緻密な図面や精巧なパースもかなわない!? マンション模型の制作現場や検査の様子をレポート

緻密な図面や精巧なパースもかなわない!?
マンション模型の制作現場や検査の様子をレポート

モデルルームに設置されている模型は、いったい誰が、どんな風につくっているのでしょうか。マンションの完成予想模型は、お客様にザ・パークハウスでの暮らしをより具体的にイメージしていただくための大切なツール。モデルルームに設置される直前に行われた模型の最終検査の様子を取材しました。

全長9mにおよぶマンション模型を入念に検査

この日、東京都板橋区にある模型製作会社・アートモデル株式会社で行われていたのは、マンションの模型をモデルルームに搬入する直前の最終検査です。


通常、マンションの模型の最終検査には設計事務所や工事を担当するゼネコンの担当者をはじめ、三菱地所レジデンスの商品企画、開発、販売など各部門の担当者が参加、計10名近いメンバーとなります。


今回取材したのはそのサイズが9mにもおよぶ大規模物件の模型。関係者のスケジュールの都合で、設計事務所やゼネコン、三菱地所レジデンスの販売担当者による最終検査は先行して行われていました。この日行われたのは、三菱地所レジデンスの商品企画・開発担当者による最終確認です。


検査は朝10時からスタート。設計事務所やゼネコンがチェック済みなので、グルっと見渡して1時間もあれば終わるのかと思っていたのですが、「夕方くらいまではかかる」とのこと。


どうしてそんなに時間がかかるのか。その理由はあとで解説するとして、まずは模型の写真をご覧ください。

全11棟の大規模物件。1棟だけでも横幅は1mを超える。

全11棟の大規模物件。1棟だけでも横幅は1mを超える。

バルコニー側。1Fの庭やフェンス、バルコニーの手すりも忠実に表現されている。

棟と棟の間の植栽もしっかり表現。

提供公園。樹木や地面、フェンスもリアル。

公園のベンチ。背もたれや手すりの曲線が見事。

花壇の様子もリアル。先行して実施された設計、施工者の検査には実際に植栽を担当する会社のスタッフも参加した。

1点1点、オーダーメイドで制作

模型の素材はプラスチック。言ってみれば「マンションのプラモデル」です。プラモデルなら窓のサッシュやバルコニーの手すりなど、ある程度共通して使えるパーツがあるのではないかと考えていたのですが、そうではありませんでした。


実は模型の大きさは、元となる物件の大きさや設置するモデルルームの広さに合わせて決められます。つまり縮尺が一定ではなく、模型ごとに違うのです。大体1/20〜1/70くらいのサイズでつくられることが多いのですが、1/39とか1/51などもありえます。


さらに縮尺が毎回違う以前に、そもそもサッシュの高さや幅、バルコニーの手すりのガラスパネルの割り付けなど、建物本体のディテールが物件ごとに異なっています。そのため共通のパーツを用意しておくことはできないのです。細かいパーツまで1点1点すべてオーダーメイドでつくられています。


模型のサイズ(縮尺)を決める一番の要因は「モデルルームでの見せ方」です。今回は大規模物件なので、その規模感をよりアピールするために、1/40という比較的大きなサイズでつくられました。

窓のサッシュやバルコニーの手すりも毎回、その物件に合わせて新しく作成する。

今回の模型の縮尺は1/40。11棟からなる大規模な物件なので、全体のスケール感を重視した。

マンション模型のつくり方

模型づくりは、図面データを入手し、モデルルームでの見せ方を決め、さらに設計事務所やゼネコンの担当者と図面からの変更点、まだ決まっていないことなどを確認してスタートします。


模型づくりが始まるのは、建物本体の着工とほぼ同時期。実際の建物は地中の基礎工事だけでも数カ月の期間がかかります。模型は多くの場合、その数カ月の間につくられるので、まだ細かい部分の設計が決まっていないこともあり、さらに設計変更も発生するので、設計事務所やゼネコンとのコミュニケーションが重要になるのです。


実際の制作工程は、まず設計図面をもとにコンピューターでパーツのデータを作成します。次にそのデータをもとにプラスチックの板をレーザーカッターで切ってパーツをつくります。そしてそのパーツをスタッフが1つずつ組み合わせて模型を組み立てていきます。組み立てたあとは、下地を塗り、さらに完成イメージどおりに塗装します。


外壁のタイルなどは忠実な縮尺でつくると、1点1点が小さくなり、逆に素材感が伝わりにくくなるので多少デフォルメしますが、ほとんどのパーツは数年後に完成するマンションを忠実に表現しています。タイルや外壁材は実際に現物を取り寄せて、色や素材のテクスチャーを確認し、模型でどう表現するかを検討しているほどです。


建物だけでなく、マンションの敷地内に植えられる植栽もできるだけ忠実に表現します。実際に植えられる樹木や花の種類を把握し、花の色はもちろん、樹肌の色や模様までつくり込んでいきます。植えてある位置や樹の高さも、完成時の実際の姿にできるだけ近づけています。

プラスチックの板から、レーザーカッターで細かいパーツを切り出していく。

レーザーカッターから切り出されたパーツをスタッフが1つずつ組み立てていく。

イメージを共有するツールとしての役割も

マンションの模型がこれほどまでに忠実につくられるのは、最初に述べたように、模型は完成前にお客様に入居後の暮らしをイメージしていただくための大切なツールだから。


そのため、最終検査では担当者が図面や完成予想パースと照らし合わせながら、1棟ずつ細部までチェックしていきます。取材をしている間だけでも「エントランスの上のコンクリートの色合い」「植栽の樹木の形」など、私たち取材陣が思いもつかない細かい部分にチェックが入っていました。時間がかかるはずです。


これほど忠実につくられている模型は、実はお客様だけではなく、設計事務所やゼネコンの担当者にとっても非常に役に立つツールになっています。図面やパースだけでは把握が難しかったことが、立体の模型をつくることで明らかになることもあるからです。


自動車の開発では、図面やCGのほかに粘土を使って「クレイモデル」と呼ばれる大きな模型がつくられ、デザインを決めていきます。マンションも模型をつくるプロセスを通して、まだ設計が固まっていないディテールを検討したり、模型会社からのフィードバックによって設計が変更されることもあるそうです。


模型づくりは図面に従ってただ粛々と進むのではなく、設計者、ゼネコン、そして三菱地所レジデンスとの間で、物件の詳細を確認し、最終的な仕様を決めていくことにも役立っているのです。

図面や完成予想パースと照らし合わせながら、1棟1棟チェックしていく。

細かい部分の色や素材感をチェック。

樹木の形状もひとつずつチェック。

修正点を記したテープ。エントランスの上のコンクリートの色合いを修正。

「すそ 広げる」。樹木の形状を修正。

模型づくりのこだわり

模型づくりにかかる期間は、2カ月〜3カ月。図面が届いたら制作途中での変更や修正がないように、図面を入念にチェックし、設計事務所やゼネコンと打ち合わせします。途中での変更や修正が少なければ少ないほど、模型の仕上がりはキレイになります。


そしてアートモデルが特にこだわっているのが、彼らが「ピン角」と呼ぶ、模型の角の美しさ。レーザーカッターで切り出したパーツは、実はそのままだと「丸み」があり、スタッフが手で断面を直角に整えていきます。ほんの少しの丸みや歪みでも、大きな模型になるととても目立つので、この手作業は欠かせません。人の手が生み出す精度は、最新のレーザーカッターよりも優れているのですね。


多くの人の手やチェックを経てつくられた模型は、1棟ごとに分割され、モデルルームに運び込まれ、最終的に組み立てられます。


次にモデルルームで模型を見る機会があったら、完成後の暮らしをイメージしていただくのはもちろん、少しだけ模型づくりに携わった人たちのことを思い出してみてください。

お話を聞いたアートモデル株式会社の三宅正浩さん。「設計変更や修正があるのは当たり前。そこを入念に打ち合わせて、キレイにスピーディーに仕上げることが我々の誇りです

取材・撮影協力:アートモデル株式会社
Text:太田綾子
Photo:鈴木真弓(H2studio)

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