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M09 日本の色 〜住まいのしつらえ
今回は日本家屋の壁や床、天井などについて考えてみたいと思います。日本の家屋というとき、庶民の家が登場するのは、茶室などができる桃山時代、その後江戸時代までに庶民文化は成熟し続けます。豪華さを競うというより、簡素の中にも品格を見つけ出すような家の作り方とも言えます。
そうした日本家屋の内装の色とは素材の色、土の色、木の色、畳の色、などでつくられていました。天井も木の板でつくられているのが普通です。めずらしい材料を自慢したりしたかもしれませんが、色や装飾をほどこすことはまれでした。そして間仕切りにはふすまや障子が付けられていたのですが、色は和紙の白が基調。そこにに墨絵などが施されているのもありました。しかし一般には多彩な色はあまりなかったと考えていいでしょう。
一方、西洋の館を想像してみましょう。ルネッサンス、バロックに代表される宮殿は、装飾と人工的な色で埋め尽くされていました。床はモザイクタイルや大理石が敷き詰められ、壁には彫刻や絵が描かれるなどの装飾が施されていました。布製のカーテンがあるのも特徴で、色も大胆に使われており、窓周りにはレースや刺繍の飾りが施されていたのです。
こうして比較すると日本の内装には色をつけない、素材の色をそのまま使うという特徴があり、西洋のように芸術性を求め、素材を加工して組み合わせたり、色をつかったり、装飾を施すようなことはあまり一般的でなかったといえそうです。その違いは建物をつくる際に自然との関係をどうとらえるかという事からくるのでは無いでしょうか。日本の建築は自然と一体のものと考えるのに対して、西洋の家は自然と対峙するものと考えているように思います。
日本らしい色使いとは、素材を選び、色の持ち味を生かしていくことと考えると、土壁の色、白木といった組み合わせが日本の建築の色といえます。更に自然と一体になり、外の光を家の中にいれることで、同じ素材に変化が生まれます。光の織りなす陰が日本の家の空間に深みをつくっていくのです。
外の景色をたくみに家の中に引き入れ、内と外の連続性を作り出します。
こうした日本人特有の歴史や文化を考えると、現代においてもたくさんの色を使ったり、コントラストのはげしい色を使うよりも、同じような色を重ね、光をコントロールして深みを出す事や、素材の持ち味をうまく表現する事が得意なのかもしれません。
身のまわりの色や日本の色などについて感じることはありますでしょうか?
是非ご意見をお寄せください。