「ずっと住みたい」と思うマンションを、自分たちでつくる 〜ミッドオアシスタワーズ管理組合 理事長インタビュー

「ずっと住みたい」と思うマンションを、自分たちでつくる
〜ミッドオアシスタワーズ管理組合 理事長インタビュー〜

パーティールーム、ビューラウンジ、キッズルーム、マルチサウンドルームなど、さまざまな共用施設を備えたミッドオアシスタワーズ(神奈川県相模原市)。充実した共用施設については前回ご紹介しました(マンションの共用施設はこんなに充実!実際の楽しみかたレポート)。

施設もさることながら、注目したいのは年に約15回もイベントを開催し、毎回100〜200名が参加しているという管理組合の積極的な取り組み。705戸のビッグコミュニティでどのような運営がなされているのか。2010年の入居時からその運営をリードされているミッドオアシスタワーズ管理組合の理事長にお話をうかがいました。

できることは、何でもやってみる


インタビュー中、理事長が繰り返し口にしたのが「とにかく、やってみる」という言葉です。この言葉の通り、入居から現在までの約5年間でさまざまなことを実行してきました。その一例が管理組合の総会に「電子投票システム」を導入したこと。

各種書類の提出や管理をパソコンやスマートフォンでも行えるこのシステムをマンションで導入したことは、「分譲マンション総会で初の電子投票」と新聞に取り上げられたほどでした。

「やらないでアレコレ言うよりはまずやってしまう。しかしそれでは、ともすると独善的になってしまうので、しっかりと意見を聞くようにしています」

実行力の背景には反対意見に、丁寧に耳を傾ける姿勢がありました。

「反対意見は心情的にイヤだと感じている場合と、そもそも誤解されている場合があります。それらすべての意見を聞いて、きちんと回答しています」

十分に意見を聞き、丁寧に回答することで実際に新しい取り組みがスタートした後で反対する人は少なくなるのだそうです。ちなみに、理事が居住者を代表として名前を出して活動していることを踏まえ、要望書などはすべて記名を原則としています。匿名にするとどうしても無責任な意見も出てきてしまうそうです。

やってみたいと思ったことはまず何でもやってみる。そして「イベントなどを実施した後には必ず反省会を行います。そして課題があれば、次に改善するようにしています」

そんな努力もあり、今までのイベントで大きな失敗をしたことは思い当たらないそうです。

「コミュニケーションの場所は常につくる必要があると考えています。なので手をかえ品をかえ何でもやってみます」

常駐する管理員さんも一緒にアイデアを出して協力しています。例えば「管理室に誰もが気軽に顔を出せるように」との思いから、水槽を置いて飼いはじめたメダカは子どもたちに大人気。


みんながエサをあげたがって子どもたちが管理室から離れなくなるほど。管理員の高徳さんがひよこ30羽を持ってきた時は反響が大きすぎて通路に人だかりができてしまうほどでした。

「メダカやひよこなど、お金をかけずに皆が喜ぶことを常に考えています」

マンションの運営はビジネスと同じ

「管理組合での取り組みは居住者全員で話し合って進めることが理想ですが、700を超える世帯数があるなか、話し合いによる合意形成は現実的ではありません。だから会社的・ビジネス的な運営をしようと思っています。つまり理事会を管理組合員に対してサービスをする“サービス業”と位置づけています。そして管理組合の組合員、つまり居住者は“お客様”です。サービス業である理事会の目的は、お客様である居住者にご満足いただけること。満足度をはかる大切な指標のひとつとして、“施設の利用稼働率”があると考えています」

もちろん理事会役員もサービス提供側であると同時に、居住者のひとりとしてサービスを受ける側にもなります。組合員に対してより良いサービスを考え、実行することは自分自身のメリットにもつながってきます。


さらにビジネスの視点でみると、利用されていない施設があれば改善してお客様が使いやすくするのは当然の取り組みとなります。そんな視点から自動販売機の設置場所にもこだわっています。

「1階のパーティールームの近くに自動販売機コーナーがあるのですが、居住者の動線上にないのであまり使われていません。そこでそもそも飲み物を買うのはどんな場面、どんな時だろうと考え、“ちょっとした待ち時間に、何か飲みたくなるのでは”と予想して機械式駐車場の横にも設置してみました。そうすると特に冬の利用が好調で、今では月に4,000本も売れるようになりました」

寒いなかで車が出てくるのをただ待つだけではなく、ほんの数分とはいえ温かいものを飲みながら待つことができれば、ちょっとしたリフレッシュにもなります。機械式駐車場の近くに自動販売機を設置したことは居住者に便利さやリラックスした時間を提供するとともに、管理組合には販売手数料の増加という効果を生み出しました。

「705世帯の管理組合の運営はもちろん大変なこともありますが、メリットも大きいと感じています。費用がかかる取り組みでも、705世帯で割ると1世帯あたりの負担はそれほどの金額ではなくなります。また規模があれば、さまざまな業者さんとの交渉にも有利です。これだけの世帯数だから実現できることがあります」

使いやすくなるなら、規約をかえればよい

居住者にとって施設が利用しやすくなるなら手間がかかる規約変更もいとわないのが理事長の方針。5年間で変更した規約数は30を超えています。

例えばマルチサウンドルームは当初、あまり利用される人がいなかったので、カラオケの設置や規約を変更して24時間利用、飲酒もできるようにしました。その結果、利用者が急増したそうです。

「施設が使いやすくなれば、居住者の皆さんは我々が想定していたこと以上の使い方を発見します。具体的にはマルチサウンドルームではカラオケを導入した後から楽器の練習をする人が増え始めました。カラオケが楽しめる=防音がしっかりしていると認識した人が増えたわけです。大人の趣味だけでなく、中高生が部活動の吹奏楽の練習に使うケースも出てきています」

「規約を総会でいきなり変えようとするといろいろな反対意見が出てきて難しい、と他のマンションの管理組合の人から聞いていました。だから規約を変える前にお試し期間を設けて、とりあえずやってみることにしています。マルチサウンドルームの24時間利用、飲酒可能もまずは試しにやってみました。お試し期間の後の総会で“問題なさそうだから変えましょう”という流れです。問題がないことを皆が認識できれば話も早いですから」

管理会社と一緒に、良いマンションをつくり上げる

ミッドオアシスタワーズは三菱地所コミュニティ株式会社が管理を担当しています。

「他のマンションでは管理費の削減とか管理会社を変更するといった意見も出てくるようですが、ここではそういった話は出てきていません。管理組合は管理会社にマンションの管理業務を委託してはいますが、上下のある関係ではなく、できる限りフラットなパートナー関係を築いていきたい。結局、最後に大切になるのは “人”ですから管理会社を信じて一緒にやっていく、そういう姿勢も大事だと考えています。仮になにか問題があっても一緒に取り組んでいくことで状況は変わってくると思います」

理事長の言葉に対し「その期待に応えるように我々も頑張ります」と管理を担当している三菱地所コミュニティ町田支店の當房さんが笑顔でこたえます。管理組合と管理会社が二人三脚で住みやすい環境をつくり上げていることを実感した瞬間でした。

その一例として、ミッドオアシスタワーズでは当初は導入していなかったカーシェアリングサービスを管理組合と管理会社が協力して導入しました。しかも事業者に駐車スペースを提供し、居住者以外の近隣住民や隣接したショッピングモールに買い物に来た方も利用できるようにすることでカーシェアリングサービスを負担なく導入することができました。

「他のマンションではやらないことをどんどんやる。日本初が大好きなんです。いろいろな取り組みを積極的に行っているので転勤等の事情で賃貸に出された住戸を買い取ってそのまま住み続けたり、家族を近くに住まわせたいからと売りに出た住戸を居住者の方が購入するといった事例も少なくないですよ」

意欲的にさまざまな取り組みにチャレンジしているミッドオアシスタワーズ。その取り組みについて話をする理事長の表情がとても楽しそうなことが印象的なインタビューでした。

Text:小林純子

Photo:鈴木真弓

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