#15 ものの持ち方(みんなのユーティリティ)

この50年ほどで、私たちの持ちものの量ははるかに予想を超えて増え続けてきました。現在のマンションの設計では、収納量は床面積の5%から10%を目安にしていますが、それではとても足りないというのが実情でしょう。特に長く住めば住むほど、ものは蓄積され、思い出とともに捨てられないものも多くなるのが一般的です。訪問調査をすると、一部屋が収納部屋になってしまっているというのはよくある風景です。ふと考えてみると、収納のために家をつくっているような気さえします。

そこで収納について3つの考えをまとめてみました。

 

1 家の中に大きな納戸をつくる
2 家の外、マンション内の外廊下や地下室に納戸をつくる(温度・湿度管理付き)
3 街の中のトランクルームサービスを使う

 

下の図は、まず始めの納戸案の間取りです。

図

 

つくりつけの収納も最初は便利ですが、やがてもので一杯になったり、どこに何がしまってあるかわからなくなったりもします。この図のように家の中のものをすべて一ヶ所に集めて一目で何がどこにあるかわかるようにする、そして使ったらしまうというのはどうでしょうか。日常使いの最低限のものだけを置家具にしてみました。暮らしの変化にあわせて家具も変えたり移動したりできるようにするのはいかがでしょう。

 

さて2つ目の案ですが、マンション内の廊下や地下室などに納戸をつくるというのはどうでしょう。その場合、家の中にもある程度の収納は必要になりますが、季節以外の衣服やこたつなどの家具、たまにしか使わないレジャー用品、来客用の布団など、その他雑貨類などを入れておけると便利です。

 

そして3つ目の案は、街の中のトランクルームサービスを使うという方法です。家の外、マンション内の納戸と同じようですが、さらに利用頻度の低いものをわけてこうしたサービスを活用すれば、家の中の貴重なスペースを有効に使えるでしょう。さらには、マンションの管理人やコンシェルジュがこのような街の中のトランクルームのものを出し入れしてくれたり、お願いすれば宅配ロッカーに入れておいてくれるなどのサービスがあったらいいと思います。

 

このように、収納についての3つの方法をあらためて考えてみることで、本当に必要なものは何かということを考えるきっかけになるかもしれません。みなさんはどう思いますか。

 


今回のあったらいいな

家の中の納戸に可動収納棚

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マンションの廊下や地下室に納戸

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街の中のトランクルームサービス

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