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A003 「マンションのキッチンについて」のアンケート報告
実施期間:2012年7月3日〜7月16日
回答者数:690件
2012年7月3日〜7月16日の期間に実施した「マンションのキッチンについて」のアンケートには、690人の方からご回答をいただきました。
回答者の年齢層はやや高く、40代の既婚女性の方を中心に幅広い方々からご回答をいただきました。
このアンケートでは、現在のマンションのキッチンについて、また持っている調理器具や理想のキッチン、キッチンまわりの暮らしについて伺ってみました。このレポートではキッチン収納とキッチンまわりの暮らしを中心に考察をしてみたいと思います。
集計にあたっては、既婚の方を抽出させていただきましたが、その他の方のご意見につきましても、今後の参考にさせていただきます。
1)キッチンの現在と理想
2)持っている調理家電
3)置き場所に困っているもの
4)足りないと思うスペース
5)キッチン収納について工夫していること
6)昨晩の夕食でつくったもの
7)ここ最近、一番手のかかった料理とそのシーン
8)1週間のうち家で夕食をとる回数
9)調理にかける時間
10)家族と一緒にキッチンで料理をする頻度
11)何をしながら料理をしているか
12)レンジフードの掃除頻度
13)キッチンについての共感度
14)三菱地所レジデンスにつくってほしいキッチン
15)まとめ
まず現在のキッチンについてお聞きしたところ、セミオープン(対面型)キッチンと答えた方が一番多く、37%でした。
次に理想のキッチンについてお聞きしたところ、吊り戸棚付きのセミオープンキッチンと答える方が一番多く、42%でした。
リビングが見渡せて、収納力のある吊り戸棚付きが理想と答える人が多いものの、吊り戸棚なしは35%、クローズドキッチンは23%となり、それぞれのライフスタイルでキッチンの理想は異なることが分かります。
さらに、シンクまわりの形状とシンク下収納の型についての理想をお聞きしたところ、お皿も置ける立ち上がりがあるキッチンと答えた方が約半数、シンク下収納は引き出しと答えた方が約6割以上でした。
このことから、配膳スペースを持ちたいこと、また収納については引き出し型が理想であるようです。
持っている調理家電をお聞きしたところ、冷蔵庫やオーブンレンジのほか、トースターやホットプレート、電気ケトルやコーヒーメーカーなど、1世帯あたり約8点以上の調理家電を持っていることが分かりました。
調理家電は、食器や鍋のように重ねてしまうことが難しいものが多いため、収納場所には困っているかもしれません。
次に使わないものをお聞きしたところ、グリルや食器洗い機のほか、コーヒーメーカー、ミキサー、電気ポット、ホームベーカリーなどの家電を答える方が多くいました。このことから、調理家電は持っていながらもあまり使っていないということが分かります。食器洗い機を使わない人にとっては、キッチン中央の大きなスペースを取られることが、もったいないと感じるのかもしれません。
キッチンで使うアイテムのうち、置き場所に困っているものをお聞きしたところ、上位3位はスパイス類、ごみ箱、パン類となりました。
また、キッチン内のごみ箱はどこに置いているかをお聞きしたところ、キッチンの通路スペースと答えた方が約半数、さらにはキッチンには置いていない、その他という人も1割以上いることから、ごみ箱の置き場所には困っている様子が分かります。
現在のキッチンについて、足りないと思うスペースをお聞きしたところ、ガスコンロとシンクの間の作業スペースと答えた方が約半数、食品庫と答えた方が47%でした。作業スペースと食品庫の充実は、現在のキッチンの課題であるといえそうです。
キッチン収納について工夫している点、アイデアをお聞きしたところ、さまざまな回答をいただきました。回答の多かったアイデアもありましたが、工夫していることは特にないという回答も目立ちました。
●長年使っていなかった食洗器を取り払い、収納場所に変更
(50代女性/既婚/子どもなし)
●オーダー家具で炊飯器やトースターが収納できるようにし、スッキリさせた
(40代女性/既婚/子どもなし)
●シンク下は、食器入れとして使用
(50代女性/未婚/子どもあり)
●物を増やさない。なるべく捨てる
(60代男性/既婚/子どもあり)
●キッチンの使用頻度の低いものは下の方、もしくは扉が開きにくいところを使用していること
(20代女性/既婚/子どもあり)
●食器戸棚の一部をオープンにして、大型ゴミ箱や、野菜・買い置き食材を置けるスペースを作った
(60代男性/既婚/子どもあり)
昨晩つくった料理の点数をお聞きしたところ、4品という回答が一番多かったものの、ご飯とお味噌汁とおかずと3品以下、つくっていないという方を合わせると約4割という結果となりました。この設問では、お惣菜やつくり置きのおかずなどを除いて、あらたにつくった点数をお伺いしました。ご飯やお味噌汁も1品として数えていただいていますので、ご飯とお味噌汁とおかず、と想定するとおかずとしてつくっている品目は2品、あるいはそれ以下ということになります。残り物をうまく使ったりお惣菜を買ったりしているのかもしれません。
ここ最近で、一番手のかかった料理をお聞きしたところ、61%の方が日常のご飯と答えました。次に多かったのは来客時のおもてなし料理ですが、10%の方が(手のかかるものは)つくっていないと答えているのも特徴的です。
1週間を通じて家で夕食をとる回数をお聞きしたところ、7回と答えた方が一番多く、41%の方が夕食は毎日家で食べていることが分かります。
次に、そのうち家族全員で食事をする回数をお聞きしたところ、2回と答えた方が22%でした。この2回は週末のことと想像できますが、そうすると平日はほとんど家族で一緒に夕食をとっていないことになりそうです。
普段の料理について、かけているおおよその時間をどのくらいかお聞きしました。まず朝食をつくるのにかかる時間はどのくらいかとお聞きしたところ、10分以内と答えた方が一番多く42%でした。
次に昼食をつくるのにかかる時間をお聞きしたところ、30分以内と答えた方が44%でした。
そして夕食をつくるのにかかる時間については、59%の方が1時間以内と答えました。
夕食は時間をかけて用意していることが分かります。
家族と一緒にキッチンで料理をする機会があるかとお聞きしたところ、49%の方が、機会があると答えました。
さらにその頻度についてお聞きしたところ、ほとんどしないという方を除いて、週に1回という方が多く、次に多かったのは週に2~3回となりました。
キッチンに2人が立つとなると、現在のスペースでは少し狭く感じるかもしれません。
料理をする際に、同時に何かしているかをお聞きしたところ、よくすることとしてテレビを見ながらという方が51%だったほか、他のことはしないという方も25%いました。
その他のフリーコメントでは、洗濯や掃除といった家事をしながらという回答が目立ちました。
レンジフードの掃除頻度についてお聞きしたところ、半年に1回という方が一番多かったものの、週1回と答えた方が7%、毎日という方も6%いることが分かりました。逆に掃除しないと答える人も5%となっていることから、まめに掃除する人が意外と多くいるほか、自分では掃除をせずにサービス業者などのプロに頼んでいる方もいるのかもしれません。
以下は、共感度についてお聞きしました。
食器棚は備え付けのものがいい
約半数以上の方が、食器棚は備え付けのものが欲しいと考えているようです。
食器洗い機はあったほうがいい
約半数の方が、そう思うと答えています。ややそう思うと答えた方も合わせると、75%の方が食器洗い機はあったほうがいいと考えているということになります。
食器洗い機があればシンクよりも作業スペースが欲しい
ややそう思うと答えた方が一番多く、そう思うと答えた方を合わせると54%の方がシンクよりも作業スペースが欲しいと考えているようです。
キッチンは全体的にもっと小さくてもいい
思わない、ややそう思わないという方を合わせると93%となり、ほとんどの方がキッチンは小さくてもいいとは考えていないことが分かります。
最後に三菱地所レジデンスにつくってほしい理想のキッチンをお聞きしたところ以下のようなフリーコメントをいただきました。掃除のしやすいキッチンが望まれているほか、自分好みにカスタマイズできるというご意見が多く、様々な理想があることが分かりました。
●自分好みに自由にできるキッチン
(30代女性/既婚/子どもあり)
●見た目より、使い勝手のよいキッチン
(40代女性/既婚/子どもなし)
●男子が料理するのに便利なキッチン
(40代男性/既婚/子どもあり)
●油料理をしても汚れないキッチン
(50代男性/未婚)
●いすを置いて、ひざが入るスペースがあるキッチン
(30代女性/既婚/子どもなし)
●購入後、オプションで組み合わせを変更できる自由設計が出来るキッチン
(40代女性/既婚/子どもなし)
●LDに出なくても、居座れる居心地の良いキッチン
(30代男性/既婚/子どもあり)
●作業台のあるキッチン
(30代女性/未婚/子どもあり)
●高級なステンレスの天板のキッチン
(40代男性/既婚/子どもあり)
●将来リフォームが容易に出来るキッチン
(40代男性/既婚/子どもなし)
今回のアンケートでは昨晩つくったものについて細かくお聞きしましたが、そこから見えてきたライフスタイルは、たくさんのおかずはつくらないでということでした。例えばおかずはお惣菜などを買ってきて、ご飯だけ家で炊くということも考えられそうです。または、ご飯とお味噌汁はつくり置きのもので、購入したお惣菜に加えてあらたにつくるなどして、やりくりをしているのかもしれません。
とはいえ、現在のキッチンでは作業スペースや食品庫が足りていないと答える人が多く、キッチンは小さくてもいいという共感度は低かったことから、キッチンというものは現状の暮らしとは異なる、ある種の理想像を持っているものだということがうかがえます。
調理家電については、持っている点数は多いものの使っていないことが多いということが分かりました。使っていない調理家電の多さがそのまま収納場所を苦しめているようにも感じました。
また、まな板やごみ箱の置き場所に困っていたり、食器棚は備え付けのほうがいいという方が多かったことから、現在のキッチンスペースをもっと有効活用できる収納棚については検討の余地がありそうです。
今回のアンケートで、三菱地所レジデンスにつくってほしいキッチンとして様々なご意見をいただきましたが、ひとつひとつのご意見から、暮らし方というものをもう一度考えてみたいと思います。