オーナーズ・ボイスインテリアコーディネーターと工夫をこらした、モダンとクラシックが調和した部屋
2016年10月12日
理想の住みたい家についに出会った
本田多佳子さんは、ご主人がこのマンションの計画を知った時のうれしそうな表情が忘れられないとおっしゃいます。
「結婚をしてから5回ほど引っ越しを経験しましたが、主人は『ようやく終の棲み家が見つかった』と言いながら、いかにこの立地が素晴らしいかを説明してくれました」
実際に建設予定地を訪ねてみると、徒歩圏内に緑の豊かな大きな公園があり、周囲は閑静な住宅街に囲まれています。
「近くに歴史のある大学が並ぶせいか、知的で落ち着いた雰囲気があることも気に入りました。これだけの立地にはなかなか出会えないという主人の意見に、私も納得しました」

リビングルームを拡大したことで、部屋には伸びやかな広がりが生まれた。手前のソファーが憧れだったカッシーナのマラルンガ
こうして部屋を購入することが決まりました。物件選びを主導したのはご主人でしたが、どういう部屋にするのかは奥様に委ねられました。
ここで多佳子さんはひとつの決断をします。一生付き合える部屋にするために、理想の住まいづくりをお手伝いする、三菱地所レジデンスのCUSTOM EYE’S〈カスタムアイズ〉を利用しました。その中のメニューのひとつ、個別インテリアコーディネートサービスでIさんの力を借りることにしたのです。メック・デザイン・インターナショナルに所属するカスタムアドバイザーのIさんは、ご夫婦が選んだ間取りを見て、「おふたりのライフスタイルに合うすごくいい部屋を選ばれましたね」とおっしゃったそうです。
「もともとは3LDKとしても使える部屋でしたが、主人と2人暮らしなので、リビングを拡大するプランを選んで2LDKとしました。Iさんには、リビングダイニングの広さが、私たちのライフスタイルにピッタリだと誉めていただきました」
こうして、Iさんと二人三脚の部屋づくりが始まりました。
プロの技と引き出しの多さに感心する

クラシックなダイニングテーブルを部屋と調和させるために、モダンなデザインの照明を選んだ。
インテリアを考えるにあたって、多佳子さんには心に決めていたことがふたつありました。
「前の家で使っていたマルニ木工のダイニングテーブルはすごく気に入っていたので、引き続き使うつもりでした。もうひとつ、映画や雑誌で見て憧れていたカッシーナのソファーを絶対に置きたいと思っていました」
写真をご覧いただくとわかるように、ダイニングテーブルは重厚でクラシックなデザインです。いっぽうカッシーナのソファーはモダンな形です。このふたつを両立させることが、リビングダイニングのテーマとなりました。
「Iさんと相談して、モダンとクラシックのミックススタイルという方向で進めることにしました。建物も部屋もモダンなので、このテイストをベースに、どうすればクラシックなダイニングテーブルが浮かないのかに頭をひねりました」
ここでIさんは、ダイニングテーブルの真上にモダンな照明器具を配置することを提案します。
「さすがプロだと思いました。Iさんのおっしゃる通り、照明のおかげで、ダイニングテーブルが部屋にすっと馴染みましたから」

サイズはもちろん、色味まで部屋の雰囲気に合うように入念に配慮された作り付けの食器棚
リビングダイニングの食器棚を決めるにあたって、多佳子さんは「収納量を確保したいのはもちろん、飾って鑑賞できる食器棚にしたい」という希望を出しました。Iさんと相談した結果、作り付けの食器棚をオーダーすることになりました。
「ここでもプロの技に感心しました」と言いながら、多佳子さんが食器棚を解説してくださいます。
「まず、食器を飾るガラス部分を目線の高さに合わせてくれたので、お気に入りのものが自然に視界に入ってきて楽しいですね。食器棚の内側の照明も、位置を工夫することでまぶしさは感じさせずに食器をきれいに照らしてくれます。それから、飾り棚の下端(ガラス部分と引き出し部分の境目)をキッチンの高さに合わせてくれたので、部屋全体に統一感が生まれました」
3つの部屋がバラバラにならない秘密

カーテンとクッションの柄は、ともに19世紀のイギリスのデザイナーであるウィリアム・モリスの『いちご泥棒』。
ほかの2部屋のインテリアも、同じようにこだわっています。
奥様がご自身の部屋で過ごす時間が長いことと、英国風のインテリアが好みだと聞いたIさんは、さまざまなアイデアを提案してくれたそうです。
たとえば、カーテンにはモダンデザインの父と呼ばれるウィリアム・モリスの『いちご泥棒』という柄を選びました。これは奥様がもともと好きだった柄で、クッションとマットも同じ柄でそろえています。あわせて壁の一面もモリスの壁紙にして、雰囲気が一気に英国風になりました。
また、部屋で快適に過ごすために、マガジンラック付きのサイドテーブルとチェストをオーダーでつくりました。
「書斎としても使いたい」という希望を受けて、ご主人の部屋は収納部分を半分に減らし、そこに作り付けのデスクを配置しました。ご主人はデスクも気に入られましたが、Iさんが探してきた椅子の掛け心地のよさに大いに感心なさったそうです。
「Iさんの知識と、いろいろとリサーチしてくださったおかげで、理想の部屋が出来上がりました」と多佳子さんは満足そうです。
ここで、ひとつ不思議に感じたことがあります。リビングダイニングはモダンとクラシックのミックススタイル、奥様の部屋は英国調、ご主人の部屋は明るくすっきりしています。それなのに、どこか統一感があるのです。
この感想を聞いた多佳子さんが、秘密のタネあかしをしてくださいました。

ご主人の部屋のカーテンとラグにもグリーンを配することで、ほかの部屋との統一感が生まれた。
「これもIさんの提案ですが、各部屋に共通の色調のものをワンポイントで入れておくと、統一感が出るそうです。リビングダイニングのラグ、主人の部屋のカーテンとラグ、私の部屋のカーテンとクッションに近い色調のグリーンを使うことで、3つの部屋をトータルでコーディネートしていただきました」
多佳子さんのお話をうかがっていると、インテリアをコーディネートすることが、創造的で、楽しい作業であることがわかります。新しい部屋で暮らすにあたっては、こういった楽しみもあるのです。
もともと気に入って持ち込んだダイニングテーブルと、以前から憧れていたソファーのふたつがうまく融合して、多佳子さんはお気に入りのモノに囲まれた素敵な生活を送っています。
その他の写真

内側にレース、外側にドレープを配置した電動カーテンの組み合わせ。昼と夜では部屋の表情が変わるところが多佳子さんのお気に入り。

キッチンとは別に、リビングにも飾り棚の付いた食器棚を置く。

位置と明るさにこだわった飾り棚の照明に、切子のグラスが映える。

飾り棚の食器は、季節や気分に応じて適宜入れ換えているという。

山形緞通の『KOKE』というラグは、隈研吾さんがデザインしたもの。

一生ものとして末永く愛用したいという、マルニ木工の『地中海ロイヤルシリーズ』のダイニングテーブル。

窓のない廊下に2つの鏡を置くことで、光がまわり込み開放感が生まれた。これもIさんのアイデアだとか。

玄関に置いたテーブルは、宅配便を受け取った時の認め印を押したり、靴を履くときに手をついたりと控え目ながら役に立つという。
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- 「オーナーズ・ボイス」の記事内容は、オーナー様の感想や体験に基づくものです。