50代が適齢期!? ライフプランの専門家が指摘する「住み替えのベストタイミング」

50代が適齢期!?
ライフプランの専門家が指摘する「住み替えのベストタイミング」

[住まい選びの基礎知識]

2019年08月29日

近頃、50代でさらなる理想のマイホームを求めて積極的に住み替える人が増えており、その住まい選びのスタイルも実に多様です。そこでライフプランの専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)の畠中雅子さんのアドバイスを交えて、50代で住み替えるメリットや気を付けたいポイントを紹介しましょう。

人生100年時代に増える、50代=プレシニア期の住み替えニーズ

定年後の60代以降をシニア、その一歩手前の50代をプレシニア期と呼びます。プレシニア期にすでに持ち家に住んでいるなら、そこがマイホームのゴール、ずっと住み続ける場所、と思っている人が多いかもしれません。
「次に引っ越すとしたら、介護が必要になって高齢者施設に移るとき」「50代で住み替えるケースは稀では?」と考える方もいるでしょうが、人生100年時代を迎え、50代からの理想の住まいは広がりを見せています。
そこで50代に住み替えを実践した経験者の声をピックアップしてみました。次の2つのケースをご覧ください。

「50代のいまだからこそ、自由に住み替えられた」~50代・瑞穂さんの選択

瑞穂さんは、子育てが一段落した50代前半に、“終の住処(ついのすみか)”のつもりだった一戸建てから都心のマンションへ住み替えました。
以前の住まい選びでは、子どもの通学などの条件を優先。でも、「今なら何にも縛られずに住む場所を選べる」と気づき、「十年後では体力や気力が落ちている」「50代ならまだまだ元気」「子育てを終えた私たち夫婦にとっては住み替えのベストタイミングだった」と振り返っています。

「これからの人生で、ライフスタイルにあった本当によい住まいを追求!」
~50代・DINKSの決断

DINKSのAさん夫妻は、郊外マンションから社宅、さらに50代で都心マンションに住み替えました。そう判断した理由は次の通りです。
「ライフステージの節目ごとに、暮らし方は変わってきます。自分たちにとって、よりよい住まいを追求していきたいですね。そう考えると、仕事を引退してから買い替えるのがよいように思いますが、年をとってからの購入では住宅ローンも組みにくくなります。私たちの場合は、お互いが働いているうちに住み替えるのがベストだと考えました」
(『MAJOR7×マンション・ラボ』の記事「住み替えで見えてきた、プレシニア世代夫婦の「『ほんとうに大切なもの」』とは?」より )

畠中雅子さん

プレシニア以降の住み替え事情にも詳しいファイナンシャルプランナーで、ご自身も50代の畠中さんは、次のように指摘します。

「50代の住み替えニーズは着実に増えています。その背景にあるのが、後期高齢期が長くなる“人生100年時代”です。75歳以降のライフプランを想定すると、50代が住み替えのベストタイミングといえるでしょう。60歳を過ぎると資金計画の選択肢が限られてしまいますから」

資金面でのメリットについては最後の章で詳しく解説するとして、その前に50代住み替え事情について紹介しておきましょう。

50代以降の住み替えのきっかけは?

シニア世代の住み替えのきっかけは?

住宅情報サイトSUUMOが、子どもと同居していない50代以上の夫婦で住み替えをした103名を対象にしたアンケート調査「シニアの住み替えポイント10」(2011年)のデータを基に、上位5位までをピックアップして編集部で作成

50代の方々は、どのようなきっかけで住み替えているのでしょうか。
上図の通り、「子どもが独立して夫婦2人になったから」という家族構成の変化がトップに挙がります。次いで「家の老朽化」や「家の安全性向上」など、建物に対する不満が上位に入っています。

さらに、4~5位には、生活に便利な場所、駅に近い場所など、利便性の高いところへ住みたいという理由が挙がっています。利便性といっても30代でマイホームを買うときに優先される「通勤通学の利便性」ではなく、駅や商業施設、医療機関などが近くにあり、「体力が衰えてくる老後への備え」という意味合いも含まれているかもしれません。

ひと昔前のように「定年後は静かに余生を送る」というより、まだまだ元気なうちに暮らしを改善したいという前向きな意欲も感じられます。

30代より自由!? 50代からの住み替えバリエーション

住み替え先の選択肢や目的はどうでしょうか。
若い世代の住み替えでは、結婚・出産・子どもの成長など家族が増えるにつれて、より広い住まいへステップアップするという目的が多いでしょう。
あるいは、DINKSや単身者の場合は、勤務地への通いやすさから制約を受けるケースが多いかもしれません。
それに比べて、プレシニア世代の住みえの選替択肢には、どんな暮らし方をしたいかによって多彩なバリエーションがあります。

「都心ライフを実現」

「都心ライフを実現」

都心のタワーマンションは50代以上の購入者も多数。

子育て期に自然環境重視で選んだ郊外の一戸建てから、都心ライフを満喫できるマンションへ移る50代世帯が増えています。
室内がフラットな住まいは、年を重ねてからの備えにもなるでしょう。都心のタワーマンションに、相続税対策を兼ねて買い換えるケースもあります(郊外の広い土地に比べて、都心タワーマンションは一般的に相続税評価額が下がるケースが多いため)。

「住まいのダウンサイジング(縮小買い換え)+老後資金」

「住まいのダウンサイジング(縮小買い換え)+老後資金」

1~2LDKのコンパクトな間取りは2人家族にもフィット。

子どもが独立し夫婦2人になって広い一戸建てを持て余し、少しコンパクトなマンションへ移るのが「ダウンサイジング」。
「郊外から都心へ」とエリアを移るパターンと、同じ郊外エリアの中で「駅から遠い場所から駅近へ」というパターンがあります。売却益をすべて住み替え先の購入資金に充てず、一部を老後資金として残したいと考える人もいるでしょう。

「都市と田舎暮らしのデュアルライフ」

「都市と田舎暮らしのデュアルライフ」

商業施設、医療機関が身近な場所に揃った生活を求める人は多い。

都心に近いマンションから郊外のマンションや一戸建てへ住み替える方もいます。
さらに、前住居を売却した資金で田舎暮らしの拠点と都心のコンパクトマンションを購入して、デュアルライフを実現することも可能でしょう。

「親子で近居」

「親子で近居」

大規模マンションでは、ほどよい距離感の別棟に、親子で同時に購入することも。

離れて住んでいた親子2世帯がそれぞれ自宅を売却し、部屋数の多い広めのマンションに同居、あるいは同じマンション内や近隣マンションへ近居する例もあります。親世帯、子世帯どちらにとっても安心感があるようです。

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「資産を活かす」

「資産を活かす」

土地の担保価値を活かして融資を受け、賃貸併用住宅に建て替えるのは、いわば“立体的な住み替え”。
賃料収入で住宅ローン返済の負担を軽減できます。
現住居を売却して、コンパクトな自宅マンションと収益を生む賃貸物件に投資するという“分散買い換え”など、さまざまなバリエーションが考えられるでしょう。

資産形成コンパクトマンション
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50代で住み替える資金面のメリット

最後に、60歳以降と比べた場合の50代ならではの資金面のメリットを解説しましょう。
ファイナンシャルプランナーの畠中さんは次のような点を挙げています。

1.住宅ローン

畠中雅子さん

「年金生活に入ったり、継続雇用や再就職で収入がダウンしたりすると、住宅ローンの審査に支障が出ます。年齢が上がるにつれ、住宅ローンが組みにくくなることを考えると、定年まで時間のある50代での住み替えがよいでしょう。
ただし、借入金額は、定年後の収入の範囲で返せるレベルに抑えることが大切。なるべく抑えた方がよいでしょう。
退職後の月々の返済が無理なく行えるひとつの目安としては、借入金額は購入価格の2~3割程度、返済額が月々4~5万円に収まるくらいが望ましいですね」

2.税金

「自宅の売却に当たって譲渡損失が出た場合は、給与所得と損益通算(※1)することによって、所得税と住民税を軽減できます。新居を購入するほうでも、住宅ローン控除(※2)があります。
もろもろ条件がありますので詳しくは税務署に確認する必要がありますが、定年後よりも、収入と納税額が多い50代の住み替えが効果的です」

※1:
給与所得などその他の所得から譲渡損失を差し引くことを損益通算という(所有期間5年を超える一定の要件を満たす居住用財産など、一定のマイホームの場合)。譲渡損が大きく、一度に控除しきれない場合は最長4年間繰り越し控除できる。
※2:
住宅の床面積や借入者の年収などが一定の条件に合う場合、住宅ローンの年末残高の1%に相当する所得税などが最長10年間控除される(消費税率10%適用の場合は一部控除率が変更され、最長13年になる予定)。(2019年4月1日時点の法令等による)

不動産に関する税金ガイドを見る
閲覧には「三菱地所のレジデンスクラブ」会員ログインが必要となります。

最後に畠中さんからこんなアドバイスもいただきました。

「50代なら自分たちの理想を優先できるといっても、資産性が高い物件を選ぶことも大切です。つまり売りやすく貸しやすい物件です。将来、高齢者施設へ入居する可能性もあるでしょう。そのときに売ったり貸したりして、資産を現金化できるほうがその後の人生における住まい方の選択肢は増えるからです。
いずれにしても、さらなるその先50年のライフプランを見据え、資金面のシミュレーションは早めにスタートさせるとよいでしょう」。

畠中雅子さんプロフィール

畠中雅子さん

ファイナンシャルプランナー、「高齢期のお金を考える会」主宰。
マネーライターを経てファイナンシャルプランナーの資格取得後、大学院に進学し、生命保険会社の会計システムや、金融制度改革に関する研究に携わる。新聞、雑誌、インターネットなどに多数の連載を持ち、セミナー講師、講演、個人相談のほか、金融機関へのコンサルティング業務なども行う。
『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』など著書、監修書は60冊を超える。

PHOTO:村山雄一
TEXT:木村元紀

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