A001 「洗濯について」のアンケート報告

実施期間 平成23年12月21日〜平成24年1月9日
回答者数 644人

2011年12月21日〜2012年1月9日の期間に実施した「洗濯について」のアンケートには、644人の方からご回答をいただきました。
回答者の年齢分布はやや高く、40代の女性を中心に幅広い方々からご回答をいただきました。男性からの回答も43%と多くのご意見をいただきました。

このアンケートでは洗濯のしかたや、洗濯機の置き場所、干す場所、アイロンをかける場所など洗濯動線の要となることについて伺ってみました。すべての回答結果は近々公開する予定ですが、このレポートでは「洗濯物の干し方」を中心に考察をしてみたいと思います。

 

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1.洗濯機と乾燥機の使用頻度について
1日に何回洗濯するかという質問では、1回が38%、また4回以上という方まで合わせると80%になり、週に2回〜3回くらいという方よりも毎日洗濯する方のほうが圧倒的に多いことがわかります。

 

1日に何回洗濯するか<グラフ>

 

次に洗濯乾燥機についてですが、1日に何回乾燥機を使うかという質問では、1日1回以上の方が28%ですが、一方使わない方は53%と半数以上の方が使っていないようです。今回は洗濯乾燥機を持っているかどうかをお聞きしていませんので、持っている方がどのくらい使っているかまではわかりません。

 

1日に何回洗濯乾燥機を使うか<グラフ>

 

浴室乾燥機については、33%もの方が使うと答えています。時々使う人も含めると53%です。近年、浴室乾燥機の性能が急速に向上しているのも理由のひとつでしょう。洗濯乾燥機と併用している方もいるのでしょうか。浴室乾燥機だけで足りているという方もいるのでしょう。このあたりはもう少し調べてみる必要がありそうです。

 

浴室乾燥機は使うか<グラフ>

 

 

2.洗濯物をどこに干しているか、どこに干したいか
洗濯物をどこに干しているのかをお聞きしたところ、一番多かった回答はバルコニーですが、その他にも洗面化粧室および浴室、リビングなど、大きく分かれました。ここはアンケート結果をひとつの方向性にまとめてしまうよりも、それぞれの干し方や動線を考えた方がよさそうです。共働きの方と専業主婦の方を比較すると、共働きの方のほうがリビングで干している割合が高いようです。昼間家にいない間にリビングで干しておくことは、突然の雨への対応や、夜遅く帰ってくることを考えるとうなずけます。

 

洗濯物をどこに干すか<グラフ>

 

また、洗濯物をどこに干したいかの質問では、約半数の方がバルコニーと答えています。共働きの方と専業主婦の方を比べると、専業主婦の方のほうがバルコニーで干したいという願望が強いようです。昼間家にいる時間があれば、太陽の下で干したいということも理解できます。

 

洗濯物をどこに干したいか<グラフ>

 

 

3.洗濯物をどこでたたんでいるか、どこでたたみたいか
洗濯物をどこでたたんでいるかの質問では、リビングの一角という回答が一番多く、どこでたたみたいかといいう質問では家事コーナーと答えた方が圧倒的に増えているのも特徴的です。現状では家事ルームをお持ちの方が少なく、家事コーナーがあったらという意味にも読み取れますが、同時にリビングや和室でたたみたいという方も多いことから、洗濯物のたたみ方は実に多様であることがわかります。これは、住んでいる家の間取りによっても大きく左右されるところでしょう。

 

洗濯物をどこでたたんでいるか<グラフ>

 


4.洗濯物を干す際に気になること(室内および室外)
洗濯物を干す際に気になることを聞いたところ、多くの回答が寄せられました。特に室内干しではカラっと乾かないという不満に加え、室内が狭くなる、見た目が気になるといった声が目立ちます。一方外に干す際には、匂いや汚れがつくなどのほか、洗濯物を干すフックなどの設備や、洗濯物が見えない工夫が求められているようです。

 

室内干しで気になる事<グラフ>

 

室内干しでのフリーアンサーでは、以下のような回答をいただきました。

●生活感があって雑然としたかんじになるのが嫌だがしかたない。
(女性/40代/夫婦世帯/共働き)

●見た目に美しくない。曇りの日は乾かない。
(女性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

●リビング、ダイニング、キッチン一体型のスペースに干していますが、お料理をした際の匂いや煙が洗濯物に付着しているのでは?と気になります。
(女性/40代/夫婦+子ども世帯/専業主婦)

●みっともないので絶対に干さない、ただ厚手のタオルなどどうしても乾燥機だけでは乾ききらないものはベランダの手前に外に見えないように干すこともある。
(女性/30代/夫婦+子ども世帯/その他)

●洗濯物を干す専用の部屋は無いので、部屋に生活感が出て落ち着かない。見苦しい。
(女性/30代/夫婦+子ども世帯/共働き)

●干す場所や、引っかける鴨居などがちょうどよい位置や、形状に適していない。
(女性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

 

 

外に干す際に気になること<グラフ>

 

外に干す際に気になることへのフリーアンサーでは、以下のような回答をいただきました。

●都内は空気がよくないないので、粉塵がつくため、干さない。
(女性/40代/夫婦世帯/共働き)

●基本的にマンション自体がベランダには干さない規約になっている。
(女性/30代/夫婦+子ども世帯/その他)

●上階の住人が布団など、ほこりやごみをはたくので、風向きによってせっかく洗ったものにつきそうで気になります。
(女性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

●洗濯物が壁にあたると汚れてしまう。
(女性/30代/夫婦世帯/共働き)

●ベランダに干した際、鳥の糞、他の部屋の喫煙者がベンダで吸った煙草の煙、  他の部屋の換気扇からのニンニクなど臭気が洋服に付着する事。
(男性/50代/ひとり暮らし)

●天気がよい日は羽布団を干し、シーツ、タオルケット、ベッドカバーなどを洗濯し、家族分がいれば全員分まとめて干したいがスペースが、マンションにはポールをかけるスペースも高さも足りない。
(女性/40代/ひとり暮らし)

 

 

5.バルコニーの利用のしかたとサンルームについて
洗濯物を干す場所はバルコニーと答えた方が43%と一番多いのですが、バルコニーの利用のしかたについてもう少し考えてみたいと思います。「バルコニーに洗濯室があったら便利だと思うか」という質問に対して、思うと答えた方は38%、思わないと答えた方は37%とほぼ同じ割合でした。意外にも多くの方がバルコニーに洗濯機があればと感じているようです。さらに「バルコニーにシンクがあったら便利だと思うか」という質問に対しては、実に66%もの方が思うと答えているのも特徴的です。バルコニーが干す場所としてだけではなく、さらに使い勝手がよくなることを望んでいるということなのでしょう。洗濯室については具体的なイメージがつきにくいかもしれませんが、フリーコメントでは雨風にさらされなければいいと思うといったコメントや、リビングからつながるサンルームのような場所があればという要望も多く見られました。

 

バルコニーに洗濯室があったら便利だと思うか<グラフ>

 

バルコニーにシンクがあったら便利だと思うか<グラフ>

 

フリーコメントです

●バルコニーと寝室の間にサンルームのようなところがあるとうれしいです。
(女性/40代/夫婦世帯/共働き)

●洗濯機も置けるサンルームに干すのが理想。
(女性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

●バルコニーは外に面しているので(外気に触れるので)冬の寒さに耐えられずお洗濯が億劫になりそうです。
(女性/60代/ひとり暮らし)

●バルコニーというか、ガラスで覆われたサンルームが洗濯室、というのが理想。
(女性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

●風雨にさらされなければいいと思う。
(女性/30代/ひとり暮らし)

●ベランダに雨が降っても大丈夫な洗濯物を干す専用のスペースがほしい。
(女性/30代/夫婦世帯/共働き)

 

 

6.洗濯物を干した後の洗濯動線について
洗濯をして、干して、たたむといった一連の洗濯動線については、上述のサンルームを含む洗濯専用の部屋や、家事コーナーの要望が多く寄せられました。また、洗面化粧室で干してそこでたためるスペース、浴室に干して洗面化粧室でたたむなど、洗濯機や干し場から移動せずに干して、たたんでしまいたいという要望が目立ちます。

 

以下フリーコメント

●お洗濯→干す→たたむ→アイロンがけをするを全てこなせる専用の部屋が欲しい。
(女性/40代/夫婦+子ども世帯/専業主婦)

●リビングではなく、廊下でもない、多機能な部屋で雨が降ってもぬれなくて、換気の良い小さな部屋がほしい。
(女性/50代/夫婦+子ども世帯/共働き)

●洗濯物も干せる家事コーナーがあるといい。
(女性/30代/夫婦世帯/共働き)

●バルコニーの脇に作られた室内テラスのようなスペースがほしい。
(男性/40代/夫婦世帯/専業主婦)

●洗面化粧台に干して、そのままの場所でたたみたいです。
(女性/40代/ひとり暮らし)

●浴室で干した洗濯物を洗面化粧室でたたみたい。
(女性/30代/夫婦世帯/共働き)

 

 

7.家族に手伝ってほしいこと
家族に手伝ってほしいことを聞いたところ、27%の方がたたんでほしいと答えているほか、実に40%もの方がたたんだ物を収納スペースに持っていってほしいと考えていることが分かりました。洗濯の一連の作業のなかでもたたむ作業は手間がかかるということなのでしょう。また、たたんだ物はどこに仮置きして、いつどのように持っていくのか、あるいは持っていってもらうのかということについては、もう少し考えてみる必要がありそうです。

 

家族に手伝ってほしいこと<グラフ>

 

収納場所はどのようにしたいか<グラフ>

 

 

8.まとめ
今回の考察では、洗濯物の干し方について、大きくは(1)バルコニー派、(2)洗面化粧室(浴室も含む)派、(3)リビング派(和室も含む)の3つに分かれていると考えてみました。バルコニー派の方は、サンルームのようなバルコニーに面した洗濯室がほしいという希望が多く見られました。また一方、洗面化粧室派(浴室を含む)の方は、洗面化粧室が家事室としての役割を十分に担うスペースになっていることが理想のようです。そしてリビング派の方は、リビングの一角に家事コーナーがある事を望まれるようです。今回の結果から想像できるバルコニー派、洗面化粧室派、リビング派のそれぞれの理想の間取りについては、あらためて提案したいと思います。

また、洗濯の干し方とは別に、たたむこと、たたんだ物の収納場所にはもう一つの課題があるようです。家族それぞれが自分の洋服を管理することが理想でありながらも、複数箇所への収納は手間のかかるものであり、家事の側面から考える理想の収納場所と実際に使い勝手のいい収納場所には矛盾がありそうです。このあたりについても、あらためて考えてみたいと思います。
 
 
洗濯についてのアンケートから考えた5つのプラン(→こちら
 
 
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