ザ・パークハウス ものづくりの、物語。空と絶景を望む、別荘邸宅 ~ひとまちストーリー vol.1~
2021年07月28日
多摩丘陵の面影を残す、あざみ野の丘の頂。
落ち着いた住宅街を抜けて、美しい街路樹に導かれるように
歩を進めるとその住まいは姿をあらわす。
<ザ・パークハウス あざみ野一丁目>。
南に傾斜した敷地を存分に生かした広い空と絶景を望む
低層レジデンスは、どのようにして誕生したのだろうか。
あざみ野の記憶を継承する、緑に憩うランドスケープ。
<ザ・パークハウス あざみ野一丁目>のコンセプトは、“自然の中に佇む別荘邸宅”である。そのテーマを導き出した理由について、用地取得時から設計に携わりプロジェクトを牽引した横井は語る。
「あざみ野はかつて多摩丘陵の特徴をそのままに映す森や山が広がる地域でした。当物件の計画地も同様に、多くの木々が生い茂る緑豊かな立地。この面影をできるだけ壊さないように、記憶の継承をはかることが重要なテーマだったんです」。
多摩丘陵の面影を残す、自然豊かなあざみ野の風景(物件より約500m)
自然に囲まれた暮らし。都心にはない穏やかな時間。ヒルトップの立地を活かした優雅な生活。そんなキーワードが次々と頭に浮かんだ。そしてコンセプトを具現化するために、まずは用地取得時の配棟構成を見直すことから始めた。
多くのマンションではエントランスやラウンジなどの共用施設が住棟の1階部分に配置される。しかし当プロジェクトでは、あえて住まいとは別の棟に分離。住棟と外界をつなぐ緩衝エリアをつくり出した。
「エントランスまでの『引き』がつくれたことで、街路樹に導かれるような住まいへのアプローチが完成しました」。
植栽が誘う、別荘邸宅のようなエントランスアプローチ。
配置を見直し、「引き」をつくることで街並みとの調和を生み出す。
街とつながり、自然豊かなあざみ野の面影を感じられる<ザ・パークハウス あざみ野一丁目>エントランスアプローチ
やすらぎを提供し、愛着を深める共用部の仕掛け。
天然木が連続するエントランスホール「導きの壁」
「エントランスに至るまでのアプローチ部分には、日常と非日常をつなぎ、オンからオフへと切り替わるスイッチのような役割を持たせたかった。植栽計画においても、背が高くアプローチを包み込むような構成としました」と横井は言う。その言葉の通り、木の葉を揺らす穏やかな緑陰が帰宅する居住者を迎え入れる。
棟内のエントランスホールは『導きの壁』と名づけた。列柱状に壁面を埋める杉板には天然木を使用。間接照明の薄明かりに照らされた通路には、ほのかに杉の香りが漂う。「居住者の方に、毎日ここを通るのが楽しみだと思っていただけたらうれしいですね」。
ラウンジ兼集会室は、吹き抜けの高い天井と一面のガラスウォールが印象的。その目の前に広がる中庭には至る所に自然景石を配した。街の背景を探る中で得た、「街のなかで腰を落ち着ける場所に対する満足度が低下している」という点を解消するために設けられた仕掛けだ。
天井が高く開放的なラウンジ兼集会室。開口部からはデッキ広場を望む
自然景石が配されたデッキ広場。ベンチのように腰掛けて寛ぐことができる
「人工物ではなく石という自然由来の素材を選定したのは、居住者の方の『座ってみようかな』という好奇心を誘発させるため。その場所に対する愛着をより抱いてほしかったんです」。
安心・安全を実現するために一丸となって挑む、ものづくり。
完成から3年を経た現在、<ザ・パークハウス あざみ野一丁目>の外観はまるで避暑地にある別荘のような趣で佇む。横井は言う。
「当社の掲げる『一生ものに、住む』という企業コンセプトを、私は<安心・安全な住まいをご提供すること>という風に解釈しています。当プロジェクトは、そもそもが高低差のある敷地形状。コンセプトの実現に向けては、ランドスケープを生かしながらあえて段差を加えたり、自然石を設置するなどして工夫しています。
一方で、それが当社の安全基準に適合するものかどうかについては慎重に検討を重ねました。居住者様に安心して生活していただけるよう、植栽や石の形状、配置、高さなどを数ミリ単位まで精査して計画を進めました」。
住棟を結ぶ散策路にも多くの植栽を配置し、やすらぎを演出している
竣工後、周辺住民から「景観を損ねない建物にしてくれてありがとう」「このプロジェクトが三菱地所レジデンスで良かった」といった言葉をもらったと語る横井。
「長い年月をかけて多くの関係者と、『良いものをつくろう』を合言葉に頑張ってきたことが実を結んだのだと実感できて、とてもうれしかったですね」と満足そうに語ってくれた。
「それぞれの住戸へ向かう途中にも自然のなかを歩く雰囲気を感じてほしい」と話す横井
街との良好な連続性を評価され、2019年度グッドデザイン賞を受賞
<ザ・パークハウス あざみ野一丁目>は、2019年度グッドデザイン賞を受賞。街との良好な連続性を実現する、住棟から切り離された共用棟と建築と連携した巧みな外構計画が評価された。