デュアルライフを始めるために知っておきたいこと。

デュアルライフを始めるために知っておきたいこと。

[暮らしのアイデア]

2018年11月13日

憧れのデュアルライフだが、実現するためには、何から準備をすればよいのだろうか。
そこで移住コンサルティングなども手掛ける、
ファイナルシャルプランナーの町田先生にお話をうかがった。

話=町田 萌(FP サテライト株式会社 代表取締役)
ファイナンシャルプランナー事務所、FPサテライト株式会社代表取締役。税理士事務所勤務を経て現職。所有資格はCFP認定者、宅地建物取引士、証券外務員一種、簿記2級等。各地での講演やWEBメディアでの執筆など活躍中。

photos by Ippei Okuda text by Emi Arita

point1

どんな生活を送りたいかをシミュレーションすることが大切。

デュアルライフ(二地域居住)を検討している人は年々増加傾向にあります。「実家がある土地に二拠点目を構えたい」「リタイア後の移住先として」「住みたい物件がある」など、きっかけはさまざまですが、明らかに異なるのは、"別荘"や"セカンドハウス"といったリゾート感覚ではなく、"もう一つの家"、つまり"生活の場"として二拠点に住まいを構える、と捉えているところです。また国土交通省では、地方の定住人口を増やす取り組みの一貫として、二地域居住推進にも力を入れています。そのため、若い世代からリタイア前後の方まで、世代を問わず、今、デュアルライフという新しいライフスタイルが注目されています。

一方でよく聞かれるのが、デュアルライフを実践したものの、長続きしなかったという声です。その土地特有の人間関係についてなど、住んでみないとわからない部分もありますが、それ以外の点については、十分なリサーチとライフプランを明確にすることをおすすめします。たとえば、二拠点目を構えたい場所が定まっており、それが縁もゆかりもない場所である場合は、1週間程度のショートステイでもよいので、滞在をしてみる。スーパーなどにも足を運び、その土地の物価や生活利便性などを確認する。さらには、そこが、雪がたくさん降るような降雪地であれば、あえて降雪する時期に滞在し、どんなものやことが必要になるのかを確認してみる。また、この夏は各地で雨による災害も多数発生しました。検討している場所が、このような災害時にどういった状況に置かれる可能性があるのか、など、その場所の環境や情報をしっかりと把握した上で、さまざまなシチュエーションを想定し、準備を進めていくことがとても大切です。

こうしたリサーチは、デュアルライフの実現と維持に向けても重要なプロセスとなります。焦らず、十分なリサーチをしながら、左記のチェック項目を参考に、まずは具体的なライフプランを立て、二拠点目でどんな生活を送りたいのかを、より明確にすることからはじめてみましょう。

ライフプランは具体的に確認しておこう。

  • □二地域目でやりたいことは?

    例→「週末住宅としてのんびり過ごしたい」
    「子どもを自然のなかで育てたい」
    「地方貢献に新たなビジネスを始めたい」
    「将来移住したい」など

  • □生活拠点をどこに置くのか?

    例→「仕事や家族の拠点は今のまま」
    「家族は二地域目に、仕事のあるパートナーは今のまま」
    「どちらの拠点にも仕事を持ち、常に行き来する」など

  • □どこに住みたいのか?

    例→「家族の実家がある、ゆかりある土地」
    「旅行で訪れ気に入った土地」
    「車で行き来が可能な範囲にある土地」など

目線2

出費は2倍に。お金の問題もしっかり確認する。

次に確認したいのが、お金の問題です。行き来する頻度やワークスタイル、持家か賃貸か、など個々の計画にもよるところもありますが、基本的には「出費が2倍になる」と捉えておくことがベターです。また地方に二拠点目を構える場合、車は必須と考えておきましょう。地方都市であれば、ある程度車無しでも生活できるかもしれませんが、そうでない場合は、車が生活の足となりますので、もし車を所有していない場合や、本拠地となる自宅から車で移動が叶わない場合は、新たに用意する必要があります。このように、デュアルライフで増える可能性のある出費例については、下記のリストを参考にしてみてください。

また見落としがちなのが税金の問題。現在の日本の税制は「家はひとつ」という前提のもとにつくられています。ですので、住民票は本拠地、つまり滞在頻度の多い方、家族の生活の拠点となっている方に置くようにしましょう。住民税を算出するにあたり、税務署は「本当にそこが"生活の場"であるのか」ということを細かく確認します。ガスや水道の使用量の確認や周辺住民の方への聞き込み調査をする場合もあり、万が一住民票を置いてある住居が、生活の場であると認められない場合には、差額の徴収はもちろん、附帯税が課せられる可能性もあり、そうなると、徴収額は大変な金額に。さらに両方、もしくはどちらかに持家を所有する場合も要注意。先の通り、税制上、住まいと認められるのは1ヵ所のみのため、将来、持家の売却が発生した際、もしその対象が、滞在頻度の少ない住居であった場合は、その住居が居住用財産とは認められない可能性があります。そうなると居住用財産に適用される税制の優遇措置や特例措置などを受けることはできませんので、その点もしっかりと認識した上で計画を立てていくことをおすすめします。

どんな出費が増えるか把握しておこう。
デュアルライフで増える出費例

  • 水道光熱費

  • 住宅を購入した場合、固定資産税などの税金

  • 往復の交通費

  • 家賃や住宅の購入費

  • 家財や日用品費

  • 車の購入費や維持費

  • 火災保険料

  • 通信費

  • など

目線3

「おためし移住」など、各地域の取り組みを利用してみる。

将来の移住を見据え、鹿児島に二拠点目を構えた門倉さん。鹿児島の店「SARUGGA」で自家製ジャムを置かせてもらったり(上)、その土地の文化に親しんだり(右)。このようにそれぞれの地域の人たちや文化と積極的に触れ合うことは、デュアルライフの成功と維持に欠かせない。

将来の移住を見据え、鹿児島に二拠点目を構えた門倉さん。鹿児島の店「SARUGGA」で自家製ジャムを置かせてもらったり(上)、その土地の文化に親しんだり(右)。このようにそれぞれの地域の人たちや文化と積極的に触れ合うことは、デュアルライフの成功と維持に欠かせない。

デュアルライフにより実現したいライフスタイルはあるものの、なかなか土地を決めきれない、という方には、全国の各自治体による取り組みを利用してみるのもおすすめです。「おためし移住」や住居を貸し出す「おためし住宅」、地域住民と触れ合うパッケージ型体験ツアーなど、実にさまざまな取り組みが行われています。地方で住みたい物件が見つかった場合にも、もし土地勘がなければ、購入前に近隣の自治体で実施されている、こうした取り組みを利用することで、実際の生活を体験することができ、暮らしのイメージをより具体的に膨らませることもできるはずです。

また、たとえば東京都心で生活をしてきた人が、いきなり地方で暮らすというのは、生活利便性も環境も全く異なるため、かなりハードルが高いのも事実。そこで、まずは車で移動可能な関東近郊エリアに二拠点目を構えて、慣れてきたらもう少し遠方へ移動するなど、段階的に住む場所を理想に近づけていく、という選択肢もありま


綿密な計画やお金のことなど、実現にはそれなりに手間もかかりますが、冒頭にもお話した通り、今は多くの人がデュアルライフという新しいライフスタイルに注目し、実際に実現している人も多くいます。そのメリットは、なんといっても、都会と地方など全く異なる環境で暮らすことで、その両方の土地のよさを享受できること。デュアルライフは、暮らしの幅を広げ、人生をより豊かにすることへと、つながっていくと思います。

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