プロフェッショナルの目線 Vol.13 この春スタート、植物を育てる暮らし。

プロフェッショナルの目線 Vol.13 この春スタート、植物を育てる暮らし。

[暮らしのアイデア]

2018年05月09日

初心者でも失敗が少ない植物の選び方と室内向けの育て方を園芸のプロフェッショナル・佐藤健太さんから学びます。

話=佐藤健太(『プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店』店長)
都立園芸高等学校卒業後、2008年に株式会社プロトリーフ入社。現在は都内最大級の園芸店店長として、初心者でも安心してグリーンライフが始められるよう、セミナーやイベントの企画にも注力する。

text by Seishi Isozaki
photos by Ippei Okuda, Noki Seo

point1

観葉植物を家のシンボルに。

ゴムの木をシンボルツリーとしてリビング・ダイニングに設置した例。

ゴムの木をシンボルツリーとしてリビング・ダイニングに設置した例。

野山で新緑が芽吹く4〜5月にかけては、園芸ショップに並ぶ植物の種類が1年でいちばん多くなる季節。お好みの植物を"選ぶ楽しみ"が増えるので、ご自宅に新しくグリーンを取り入れる、最高のタイミングといえるでしょう。園芸イコール屋外というイメージがあるかもしれませんが、屋内でも工夫次第でさまざまな植物を育てることができます。土をまったく使わずに育てたり、小さな容器で育てたりする方法もありますから、気軽に植物と親しんでいただきたいと思います。

室内で育てる植物の代表格といえば、インドゴムノキやモンステラ、パキラ、ポトスなどに代表される鉢植えの観葉植物。アジアンタムなどのシダ植物や、ウツボカズラやモウセンゴケのような食虫植物も観葉植物として出回っています。なかでも丈夫で、園芸初心者でも育てやすいのが「フィカス」と呼ばれるゴムの木の仲間。とくに「フィカス・ウンベラータ」と、「フィカス・ベンガレンシス」という品種はインテリア性が高く、一般のご家庭のほか、店舗のインテリアにも広く使われています。フィカスは健康な状態なら20〜30年は当たり前に育ち、正しく世話をすれば一生涯付き合うことも可能。枝ぶりがよくて存在感も抜群なので、新築や引っ越しの記念に一鉢求め、家族が集うリビングなどで、"シンボルツリー"として育ててみてはいかがでしょうか。

フィカスは日光を好むので、窓のない空間には適しません。平均して年に15センチほど育ち、枝が横にも伸びるので、採光が十分にとれる、広い場所に置くようにしてください。もしテレビの横などの狭いスペースや、玄関や廊下など、人が頻繁に通る場所にしか置けない場合は、フィカスだと少々邪魔になるかもしれません。リュウゼツランの一種であるドラセナのように、縦にまっすぐ伸びる品種を選んだほうがいいでしょう。


観葉植物全般にいえるのですが、水のやりすぎ、手のかけすぎで弱らせてしまう方が時々います。もちろん大切に育ててはいただきたいのですが、僕はあえて「かわいがり過ぎるのはよくないですよ」と、お客様にお伝えするようにしています。

枕選びのポイント

フィカス・ベンガレンシス(左)とフィカス・ウンベラータ(右)は、レースのカーテンが掛かった窓辺などに置き、直射日光を避けて日に当てるとよく育つ。春夏は3~4日に1回、秋冬は7~10日に1回程度水やりをするほか、葉に霧吹きをかけるとよい。購入後、1~1年半を目安に一回り大きな鉢に植え替えを。

枕選びのポイント

ドラセナ・ワーネッキー・レモンライムは、黄緑色に濃い緑色の斑が入った葉が美しく、部屋に明るい雰囲気をプラスしてくれる。たっぷりと水やりした後、土をしっかり乾かす期間を設けるのが、うまく育てるコツ。

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水で植物を育てる。

ハイドロカルチャーのサンスペリア(右)、モンステラ(中)、セローム(左)。小さな鉢なら卓上に置いて楽しめる。

ハイドロカルチャーのサンスペリア(右)、モンステラ(中)、セローム(左)。小さな鉢なら卓上に置いて楽しめる。

キッチンやダイニング、ベッドルームなど、家の中でも特に衛生面に気を使う場所に植物を置きたい場合は、土を使わずに育てる「ハイドロカルチャー」を試してみるといいでしょう。ハイドロカルチャーは水耕栽培の別名で、その原理は豆苗などの根元を水につけて育てるのと同じです。観葉植物の場合は土の代わりに「ハイドロボール」というセラミック製の粒に植え、鉢の底が常に水にひたった状態で育てます。

土で植物を育てていると、場合によっては小さな虫が発生することがあるのですが、ハイドロカルチャーでは腐葉土やたい肥といった有機物を使わないので、虫やカビがつきにくく、臭いもありません。観葉植物ならほぼ全てハイドロカルチャーにできますが、土で育ったものを水耕栽培に変えて育てられるわけではありません。必ず水耕栽培で育った苗木で始めるようにしてください。植物は環境の変化に弱いので、元々育った条件を維持するほうがいいのです。

ハイドロボールには栄養分が含まれない。定期的に専用の肥料を与える必要がある。

ハイドロボールには栄養分が含まれない。定期的に専用の肥料を与える必要がある。

昨今人気のサボテンや多肉植物は、残念ながらハイドロカルチャーには向きません。また「キッチンで育てたい」という方が多いハーブも、もともと雑草だっただけあって、屋外で土に植えると旺盛に繁殖するのですが、室内ではなかなか育ってくれません。ミントやタイム、ローズマリーなど、料理に使うハーブは無理に育てようとせず、ある程度育った苗を買い求めるほうがいいでしょう。そして、葉を使い切ったら新しい苗に買い換える。そうして楽しんではいかがでしょうか。全体の3割程度を残しながら収穫すると、長く楽しむことができます。

目線3

雑貨のように植物を飾る。

種類が多く、固体差も大きいので、選ぶ楽しみがあるエアプランツ。根にはからみつく性質があり、葉からも水や養分の吸収を行うのが特徴で、本来は岩肌やほかの樹木に着生して生育する。室内では、風通しがよい場所で、直射日光を避けて育てるとよい。流木などと組み合わせ、オブジェのように飾ると様になる。

種類が多く、固体差も大きいので、選ぶ楽しみがあるエアプランツ。根にはからみつく性質があり、葉からも水や養分の吸収を行うのが特徴で、本来は岩肌やほかの樹木に着生して生育する。室内では、風通しがよい場所で、直射日光を避けて育てるとよい。流木などと組み合わせ、オブジェのように飾ると様になる。

ハイドロカルチャーよりもさらに手軽なのが、育てるのに土も鉢も必要がない、「エアプランツ」と呼ばれる植物です。ユニークな形もさることながら、ガラスやブリキの器に入れたり、ワイヤーバスケットに入れて吊るしたり、何かにからませたりと、飾り方のバリエーションが多いことから人気があります。植物というより、雑貨に近い感覚で飾ることができ、デスクやシェルフなどに、直に転がしておくことができるのも、ほかの植物にはない魅力といえます。野生のエアプランツは空中の水分を吸って生育するので、室内で栽培する場合も水やりをしなくていいと思っている方が多いようですが、それは違います。とはいえ、1〜2日に一度、霧吹きで全体に湿り気を与えるだけで済むので、鉢植えの植物に比べたら、世話は格段に楽です。

テラリウムは、夏以外はふたをして育てるのが基本だが、気密性が高すぎると蒸れるので、かぶせるタイプのふたかコルク栓の容器を選ぶ。背の高さが違う苔を組み合わせたり、シダの仲間などを加えると、メリハリが出る。

テラリウムは、夏以外はふたをして育てるのが基本だが、気密性が高すぎると蒸れるので、かぶせるタイプのふたかコルク栓の容器を選ぶ。背の高さが違う苔を組み合わせたり、シダの仲間などを加えると、メリハリが出る。

エアプランツと同様、雑貨感覚で飾れることから、近年急激に人気が高まったのがテラリウムです。テラリウムはふた付きのガラス容器の中で植物を育てるスタイルの総称で、苔をメインに栽培します。本を読める程度の明るさがあれば育てられ、蛍光灯やLED照明の光を当てれば十分。場所もとらないため、窓のない狭い場所、たとえば洗面所やトイレなどにグリーンを取り入れたいという方にはおすすめです。書斎のデスクや本棚に置いても、目を和ませてくれるでしょう。テラリウムも、世話は週に1回程度霧吹きするだけですから、忙しい方でも育てやすいと思います。

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