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#30 住人の誰かに鍵を預けることはありますか 〜セキュリティの境界線を考える
マンションの中で、自分の家の鍵を誰かに預けるという事はありますか。長期の旅行や出張に行く際に、荷物が届く予定があったり、ペットに餌をあげてもらったり、散歩に連れて行ってもらったり…。植木の水やりをしてほしいこともあるでしょう。こんなとき、マンション内に誰か信頼できる友人がいると便利です。でも、気のおけない友人がマンション内にいるかというと、そう多くはないでしょう。そもそも家のセキュリティには、多くの課題があります。昔は鍵をかけずに、隣の家に一声かけて出かけるというのはよくある事でした。急に雨が降ってきたら、お隣さんの洗濯物を取り込んでおいてあげるなどということもあったように思います。調味料の貸し借りなども日常の事。そのお返しに、料理を持っていくなどの近所付き合いもあったものです。そうしたコミュニティ内でのお互いの関心が、地域の安全や安心を作り出していったのでしょう。
しかし、多くの人が地縁のないコミュニティに住み始め、近隣との付き合いは面倒なことだと思い始め、プライバシーを優先するようになっていったのが、戦後30年ぐらいの日本の高度成長の特徴です。その結果、極度なまでに密室主義になり、悲惨な事件や、高齢者の孤独死などということもうまれています。こうした社会に対して、コミュニティ内のつながりを多くの人が求め始めているのが最近の傾向です。特に防災面など、3.11以降、ご近所とのつながりへの意識も高まっているようです。
通常、マンションのエントランスはオートロックなどで制御されています。とはいえ、意外と簡単に見知らぬ人が入ってくる事も事実です。機械に頼るのではなく、マンションの一階にお店やカフェなどがあって、人の目が常にあるというのも解決策かもしれません。自宅の玄関についても同じ事が言えそうです。たとえば、玄関がガラスや格子などでできていて、人の気配や廊下の様子などが目に入るようになっていたらどうでしょうか。立ち話ができたり、玄関先に座って話すようになると、コミュニティがうまれ、ご近所同士の関心は高まるようにも思います。閉じていく事によって安全を考える社会に対して、反対に開いていく事によって、安全や安心を取り戻していくこととも言えそうです。とは言っても、家の中には完全なプライバシーが必要な部分もあり、大切なものを保管する場所も必要でしょう。家の中の大事な場所に鍵をかければ、玄関先など今まで家の中だった空間は、もう少しセキュリティをゆるめていくということが可能になるかもしれません。この境界線をゆるめていくことは、昔の日本の風景に近づくことなのかもしれません。ご近所とのつながりやセキュリティについての意識の変化だけでなく、マンションのつくり方も合わせて考える必要があるかもしれません。
いかがでしょう?みなさんのご意見をお寄せください。