ザ・パークハウス ものづくりの、物語。日本の美を宿す「都心の中の別荘」。
~ひとまちストーリー vol.7~
2024年05月31日
変貌のダイナミズムの渦中にある
渋谷エリアに位置しながら、
深い緑と静謐をたたえ、低層住宅が連なる神山町。
世界的なデザイナーである
グエナエル・ニコラ氏をパートナーに
「都心の中の別荘」というコンセプトを実現した。
渋谷の第一種低層住居専用地域。4,000m2の敷地に、上質な私邸を。
渋谷、と聞くと若者や観光客でにぎわうイメージが強いが、「奥渋」と呼ばれる代々木方面にかけてのエリアは洗練されたカフェやセレクトショップが点在し、その先の神山町にはゆったりとした戸建てが並ぶ。紀州徳川家の広大な別邸跡地から生まれた歴史ある邸宅街で、渋谷駅から1km圏内と思えないほどの静けさが漂う。「第一種低層住居専用地域という建築制限の厳しいエリアに唯一無二の建物を建てたい。その想いから、ザ・パークハウスの中でも都心立地を選び抜き、最高水準のグレードを目指したザ・パークハウスのフラッグシップシリーズである『グラン』を計画しました」。
渋谷区の第一種低層住居専用地域に初のグランシリーズが誕生
「グラン」の計画にあたり、久留島はGINZA SIXをはじめ国内外の商業施設やホテル等を手掛けてきたフランス人デザイナー、グエナエル・ニコラ氏にデザイン監修を打診した。「渋谷を拠点に活動され、事務所・ご自宅ともお近く、この場所を熟知したニコラ氏にデザインを依頼しました。デザイン設計の上で、この土地を、街並みを、そして実際の空気感をご存じだったことは大きな強みであり、期待感がありました」。

「渋谷区初のグランでしたので、唯一無二のものにしたいという思いがありました」と久留島氏

1998年に渋谷区に株式会社キュリオシティを設立し、世界で活動するニコラ氏
エネルギッシュな「都心の中の別荘」。木調ルーバーが美しい風景を描き出す。
現地を訪れると、木調のルーバーをめぐらせた象徴的なゲートが出迎える。「ゲートは奥に向かって緩やかにカーブし、エントランスが見えない形状です。通路の真ん中に光壁があり、変形・角度をつけ、全部を見せないことで空間の楽しさを演出しています」。

象徴的なゲート。外からはエントランスが直接見えず、プライバシー性も保たれる

影まで美しい木調ルーバー。「和」のディテールは物件の随所に
〈ザ・パークハウス グラン 神山町〉のコンセプトは、「都心の中の別荘」。ダイナミックな渋谷の喧騒から離れ、ゆとりを持って暮らせる場所にしたい、とニコラ氏が提案したものだ。「タイムレスなデザインは、日本文化に由来するものです。『住み継がれてきた日本建築に宿る感性はとても大事。そのエッセンスを取り入れたい』と言われ、木調ルーバーやボーダータイル等、全てのマテリアルにもこだわりました」。木や土壁を思わせる質感はおだやかな雰囲気を醸し出し、周囲に圧迫感を与えない。4,000㎡の広大な敷地に建つマンションである事を忘れてしまうほどだ。その一方で、和に振り切らないモダンな外観は現代の街に美しく溶け込んでいる。
最高水準はデザインだけに留まらない。車寄せや車の出庫を待つためのコーチラウンジや居住者専用のエントランス、高低差のある土地を活かしたプランニングなど、住まい手のことを徹底して考えた物件となっている。

エントランスの先には坪庭のような空間が。左奥にはコンシェルジュスペースも

柔らかな光は行灯をイメージ。日本の「お迎え」「おもてなし」の精神をたたえる
光の表現から石の種類まで。
細部まで妥協せず、最高水準へと至る。
本物件は照明器具に調光システムを導入し、光の演出が特徴的だ。「家に帰ってきた『安心感』を得ていただけること、そして気持ちのいい空間になるようつくりこんでいます。内部の共用廊下は照明を朝昼・夜・深夜の3パターンで調光し、お客様が外出時や帰宅時に『時』を感じられる演出もしています」。

暗くなるとライトアップする試みは「ザ・パークハウス」シリーズ初。バルコニーのルーバーは試作品を作製し、何度も検証を行った

内廊下の調光バリエーションは、日常に小さな発見を生みだす効果も
光については、建物に中庭(吹抜け)を設け、各部屋の窓から採光できる工夫も。その中庭には「別荘=自然」というコンセプトから緑色の石と枝をイメージした鉄の棒のアートで自然を表現した。「石は肉眼での確認が重要なので、中国のアモイ市から車で5〜6時間の石切り場まで探しに行きました」と久留島。細かな部分にも妥協せず、先へ上へと積み重ねる。まさに「グラン」の精神を体現する住まいとなった。

緑色の石は自然光で色褪せするものが多い。退色に強い九龍石は希少な存在
「内覧会でお客様に『街並みになじんでいて、元からここに建っていたようだね』とご感想をいただき、とても嬉しかったです。変化していく渋谷を常に感じながら、別荘のような領域の中に暮らす。この立地にふさわしいホスピタリティが感じられるレジデンスが実現したと考えています。今後も、無駄を恐れず、妥協に走らず、常にひとつ上、ひとつ先を望み続けてものづくりに挑戦していきたいと思っています」。
和の趣と、現代的な心地よさ。日本を拠点に活躍するニコラ氏の哲学が反映されている