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M08 世界の色と素材
世界の家具の見本市で最も名が知られそして多くの人が集まるのは毎年4月に行われるミラノサローネです。この数年の傾向は、古い物と新しい物を合わせて使うことや、50年代の名作シリーズの家具と現代の家具を組み合わせてしつらえることが目立ちます。また、酒樽の古材などを使い、材料そのものの素地を生かして仕上げた家具なども見うけられ、素材そのものの色を残して見せる色使いが多く使われるようになっています。
実はデザインという言葉が生まれて以来のこの100年間、なるべくわかりやすい言葉や均質な素材を求めて来たのが近代デザインとも言えます。世界はなるべく共通の言葉で同じようなデザインをつくろうとしてきたのです。しかしそうすればするほど、個々に何か「伝えたいこと」の本質が抜け落ちるようにも思います。人間はどこかで単純なものや均質な物より、それぞれの風土の差や、素材の違いに影響された、多様な考え方(デザイン)を受けいれたいとも思うものです。
デザインを考えるとき、大事なのは「色の調和」ではないでしょうか。素材が違っても、固有の考え方に裏打ちされた様々な要素が混じり合っても、色に調和があるとその組み合わせが実にしっくりくるものです。一風変わった手法や新しい考え方も、色の調和の中に取り込まれたら、トレンドとして受け入れられるのではないでしょうか。わざわざ白やグレーで塗装をして拭き取って素材感をだすような方法、ステンレスなどの固い素材に古材などを組み合わせ、そこに土の素材を粗っぽく加えるような、人工物と自然物を対比させる方法。例えば最近良くみられるこのような手法も、素材の組み合わせでうまく調和をとったり、あえて対比させたりしながらも、「色の調和」が考えられていることはとても大事な工夫といえます。
素材感をたもちながら、色の違いを調和させていくこの方法、肌触りなどを大切にしながら、人間の感性を刺激していくことが世界の主流となっているようです。そこには人間のもつ五感に訴えるような、原点回帰ともいえる潮流が感じられます。その潮流は、世界の色だけでなく、日本の色を考える時も同じような事が言えるかもしれません。そのことはまた次回に考えてみたいと思います。
もし海外旅行などに行く機会があれば、ホテルやレストランの内装の色使いなど、是非みなさんも注目してみてください。きっと何かしらの気づきがあると思います。みなさんのご意見をお寄せください。
ミラノサローネ2013(イタリア・ミラノ)