金を少し多めに入れたので、月々の返済は10万円以下に抑えられました。一人暮らしには不満のない広さです。もし結婚しても、2人なら何とか住めそう。何より駅近で通勤がラクですね」

⇒シングルの場合、20m2台後半から30m2以上の少し広めのワンルーム・タイプを選ぶケースも多いようです。中には夫婦2人で、あえてワンルーム(30m2)を選び、「適度な広さでリラックスできる暮らし」を実践しているケースもあります。
詳しくはこちら www.mecsumai.com/sumai/lifestyle/1802-1/

4.【先輩購入者に聞く、コンパクトマンションの住み心地】

●DINKS・Kさんの場合(渋谷区・30代。購入後に子どもが1人誕生)
物件概要:最寄り駅徒歩8分。1LDK/55m2

「夫婦2人の通勤を最優先して、都心立地の新築マンションを購入しました。60m2台の2LDKにしようか迷いましたが、リビングがより広くて大きめのダイニングテーブルが置ける1LDKを選びました。50m2以上の広さがあれば、子どもが産まれても幼児のうちは大丈夫だろうと判断して。将来は住み替えることになるかもしれませんが、立地が良ければ売るにしても、貸すにしても対応しやすいはずと考えました。月々のローン負担は、前居の賃貸住宅の家賃より少しアップしました。でも、周辺の賃貸相場より割安です。入居後に子どもが生まれ3人家族になりましたが、コンパクトな分、子どもに目が届いて安心です」

●DINKS・Kさんの場合(渋谷区・30代。購入後に子どもが1人誕生)

●DINKS・Mさんの場合(世田谷区・40代。30代で購入後に子ども2人誕生)
物件概要:最寄り駅徒歩15分 2LDK/58 m2

「結婚してすぐに新築マンションを購入。高層階の眺望の良い部屋に住みたいと思い、その条件を優先して予算内に収まる2LDKを選択しました。リビングはちょっと手狭になりますが、独立した夫婦の寝室と子ども部屋を確保できたので合格点です。今は息子2人なので子ども部屋はシェアして使っています。モノが増えてきたため、数年前に子ども部屋とリビングをリフォームしシステム収納を設けました。これからも状況に合わせてリフォームして住み続けたいですね」

⇒この他に「子どもが小さいうちは、どこにいても目が届くコンパクトな家がいいよ。幼稚園や学校も選択肢が豊富で、教育環境にも恵まれています」(文京区・30代夫婦子ども2人/55m2/2LDK)といった声も。

みなさん、ライフスタイルに応じて上手に住みこなしている様子が伺えます。"コンパクト"だからといって、次の住まいへステップアップするための仮住まいではなく、子どもが生まれ、家族が増えても住み続けられることがわかります。工夫次第で自分好みの快適な暮らしを実現できるといえるでしょう。

また「いずれ夫の両親と同居する可能性があり、いざという時に売りやすい立地・間取りを選びました」といったように、資産性や換金性を重視する傾向も強いようです。

5. 東京23区のリセールバリューは高い

都心部の億ションよりも総額が低めのコンパクトマンションのほうが、流動性が高い可能性があります。そうなると、リセールバリューも気になるところです。図4は、購入して10年前後で売却した場合に、新築時の価格に対して中古価格がどれくらいの割合になるかを意味する「価格維持率(=リセールバリュー)」を示したものです。

5. 東京23区のリセールバリューは高い
価格維持率(リセールバリュー/単位%)=中古流通時の価格÷新築分譲時の価格×100。対象物件は2006年10月~2009年9月に新規分譲され、2017年10月~2018年9月に中古流通した分譲マンション。なお、リセールバリューは既存の平均的なデータから算出した数値であり、個別物件の新築価格の10年後の価格変動を保証・予測するものではありません。

価格維持率は、数値が高いほど資産価値が下がりにくかったことを意味します。100%なら新築時の購入価格と中古で売却するときの価格が同じだったということになります。図4の通り、東京23区と首都圏のその他エリアとを比較すると、都心に近い東京23区のほうが優位にあるといえるでしょう。

「コンパクトマンションは比較的新しいジャンルのため、ファミリータイプに比べると中古ストックはまだまだ少ない状態です。逆にいえば、今後、利便性を重視するシングルやDINKS層がより増えてくれば、希少性の高いコンパクトマンションへの需要が高まり、リセールバリューが高まる可能性もあるでしょう」(井出さん)

「将来性を買う」という点でもコンパクトマンションは有望といえるかもしれません。

※本記事で使用している写真は、トップ写真を含めてすべて『ザ・パークハウス アーバンス 白金』のモデルルームで撮影

TEXT: 木村元紀
PHOTO: 村山雄一

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